音楽

2021年10月15日 (金)

無帰還電流駆動ヘッドホンアンプ改良 (基板頒布あり)

Hpa0


【訂正情報】
・2021/10/21
Q9,Q11,Q21,Q23(2SA1020)のHFEが間違っていました。マニュアルおよび回路図の記載を280→240に訂正しました。


以前開発した、無帰還電流駆動ヘッドホンアンプを改良して基板を起こしたので報告する。

無帰還電流駆動ヘッドホンアンプを開発試作したのは2016年のことで、製作記事をこのブログにもアップした
その後、手作りアンプの会2016年冬のお寺大会に出品したところ、ありがたいことに最優秀賞をいただいた
手作りアンプの会での評価は、実際の試聴による音質に重きが置かれていて、評価されたことはとてもうれしかった。
作ってみたいという人が何人かいたため、基板を起こそうとも思ったのだが、いくつか問題点があって、どうしようか考えているうちに5年経ってしまった(^-^;

まず、この無帰還電流駆動ヘッドホンアンプとはどういうものなのか、簡単に説明したい。
通常、スピーカーやヘッドホンは電圧で駆動する。つまり入力信号に比例した出力電圧で負荷を駆動する。この場合、負荷の状態はまったく無関係で、たとえスピーカーがつながっていなくても電圧で音楽信号が出力される。逆にスピーカー端がGNDとショートされていたら、出力電流が無限に流れるので、アンプが壊れるかヒューズが飛ぶ。
対して、電流駆動の場合は、負荷に対して入力信号に比例した電流で負荷を駆動する。たとえ出力がショートされても問題なく出力電流が流れるため、スピーカー出力をショートするタイプの保護回路が使える。出力がオープンの場合は、負荷インピーダンスが無限大になるため、そこに電流を流すように動作して、出力はクリップしてしまう。
通常、スピーカーやヘッドホンは電圧駆動をする前提で、電圧駆動した時にフラットな特性が出るように開発、設計されている。
これを電流駆動するとどうなるかというと、スピーカーやヘッドホンのインピーダンス特性に沿った音圧特性で駆動される。
通常、スピーカーやイヤホンのインピーダンス特性はどのようになっているかというと、最低共振周波数f0で最大になり、その後一旦下がるが、高域では徐々に上昇する。
こういった特性を持ったスピーカーやイヤホンでも、通常の電圧駆動をすることで、フラットな特性を得るわけだが、電流駆動するとインピーダンス特性に沿った音圧特性になるのでインピーダンスが上昇するf0や高域が増強される。
見方を変えれば、インピーダンスが上昇するポイントは、そのスピーカーやヘッドホンが鳴らすのを得意とする帯域なので、その得意な帯域を伸び伸びと鳴らさせてあげる!というアンプだということもできる(こじつけくさくないか?)
そういうわけで、ほとんどのスピーカーやヘッドホンは電流駆動すると、f0付近と高域が持ち上がって、ドンシャリ傾向の音になる。
ただし、もしインピーダンス特性がフラットなスピーカーやヘッドホンなら、電圧駆動、電流駆動で差が出にくいとも考えられる。(もっとも出力インピーダンスがまったく真逆なので、ダンピング特性の差は出るだろうと思われるが)

そもそも無帰還電流駆動ヘッドホンアンプは、その前身となる無帰還電流駆動アンプをヘッドホン用にリメイクしたものだ。
無帰還電流駆動アンプはもともと、オーラトーン5Cを慣らすための専用アンプとして開発したものだ。

さて、上述のように、電流駆動アンプの特徴として出力をショートするタイプの保護回路が組めるので、ミュート&保護回路のリレー接点による音質劣化に悩まされないで済む。ただ、DCが出力されて保護回路が働いたということは、アンプに何か異常がある可能性があるので、その状態で出力をGNDに短絡すれば事故が起きる可能性がある。そのため、無帰還電流駆動アンプでは、保護回路動作時は出力をショートするとともに、SSR(ソリッドステートリレー)を使ってAC100V電源を遮断するという構成にした。

無帰還電流駆動ヘッドホンアンプの場合は、バッテリー駆動ということもあって、そこまでの検討はしていなかった。ショート方式の保護回路には欠点があって、出力にDCを検出したときに出力端をショートすると、検出されていたDCが0になってしまうので、保護回路が解除される。するとまたDCが発生し……ということ繰り返してしまう。つまりひとたび保護回路が働いたらラッチがかかって、リセットしない限り再起動できないような仕掛けが必要になる。そういう意味では上で説明した無帰還電流駆動アンプのACを落としてしまうやり方は合理的だ。
ヘッドホンアンプの場合、バッテリー駆動だし、ヒューズかポリスイッチでも入れとけばいいかな……でもなあ、電源のインピーダンスが上がるのできもちわるいよなあ……やるとしたら±両方の電源を同時に落とす仕掛けも必要だし……うーんうーん……とかやっているうちに5年の歳月が(^-^;

