日々のこと

2023年8月26日 (土)

洗濯機NW-D6CXの給水弁の修理

【20230904追記 ゴムパッキン交換編】
下記の元記事に書いたとおり、洗濯機NW-D6CXの給水弁のゴムパッキンが破れて水が入らなくなってしまい、破れたゴムパッキンを接着剤でふさいで一週間ほど使っていたが、どうも止水時に「チー」というごく小さい音がする。どうやら少量だが水がもれているようだ。そこでふたたび給水弁ユニットを取り出し、ゴムパッキンを点検したところ、接着剤が白化し、接着が剥がれてしまっているようだ(写真1)。やはり破れたゴムパッキンを接着剤で補修するのは無理だったようだ。

Pkn_ng
写真1.白化して剥がれてまった接着剤

給水弁ユニットは品切れだったが、その内部のゴムパッキンだけ交換できれば修理することができるので、ゴムパッキンが売られていないか探したところ、amazonにそれらしいものがあった(写真2、写真3)。

Pkn_b
写真2.ゴムパッキン1 ゴム面に白い突起が2つある


Pkn_a
写真3.ゴムパッキン2 ゴム面の突起はオリジナルと同じ1つ


写真2のゴムパッキン1には寸法図がある(写真4)。

Pkn_dim
写真4.ゴムパッキン1の寸法図


オルジナルのゴムパッキンは、写真4の厚さ9.5mmの部分が実測で14.5mmで、この部分が違うが、その他はほぼ同等だ。
やってみないとわからないと判断して、上記2種類のゴムパッキンを購入して動作を確認してみた。

実際に送られてきたゴムパッキンを写真5,写真6に示す。いずれの写真も真ん中の黄色いものがもともと付いてたオリジナルのゴムパッキン、左右が今回の購入品。

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写真5.オリジナルと購入品のゴムパッキン

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写真6.オリジナルと購入品のゴムパッキン


給水弁ユニットを開けて、写真7のようにゴムパッキンを今回購入したものに交換する(右上の白いゴムパッキンが交換品)。


Pkn_change
写真7.給水弁ユニットの破れたゴムパッキン(右上)を交換する


今回購入した2種類のゴムパッキンを付けて、それぞれ動作を確認したところ、どちらも問題なく給水、止水の動作ができた。
今回はオリジナル品と同じく、ゴム面の突起がひとつのもの(写真3 ゴムパッキン2)を採用することにした。

そういうわけで、こんどこそだいじょうぶだと思う。

治ってよかった\(^o^)/



【20230826元の記事】
20年使ってきた全自動乾燥機付き洗濯機HITACHI NW-D6CXが、給水ができずC1エラーを吐いて止まるようになってしまった。
これは典型的な給水弁故障で、給水弁の中のゴムパッキンが破れたり穴が開いたりした場合に起こるらしい。
故障時に水が入りっぱなしになるのではなく、水が入らなくなる、という設計はすごいと思う。給水弁の動作はこちらで説明されている。
今回のような給水弁故障の場合、通常は給水弁ユニットを丸ごと交換するのだが、この機種に使われる給水弁ユニットNW-D8CX 038がどこも品切れで、生産終了となっているため入手は難しそうだ。
給水ができないとはいっても、チョロチョロとは水が入るのでここ2週間ほど騙し騙し使ってきたが、それもしんどいので修理できないものかと考えて、とにかくバラして故障箇所を見て検討することにした。

結果からいうと、想像したとおりゴムパッキンが破れていて、通常ならあきらめるしかない状態だったが、ダメ元で接着剤でゴムパッキンの破れを塞いだところ、なんとか給水はできるようになって、どうやらもうしばらく使えそうだ。