今回はちょっとがんばって±のバッテリー電源を両方遮断する回路を設計して搭載した。
これでいちばん大きな問題点がひとつ解決した(^-^)
ただ、少しスイッチの構成が特殊で、電源ONのタクトスイッチSW1と電源OFFのタクトスイッチSW2が別になっていて、ON時はSW1を長押し、OFF時はSW2を押す、という構成になった。ロジック回路かマイコンを使えばスイッチひとつでもできると思うが、どうもアナログアンプにデジタル回路を積む気になれなかったので、今回のような構成になった。

あとは細々した問題点として、前回の設計では終段に2SA1668/2SC4382を使っていたが、これでは大きすぎて小型化が難しい。今回はこれらを2SA1020/2SC2655に変更することで小型化した。
次に、前回はニッカド電池を8本つかって±4.8Vの構成にしたが、これでは大きくなりすぎる上に電池持ちもよくないので、これを±3.8Vのリチウムイオン電池にした。
動作電圧を下げたことで、保護回路も定数変更した。保護回路は前回同様、±150mV以上のDCを検出すると働く。

最終的な回路を図1,図2に示す。図1がアンプ回路で、図2が電源と保護回路だ。
見やすいきちんとした図面は、この記事の最後に頒布用のマニュアルをリンクするのでそちらを参照してほしい。

Hpac_sch
図1.無帰還電流駆動ヘッドホンアンプ回路(片チャンネル)


Protectsch
図2.電源回路および保護回路


図2の左上にあるJ3,J4がそれぞれマイナス側とプラス側のバッテリー入力で、そのすぐ右側がMOSFETを使った電源ON/OFF回路だ。マイナス側のON/OFFはプラス側に追従するようになっている。
同じ図2の中央より下の回路はDC検出保護回路で、従来トランジスタのVBEに反応して0.6V以上でプロテクトがかかる典型的な回路に対して、ショットキーダイオードを使って基準電圧を底上げすることで0.15Vでプロテクトがかかるようにしている。

このあたりの開発経緯も、前回の無帰還電流ヘッドホンアンプの記事に書かれているので参照してほしい。

今回設計した基板による諸特性を以下に紹介する。

まずはひずみ率雑音特性。左右チャンネルにつき、それぞれ負荷が33Ω、100Ωの場合のTHD+N(%)を図3~図6に示す。

Thdn33_l Thdn33_r
図3.Lch 33Ω負荷 THD+N               図4.Rch 33Ω負荷 THD+N



Thdn100_l Thdn100_r
図3.Lch 100Ω負荷 THD+N              図4.Rch 100Ω負荷 THD+N


ひずみ率雑音特性THD+Nは、ボトムでおよそ0.03%、実用域で0.1%以下で、これは前回とほぼ同じだ。

次に周波数特性。
周波数対ゲインのグラフを図5、図6に示す。L、R同等だったので、Lchのみ。

Ftoku33l Ftoku100l
 図5.周波数ゲイン特性 33Ω負荷(Lch)           図6.周波数ゲイン特性 100Ω負荷(Lch)

100Ω負荷では-3dBポイントが1MHz、33Ω負荷では1MHz超となり、前回よりも改善した。


次は方形波出力波形。
これもL、Rで差がなかったのでLchのみ、33Ω、100Ω負荷に対してそれぞれ10kHz、100kHの波形を図7~図10に示す。

10khz33ohml 100khz33ohml
図7.方形波出力33Ω10kHz(Lch)          図8.方形波出力33Ω100kHz(Lch)

10khz100ohml 100khz100ohml
図9.方形波出力100Ω10kHz(Lch)          図10.方形波出力100Ω100kHz(Lch)

以上のように、オーバーシュートやリンギングは一切ないので、位相補償は行っていない。

次は出力インピーダンス。
今回は1kΩと2kΩ負荷を切り替えてのON/OFF法で測定した。これもL、Rで大差ないので、Lchのみ表1に示す。

表1.出力インピーダンス(Lch)
Impedancel_20211017223901

前回の測定結果は11kΩだったので悪化しているが、測定方法の違いも影響があるかもしれない。
ヘッドホンのインピーダンスが16Ω~100Ω程度だと考えれば十分な値だろう。