今回の作業で最も困難だったのは、洗濯機の上部パネルの取り外しだった。やり方がわからず、給水弁ユニットを取り出すまでに一週間以上要してしまった。ネジの締め付けトルクが猛烈に高く、通常のドライバーではお手上げだったが、幸いねじ頭が六角だったため、対辺7mmの六角ドライバー(いわゆるナット回し)で対応した。またネジを外しても、上部パネルは強固なパッチン止め(押し込むとツメがかかってロックされる機構)になっていて、ここでほぼ一週間費やしてしまった。図面がないパッチン止めの機構は、無理やり力をかけて破損してしまうと取り返しがつかないので、慎重さが求められる。
次の難関は給水ユニットの本体からの取り外しで、これもフレームのツメをドライバーでこじ開けないと取り外せない。
そして最後の難関は給水弁ユニットの分解。給水弁ユニットのネジはピン6ロブといわれる特殊ネジで、通常ならあきらめるところだが、幸い工具箱にこのドライバーセットが入っていた。

とにかく
「ぜったいに素人には手を出させねえ!」
という、メーカー側の非常に強い意志が感じられる造りだ。

実際の作業内容を以下に紹介する。(なお参考にされる場合は自己責任でお願いします。)

1 ACプラグを抜く

2 給水用の水道の蛇口を閉め、給水ホースを外す

3 上パネルを外し、給水弁ユニットを取り出して修理する

①上面パネル奥2箇所のネジ蓋を開け、ネジを外す(図1)
ただし、このネジは締め付けトルクが猛烈に高く、ジャストサイズのプラスドライバー3番ビットでも歯が立たなかったため、対辺7mmの六角頭をナットドライバーで回して外した。

1_20230826182001
図1.背面側の2箇所のネジ穴の蓋を開けて、ネジを外す


②左右の手前側カバーを外す(図2)
手前側カバーは、ツメがかかってロックされているので、手でこじり外すかすきまにマイナスドライバーなどをこじ入れて外す。
左右ともカバーを外すとネジがあるので、これを外す。

6_20230826182001
図2.手前側左右のカバーを外すとネジがあるので外す


③洗濯機の蓋を外す
・蓋の左ヒンジは奥に赤い樹脂ツメがあるので、これを右にスライドして止め軸を引っ込める(図3)。右ヒンジはワイヤスプリングが付いているので、ピンセットなどで外す(図4)。止め軸とワイヤスプリングを外したら、左右それぞれのヒンジをマイナスドライバーなどでこじって、手前側に引いて蓋を外す。

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図3.蓋の左ヒンジの赤い樹脂ツメを右にスライドして、止め軸を引っ込める

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図4.右ヒンジのワイヤスプリングを外す


④固定ピンを引き抜いて(図5)、洗剤投入口を外す(図6)

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図5.蓋後部にある、洗剤投入口ロックピンを外す

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図6.洗剤投入口を外す


⑤奥側の上面パネルを外す
図7のように奥側上面パネルの左右手前側からドライバーを差し込んで、柄を上に引き上げるようにしてバキバキとツメを外す。

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図7.奥側上面パネルの左右手前側からにドライバーを差し込んで柄を引き上げて外す


⑥給水弁ユニットから洗濯槽への配管のホースを、ホースバンドをゆるめて外す(図8)

5_20230826182001
図8.洗濯槽への配管ホースを、ホースバンドをゆるめて外す
黒いのが配管ホース、銀色がホースバンド。


⑦給水弁ユニットと洗剤クリーマーが一体となったユニットを、左右手前、右うしろ側および左奥の4箇所のネジを外してから手前のツメがかかっている部分をドライバーでこじり広げて外す(図9)

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図9.給水弁ユニットと洗剤クリーマーを、手前側爪がかかっている部分をこじって外す


⑧給水弁ユニットを取り外す(図10)

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図10.取り外した給水弁ユニット

⑨給水弁ユニットのネジ(ピン6ロブ)を外して分解する(図11)
給水弁を開けると、図12のようになっているので、ゴムパッキンを外して点検する(図13)。

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図11.ピン6ロブネジを外して、給水弁ユニットを分解する


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図12.給水弁ユニットの内部
右上のゴムパッキンを外したところ。

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図13.ゴムパッキンを点検して破れを発見!

⑩ゴムパッキンの破れ部分が露出するように、ゴムパッキンを浮かせた状態で引っぱって固定するジグを作る(図14)
ゴムパッキンを浮かせるためのスペーサーは10セントユーロ硬貨がちょうどよかった。

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図14.ゴムパッキンを浮かせて固定し、破れた部分を露出するジグ。ネジに木綿糸を巻き付けてゴムパッキンを固定する。

⑪10セントユーロ硬貨と木綿糸を使って、ジグにゴムパッキンを浮かせた状態で固定して破れを露出し、そこに接着剤(コニシ ウルトラ多用途SU ソフト)を塗布して破れを塞ぐ(図15)
接着剤を乾かしてゴムパッキンの補修完了(図16)。

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図15.ゴムパッキンの破れに接着剤を塗布して塞ぐ

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図16.接着剤が乾いたらゴムパッキンの補修完了


⑫以上の手順を逆に行い、洗濯機を元の状態に戻す


以上、おおざっぱですが給水弁ユニット内部のゴムパッキンの補修を紹介しました。
これで給水は元通りジャバジャバと入るようになりました\(^o^)/

さて、あとどれくらい使えるか……


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2022年10月 1日 (土)

東京の生き物 ~蝶類編~

前回は初めてカワセミを見て感動し、東京の生き物 ~鳥類編~を書いた。
今回は東京で見た蝶を記録しておこうと思う。

・モンシロチョウ
・スジグロシロチョウ
・キタキチョウ
・モンキチョウ
・ツマキチョウ
※ツマキチョウは2年前に中野の緑道で、生まれて初めて見て感激しました。

・ヤマトシジミ
・ルリシジミ
・ウラナミシジミ
・ベニシジミ
・ウラギンシジミ

・ヒメアカタテハ
・ルリタテハ
・テングチョウ
・ツマグロヒョウモン
※ツマグロヒョウモンは今ではよく見る蝶ですが、初めて目撃したのは2002年頃で、カバマダラかと思ってぎょっとした記憶があります。

・アカボシゴマダラ
※アカボシゴマダラも最近はよく見られますが、初めて目撃したのはたしか2005年頃で、明治神宮でした。アサギマダラかと思ってびっくりして追いかけて観察したらアカボシゴマダラでした。

・ヒメジャノメ
・サトキマダラヒカゲ

・チャバネセセリ
・キマダラセセリ
・ダイミョウセセリ

・アゲハ
・キアゲハ
・クロアゲハ
・アオスジアゲハ

東京都内でもこれくらいの蝶は見つけることができます。
自由研究には事欠かないと思うのだが、東京の子供たちは興味がないのかな?

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2022年9月26日 (月)

東京の生き物 ~鳥類編2~

Kiminonaha
写真1.君は誰?

ベランダにお米を撒いておくと、キジバトやすずめがやってくる。
先日もたぷたぷした感じのキジバトとすずめが来たので動画を撮ったのだが、あとから見てみると、すずめに混じってすずめではないような小鳥が映っていた。ぱっと見すずめそっくりだが、すずめより少し小さめで、顔の斑がないし、お腹の白い部分も不鮮明だ。

動画:20220922ベランダに来た鳥たち

鳥には詳しくないのでネットで調べてみたが、似た感じの鳥でノビタキという小鳥がいる。北方や高山で子育てをして、秋には南方に移動する。もしこの鳥がノビタキなら、移動中にすずめに混ざってうちに立ち寄ったのだろうか。

鳥に詳しい方、この写真と動画でわかったらお教えください。


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2022年9月22日 (木)

東京の生き物 ~鳥類編~

20220922_20220922114801
写真1.初めて見たカワセミ

中野区に住んで20年ほどになる。
ここ2年はコロナ禍で出かける機会が激減したので、運動不足の解消も兼ねて毎朝散歩に出かけている。
もともと昆虫、中でも蝶は昔から好きだったので、ふだんから注意して見ていたが、朝の散歩をするようになると野鳥をよく見るようになった。
けさは公園の池でカワセミを初めて見て感動したので、記念に、この2年ほどで身近なところで目撃した鳥を記録しておこうと思う。