最後に主要諸元を表2にまとめておく。

表2.主要諸元
Syogen

音質については電流駆動故に、使用するヘッドホン、イヤホンの個性が非常によく出る。
普段使いのパイオニアHDJ-1500とは相性がよく、低域、高域が若干持ち上がり気味で
メリハリの強い、なおかつクリアな音質となった。
ヘッドホン、イヤホンに対する音質の違いについても前回の記事で書いているので参照してほしい。

2021/10/18追記
3Dプリンタで専用ケースを製作した。単三型(14500)リチウムイオン電池がそのまま入れられるように、電池ホルダを一体形成した。
写真1にケース入りのヘッドホンアンプ(下)とスーパーサンプリングSDプレイヤーSSSDP4490(上)を示す。
写真2はフタを外したところ。

Hpacincase
写真1.今回製作した無帰還電流駆動ヘッドホンアンプ(下)とスーパーサンプリングSDプレイヤー(上)


Hpacincase2
写真2.フタを外したところ。左側の電池は単三型リチウムイオン電池2本。


ケースのstlデータ
ダウンロード - 20211017hpac_top000.zip



【基板頒布のお知らせ】
この記事の無帰還電流駆動ヘッドホンアンプ生基板をご希望の方に頒布します。
生基板1枚と、製作説明書と回路図、部品表等の資料、LTSPICEのシミュレーションファイルをセットで
1880円(税、送料込み)で頒布します。(自力で部品収集、部品選別、調整できる方が対象です。)

ご希望の方は表題に「無帰還電流ヘッドホンアンプ基板頒布」、
本文にお名前、送付先郵便番号、ご住所、電話番号をお書きのうえ、

dj_higo_officialアットhigon.sakura.ne.jp
(アットを@に替えてお送りください)

までメールをお送りください。

代金の振込先のご案内メールをお送りします。入金が確認でき次第発送します。

製作マニュアル、回路図、部品表、その他

| | コメント (0)

2021年7月 4日 (日)

16倍24Bit スーパーサンプリングSDメモリプレイヤー(基板頒布あり)

16x 24Bit Super Sampling SD Memory Player (with board distribution)

1_20210704141501
写真1.16倍24bitスーパーサンプリングSDメモリプレイヤー
Photo 1. 16x 24bit super sampling SD memory player

5月より試作していた16倍24bitスーパーサンプリングSDメモリプレイヤーの基板が完成した。
スーパーサンプリングDACは、このブログで従来から説明している、3次自然スプライン関数でデータ補間を行うD/Aコンバータで、
今回はSDメモリに収録されたWAVデータを時間軸方向に16倍、ビット精度24bitでスーパーサンプリング処理し、AK4490でD/Aして出力する、SDメモリプレイヤーに応用した。
音質はスーパーサンプリングの特徴が出ていて、特に高音において、従来にないきめ細かな音になっている。

The board for the 16x 24-bit super-sampling SD memory player that was prototyped from May has been completed.
The supersampling DAC is a D / A converter that interpolates data with a third-order natural spline function, which has been explained in this blog. This
time, the WAV data recorded in the SD memory is multiplied by 16 in the time axis direction and bits. It was applied to an SD memory player that performs supersampling processing with an accuracy of 24 bits, D / A with the AK4490, and outputs it.
The sound quality is characterized by super-sampling, and especially in the high-pitched sound, it is a finer sound than ever before. 

2_20210704141501
写真2.スイッチ側から
Photo 2. From the switch side


基板サイズは57mm x 75mm、供給電源は6.5~9Vの単電源で、負電源チャージポンプを搭載してDC構成とした。
消費電流はおよそ200mA。
対応SDカードは、32GBまでのmicroSDHCで、対応ファイルフォーマットはWAV(44.1kHz16bit)。
出力はヘッドホンとLineの2系統をそれぞれΦ3.5ステレオミニジャックで出力している。ヘッドホン出力はアンプを搭載し、VRで音量調整可能。
ジャンパピンの設定により、スーパーサンプリングモードとNOS(生データ)モードの切り替えが可能。
主要諸元を表1に示す。

the board size is 57mm x 75mm, the power supply is a single power supply of 6.5 to 9V, and a negative power supply charge pump is installed to form a DC configuration. Current consumption is about 200mA. The compatible SD card is microSDHC up to 32GB, and the compatible file format is WAV (44.1kHz 16bit). The output is a Φ3.5 stereo mini jack for each of the two systems, headphones and Line. The headphone output is equipped with an amplifier, and the volume can be adjusted with VR. By setting the jumper pin, it is possible to switch between super sampling mode and NOS (raw data) mode. The main specifications are shown in Table 1. table 1. Please download the main specifications from the link below. 
● Circuit diagrams, parts lists , manufacturing manuals , operation manuals , IEEJ papers