・スズメ
・ツバメ
・メジロ
・ドバト
・キジバト
・ヒヨドリ
・ムクドリ
・シジュウカラ
・ハシブトガラス
・ワカケホンセイインコ
・カルガモ
・カイツブリ
・アオサギ
・コゲラ
・ツグミ
・カワセミ
・ハクセキレイ

もしかしたら漏れがあるかもしれない。それでも17種。
案外いるものですね(^-^)

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2022年8月29日 (月)

なんとなくフラクタル

いつのことだったか、スーパーの野菜売り場を歩いていたら一瞬ゾッとした。
なぜゾッとしたのかわからず、しばらくあたりを見回してみると、視界に見慣れない名前の野菜が置いてあった。

「ロマネスコ」

初めて見る野菜だった。
気を取り直してその野菜をもう一度見て、しばし凝固してしまった。

Romanesco
写真1.ロマネスコ(Wikipediaより)

その形状は数式が具現化したようなものだった。
数学、その中でも虚数が出てくるような世界はもはや現実的ではなく、概念としてしか捉えることはできない。せいぜい複素平面上のグラフとしてしか目で見ることができないようなものだと思っていたが、それがいきなり野菜に姿を変えて目の前に現れたのだった。

「これはマンデルブロイ集合のフラクタル図形のようではないか……」

はるか30年前の数学の授業で教わったマンデルブロ集合(その当時はマンデルブロイ集合と言っていた)。
マンデルブロ集合とは、

f(z) = z^2 + Cという関数を、z0 = 0から始めて、
z1 = f(z0), z2 = f(z1), z3 = f(z2), …
とくり返し計算して数列を作っていったときに、k → ∞で|zk|が発散しない複素数Cの集合

で定義される複素平面上の集合で、どんな意味があるかはさておき、そのグラフにはとてもおもしろい性質がある。
それはフラクタル(自己相似性)という性質で、図形のある箇所を拡大していくと、もとの図形が現れる、ということが無限に繰り返されるような性質のことだ。
ロマネスコを一目見て、フラクタルな野菜だと直感し、想像上の生物が突然目の前に現れたかのような衝撃を受けてゾッとしたのだった。

マンデルブロ集合を実際にグラフに書いていろいろな場所で拡大縮小、彩色をすると、非常におもしろい模様が現れる。座標の位置、尺度、彩色のパターンは無限に選べるので、無限のパターンのマンデルブロ集合が楽しめる。
このページでは、マンデルブロ集合の描画プログラムを提供している。
「マンデルブロ集合描画スクリプトを開く」ボタンを押すと、別窓でプログラムが起動するので、「おまかせ描画」ボタンを押すと、ランダムな座標や尺度、彩色でマンデルブロ集合を描画してくれる。

おもしろい絵が出たら保存しておいて、ネクタイを作ってみたい。

Mandelbrot
図1.おまかせ描画でランダムに描画されたマンデルブロ集合

【参考ページ】
マンデルブロ集合の不思議な世界

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2022年6月28日 (火)

カオスの音

※データに一部まちがいがあったため、差し替えました。

先日出かけた先で、「役に立たない機械」がおもしろいという話題になった。早稲田大学で毎年コンテストを行うそうで、タモリ倶楽部で紹介されたというので、録画を見せてもらった。
なるほど、みなさん役に立たない機械を大まじめで作っている。
どれもとてもおもしろかったが、その中で特に印象的だったのが、二重振り子を応用したメトロノームだ。
刻むリズムが不規則でしっちゃかめっちゃかなので、なるほど非常に役に立たない!!

二重振り子というのは、棒にぶら下げた振り子の重りに、さらに棒を付けて重りをぶら下げるという、二階建ての振り子になっていて、不規則で予測不能な動きをする。カオス現象の一例として有名なのだそうだ。
運動方程式は立てられるので、その動作は計算できそうなものだが、計算通りの動きになるには非常に高い精度での計算が必要であり、現実には計算精度に加えて、摩擦や空気抵抗やガタなどのちょっとした誤差が、その後の動きに影響を与えるため、現実的にはその運動を予測することは困難だという。
ただ、精度的に難しいということであって方程式は立てられるので、ランダムというわけではない。

これと同じことを電子回路でできないかということを、ぼんやり考えて、いくつか試してみた。
カオスが電子回路で発生できれば、増幅して音を聴ける。カオスの音とはどういうものだろうか。
不規則でランダムに近い信号だとすればホワイトノイズ的なものになるのだろうか。

非安定マルチバイブレーターを2階建てにしたり、VCOを2つ用意してお互いのコントロール入力にお互いの出力をつないでみるなど、独立した2つの発振回路が、相互に発振周波数を変更するような動作をすれば実現しそうな感じではある。
ところが、実際にやってみるとどうも周期性が出てきてしまう。そもそも動作がカオスなのかそうでないのか、検証する方法もわからない。

しかたがないので自分で考えるのはあきらめて、ネットで検索してみると、「チュア回路」(Chua's circuit)を使ったカオス発振器というものを見つけた。
参考にしたのはこちらのサイト

あとで実際に回路を組んで検証したいので、楽にできるように回路を単電源に変更した。LTSpiceでシミュレーションした回路を図1に示す。

Simsch_20220627202101
図1.チュア回路のシミュレーション

参考のサイトではオペアンプにOP27を使っているが、実回路を組むことを考えてNJM3414にした。NJM3414のスパイスモデルはJRCのサイトより入手した。
カオス発振の観測点は図中のX,Yで、この2点をリサージュで観測する。
うまくカオス発振が起こらない場合は、C1とR8を微調整する。
シミュレーション結果を図2に示す。

Ltspice
図2.カオス発振のシミュレーション結果

参考のため、X,Y点をリサージュでない個別の信号としてシミュレーションしたものを図3に示す。

Simxysignal
図3.X,Y点それぞれのシミュレーション波形

さてシミュレーションがうまくいったので、いよいよ実際に回路を組んで動作を確認する。
実際に組んだ回路を図4に示す。

Chuascircuit
図4.実際に組み立てた回路(20220706  C8の値を0.1→22μFに訂正しました)

シミュレーションで観測したリサージュ波形を音として表現するにはどうしたらいいか?
リサージュという方法の性質から考えれば、信号X,Yの位相差を増幅すれば理にかなうように思うが、位相差の演算はなかなかたいへんそうだ。なので今回は簡単にX,Y信号の和と差を観測することにした。

実際の回路では、オペアンプに4回路入りのNJM3403を使用した。これはシミュレーションに使ったNJM3414と中身が近いと思われる。
4回路のうちU1Aをチュア回路に、U1Bを基準電源用に、U1CをX,Y信号の加算に、U1DをX,Yの差の演算に使用した。
カオス発振を起こすためにC4を2200pに変更し、RV1を調整してカオス発振を起こす。

X-Yリサージュの様子を図5に示す。デジタルオシロの画像保存ではきれいに録れなかったので、写真を撮った。

Oscillopic
図5.実際の回路でのカオス発振の様子


参考のため、X,Yそれぞれの波形を図6に示す。

Tek0004
図6.X(下)とY(上)の波形


次にX+Yの演算出力を図7に、X-Yの演算出力を図8にそれぞれ示す。

Sumxy001
図7.X+Y演算出力(差し替えました)


Difxy001
図8.X-Y演算出力(差し替えました)


和信号と差信号は、波形だけ見てもあまりピンとこないので、wavespectraを使ってFFTしてみた。
X+YのFFTを図9に、X-YのFFTを図10にそれぞれ示す。

Sum001
図9.X+YのFFT(差し替えました)


Diff001
図10.X-YのFFT(差し替えました)


X+Y、X-YをFFTしてもまだあまりピンとこないので、音を聴いてみる。

①X+Yの音(差し替えました)
ダウンロード - sum001.wav

②X-Yの音(差し替えました)
ダウンロード - diff001.wav


音はどちらもホワイトノイズピンクノイズに高域の信号を重畳したような感じに聞こえる。
強いていえばセミのベース音つまり変調なしの搬送波のような印象だ。種類でいうとニイニイゼミあたりだろうか。

というわけで、なんともよくわからない混沌とした結果になった。

役に立たない記事になったことを自負している。

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2021年6月27日 (日)

浄水器の蛇口アダプタ

キッチンの水道の蛇口に浄水器をつけている。
クリンスイCB013-WTという製品で、1700円程度、カートリッジのみなら2個で2400円ほどで買える、比較的廉価なタイプだ。
最初はおまじないのつもりで買ってつけてみたが、この程度でも水道直接と浄水器で濾過した水では味が違う。
いきなり一杯出されてどちらか当てろと言われれば無理かもしれないが、ふたつ並べて出されて、どちらが浄水器を通したものかといわれたら、おそらく当てられるであろう程度の効果がある。

キッチンの蛇口はもともと金属のねじ込み式の泡沫金具が付いていたが、浄水器を使うには 泡沫金具の代わりにプラスチックのアダプタをねじ込んで、浄水器に接続する。

Jousuiki
写真1.浄水器と蛇口を接続するアダプタ


ところで、ベランダの鉢植えが最近は増えてきてしまったので、水遣りに自動散水機を使っているが、散水機を使うにはその都度浄水器を外して、散水機に付け替えなければならない。夏場の水遣りは毎日なので、少なくとも一日に一度は浄水器と散水機の付け替えをすることになる。
すると、浄水器のアダプタのプラスチックのネジが、蛇口の金属のネジに負けて、だんだんに摩耗したり、あるいはねじ込むときに曲がって入れてしまったりして、ネジがバカになってしまう。どれくらいでダメになるかというと、1シーズン持つかどうかといった具合だ。

それで、このアダプタのネジがバカになってしまったらもう使えないのだが、このアダプタ部分だけを買うことはできないので、浄水器を買い直すしかないということになる。それで毎回モヤモヤするわけだ。

今回もまさに今日、ネジをバカにしてしまって悔しいので、この部分だけ3Dプリンタで作れないかどうか検討した。

これまで3Dプリンタでネジを造形したことはないし、最小1mm幅程度の造形しかできないような精度の3Dプリンタで、はたして実用できるネジが造形できるだろうか。やってみるまではかなり悲観的で、でもやってみてダメならあきらめもつくだろう、程度の意気込みだった。


Jousuiki_adapter
写真2.ねじをバカにしてしまったアダプタ(左)と3Dプリンタで造形したアダプタ(右)

Jousuiki3d
図1.浄水器アダプタの設計の様子


写真2にもとのアダプタと今回3Dプリンタで造形したアダプタを示す。
図1にはDesignSpark Mechanicalでの設計の様子を示す。

1回目は径が小さく蛇口にねじ込めなかったが、2回目の設計でうまくいった。
黒いゴムのパッキンを新しく造形したアダプタに付け替えて、蛇口に装着すると、なんと問題なく使えた\(^o^)/
これで人生のモヤモヤがひとつ減った。

今回製作したアダプタはクリンスイCB013-WTに付属のW-22というタイプのものだ。
おそらくそんな人はいないとは思うが、ぼくと同じ悩みを抱えている人に3Dプリンタのデータをさしあげます。
ダウンロードしてお使いください。

ダウンロード - jousui_adapter001.stl

 

 

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2020年4月22日 (水)

JFETを使った非安定マルチバイブレーター(2)

前回はトランジスタとJFETを使った非安定マルチバイブレータの記事を書いたが、その後、JFET2つのみで構成できないか検討したところ、どうやらダイオードをひとつ追加するだけでできるようなので紹介する。

JFETを使う場合、Vgs電圧をマイナスにしないとIdがOFFしないという特徴があるので、たとえば前回の回路ではゲートソース間にトランジスタのVBEが印加される回路になっていた。
トランジスタを使わなくても単純にFETのソースにダイオードをひとつ入れれば動作するのではないかということは考えていたのだが、FETの種類やランク、使用するダイオードのVF、それに時定数CRの選び方によって発振したりしなかったりということがあるようだ。

今回は図1の回路でLTSPICEによるシミュレーションと実際の回路による検証を行った。

 

Jfet_multivib

図1.JFETのみによるマルチバイブレータ回路

 

Jfet_multivib_gr

図2.LEDカソード電位(緑)とLED電流(ピンク)

 

図2のシミュレーションでは1周期5秒ほどだが、実際に回路を組んで動作させると0.5秒ほどだった。LED電流波形は前回のFET-TRタイプと似ているが、FETのみの場合は動作領域をVGS<0と考えればたかだかIDSSなので大電流は流せない。
時定数CRの組み合わせや使うFETによっては発振しないので、回路の自由度は低い。

 

動画1.JFETのみによるマルチバイブレータ

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2020年4月13日 (月)

中華製温調はんだごて(2)

Compare2

2/13に中華製温調はんだごての記事を書いた。その中で、このコテは温度調整をフィードバック制御していないと判断したと書いたが、昨日読者の方よりフィードバック制御はしているようだ、というコメントをいただいたので再検証した。コメントありがとうございました(^-^)

このコテは180℃~500℃の温調機能がついているが、実際に使おうとすると180℃設定でも実測380℃ほどで、まるで温調が機能しておらず使い物にならなかった。

結論を先に言うと、抵抗一本の追加でなんと温調機能が有効になり、温調コテとして問題なく使えるようになった。

Kote_schematic

図1.回路図
R3(56k)とマイコンの間に分圧抵抗100kΩを追加

 

Imgp3461

写真1.分圧抵抗100kΩ追加の様子
写真では56kΩがR2になっているが、検出用の1Ω(1R00)がR2とあるので、回路図上はR3とした。R2(1R00)のGND側に100kΩをはんだ付けし、R3(56kΩ)のマイコン側にジャンパ線で接続。

 

変更内容は図1、写真1のとおりで、検出抵抗R2(1R00)からR3(56kΩ)を介してマイコンに戻る検出信号を100kΩで分圧する。
変更後の温度の実測値を図2に示す。

104

図2.100kΩ追加後の設定温度vsこて先実測温度

 

これなら十分実用的だ。すばらしい\(^o^)/

 

ところで、上は検出値を分圧する方法だが、検出抵抗1Ωを少し小さくする方法も検証した。回路図のR2(1R00)に並列に2.2Ωを追加する。

Imgp3458

写真2.2.2Ωを追加する
2.2Ωは1W品を使用。

 

このときの実測温度は図3のとおり。

2r2

図3.2.2Ω追加時の設定温度vsこて先実測温度
先の100kΩ改造よりも温度は高めになるが、このやり方でも可能。最適値は2Ωか1.8Ωあたりか?

ちょうどよさそうな抵抗の手持ちがなかったので、2.2Ωをつけて検証したが、もう少し下げれば設定値に近くなるのではないか。

 

【言い訳】

さて前回の記事で、フィードバック制御はしていないように思うと書いたが、なぜそういう判断をしたか、うかつな自分への戒めを込めて言い訳しておく。

①回路を写し取ってながめていたところ、検出抵抗1Ωから56kΩを介してマイコンに入っている。これは交流をそのままマイコンに入力しているため、違和感を感じた。なぜなら、まずマイコンにマイナス電位が入力されることになるので、自分ならこういう設計はしない。やるならマイナスに振れないようにダイオードを入れるだろう。またA/Dで温度を測るなら、自分ならコンデンサで積分して平均化すると思う。この場合はダイオードで整流してからコンデンサで平滑化する。ただこうするとサイリスタのタイミングが取れなくなるので、タイミング用の信号は別ポートで確保しておく。

②実際にはフィードバック制御も疑っていて、56kΩを10kΩや100kΩに付け替えてみたが変化がなかった。経験的にマイコンの入力ピンのインピーダンスは数十kΩから100kΩ前後くらいだろうと思っていたので、56kΩを変えれば分圧比が変わるのでA/Dへのフィードバック値も変わり、温度が変わるのではないかと考えたため。(使用されているマイコンMS51FB9AEの仕様書には入力インピーダンスの記載はない)

 

ヒーターとの直列抵抗からヒーター温度を検出する方法は一般的におこなわれているやりかたで、ヒーターの抵抗値が温度によって変化して電流値が変わるため、直列に入れた抵抗(一定)の両端電圧が変化し、ここから温度検出ができる。

それにしても、原理的にも問題なくソフトも動作するものを作っておきながら、まったく使い物にならない状態で販売しているのはなぜだろう。大きな謎である。開発段階では問題なかったものが製造段階でなにか行き違いが起こったのか、それともマイコンの入力インピーダンスのばらつきなどの不確定要素を見落としていたのか…………

今回はもともと100V用のものを購入した後、もう一本追加で注文したところ、先方のミスで220V品が送られてきたが、おもしろいことに100V品も220V品もプラグが違うだけでハードもソフトもまったく同じものらしい。非常に効率の良い設計をしている。なのに結果として不良品として売られていることは残念に思う。

 

おまけ。きょう羽化した越冬アゲハ\(^o^)/

Cimg5923

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2020年3月21日 (土)

危機に備えること

2020年3月21日現在、世界は新型コロナウィルスの脅威にさらされ、未曾有のパニック状態になっている。

新型コロナが発生する以前も、ここ3年ほどは竹島や尖閣諸島の問題があり、北朝鮮もいよいよ追い詰められてきた感があるため、有事を想定して備えておく必要を感じていた。食料は一か月ほどはなんとかしのげる程度の備蓄をしている。

備えとして何を用意しておくかを決めるために、非常事態にはなにが起きてなにが問題になるのか想定してみよう。食料や飲料は当然のこととして、ほかに何が必要だろうか。
まずいちばん問題になるのが、情報網ではないか。ケータイとネットが落ちてしまったらもうほとんどどうしようもない。さらに停電になった場合もかなり致命的な状況となる。電池式のラジオでもあればラジオ放送は聴けるが、そもそも放送局が無事である保証はない。電気と通信インフラがダメになったら手も足も出ない。

そういうわけで、最低限、電源を確保するために、エンジン式の発電機か充電池式の非常用電源を買っておくべきかどうか考えていたが、それを使うべき時が10日後なのか5年後なのかわからない状態では、いざその時に使えるかどうかという問題がある。エンジン式の発電機はガソリンが酸化するとエンジンがかからなくなるので、ガソリンを入れたまま放置しておけば一年後に機能するかどうかは怪しい。充電池式(リチウムイオン電池)の非常用電源は、使わなければ電池劣化の可能性があるため、やはり年単位の備えとしては不安が大きい。

通信網が遮断された場合に威力を発揮しそうなのは無線機だ。前にも書いたがアマチュア無線のトランシーバーを持っているので、いざというときに情報の収集ができそうだ。これなら電話やネットなどの通信インフラとは関係なく運用できるし、電池さえあればいつでも使える。

そういうわけで、きょうは近所のダイソーに予備の電池を買いにいった。6本110円のアルカリ単3電池を5組30本。在庫のエネループも10本ほどあるので、これだけあれば急場はしのげるだろう。ケータイの充電アダプタも単3電池でOKだ。

買い物ついでに撮ってきた写真を何枚か貼っておく。EOSM+EF-M22mm。

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