表1.主要諸元
Table1.Spec
Sssdp4490spec_20210717220101

資料は下記リンクからダウンロードしてください。
回路図、部品表製作マニュアル操作マニュアル電気学会論文


【2021/07/07追記】
専用ケースを設計し、3Dプリンタで印刷してみた。写真3~写真5参照。

Sssdp_case1
写真3.専用ケースに入れたSDプレーヤー(500円玉は大きさ比較用)


Sssdp_case3
写真4.ジャケットの胸ポケットにも入る大きさ


Sssdp_case2
写真5.箱の中の様子


電源は単4型リチウムイオン電池を2本使用した。容量は350mAhなので、フル充電状態で1時間40分ほど使用可能。
材料にPLAを使う3Dプリンタによる造形では、精度、強度、ネジ穴のスペースなどを考慮すると無骨なデザインになりがちだが、
今回の設計ではケースの肉厚を1mmとし、ケースとフタはパッチン止めにしたので、スマートにデザインできた。

stlデータを公開しますので、ご自由にお使いください。

ダウンロード - bottom001.stl

ダウンロード - top001.stl


【2021/07/10追記】
単3型(14500サイズ)のリチウムイオン電池を入手したので、専用ケースを試作した。
写真6,写真7に示す。

Aacase1
写真6.単3(14500)サイズ電池入りケースは7mm長くなった


Aacase2
写真6.単3(14500)サイズの電池ホルダはケース一体型とした。

ケースサイズは前回の単4型電池にくらべて7mm長くなるが、電池持ちは3倍でおよそ5時間になり、より実用的になった。

stlデータは以下のとおり。

ダウンロード - bottomaa000.stl

ダウンロード - topaa000.stl

 

次の2種類を頒布します。

①書き込み済みFPGA(10M08SCE144C8G)およびPIC32MX250F128D搭載基板   24000円(送料、消費税込み)
・プログラム書き込み済みFPGAおよびPICマイコンのみ搭載した基板です。
・納期:1週間~10日程度

②全部品実装基板(動作確認済み) 52000円(送料、消費税込み)
・書き込み済みFPGAおよびPICマイコンを含む全部品を搭載した基板です。
・すべて手実装です。
・納期:2~3週間程度(受注生産)

③AK4490EQ 1000円(基板お買い上げ方限定、基板同梱)
・入手難となっているAK4490EQチップを、上記①基板お買い上げの方に限り、基板1枚につき1個限定にて頒布します。
・基板お申し込み時に「AK4490チップ希望」とお書きください。

購入ご希望の方は表題に「SSSDP4490頒布希望」とお書きのうえ、
dj_higo_officialアットhigon.sakura.ne.jp(アットを@に換えて)までメールにて
お申し込みください。
※ご希望のセット番号と、お名前、ご住所、電話番号をお書きください。
折り返し、代金振込先等のご案内をお送りします。

【注記】  現在、部品市場が品薄状態になっており、FPGA、マイコン、DACデバイスの入手が非常にわるくなっています。
 お申し込み順に在庫部品にて対応しますが、在庫切れの場合の納期については別途相談させていただきます。

製造・頒布はSLDJ合同会社が行います。

(Please contact us for overseas shipping.)

| | コメント (3)

2021年1月13日 (水)

128倍スーパーサンプリングDAC評価用基板(128x Super Sampling D/A Converter PCB)

128x Super Sampling DAC Evaluation Board



20210113ss_pcb
写真1.128xスーパーサンプリングDAC評価用基板
16bitマルチプライングDACによる出力を差動で、比較試聴用のAK4490およびPCM5102の出力をそれぞれRCAとステレオミニジャックで出力している。
Photo 1. 128x Super Sampling DAC Evaluation Board The
output of the 16-bit multiplexing DAC is differential, and the outputs of the AK4490 and PCM5102 for comparative audition are output by RCA and stereo mini jack, respectively.


昨年末より着手していた128倍スーパーサンプリングDAC(128xSSDAC)の基板があがってきたので紹介する。

SSDACはデジタルデータを3次自然スプライン関数で補間する技術で、トラ技2018年10月号で初めて発表され、その後64倍SSDACのキットが発売された。
今回はさらに進化させ、スーパーサンプリング比を128倍として16bitマルチプライングDAC、DAC8820からの出力を左右それぞれ差動で、さらに4倍および8倍スーパーサンプリングでアップサンプリングした24BitデータをI2Sで出力し、AK4490とPCM5102で比較試聴できるようにした。
アップサンプリングしたI2S信号は電源とともにピンヘッダに出力したので、子基板を載せれば任意のI2S DACデバイスで聴くことができる。

前回までの記事で何回か過渡応答の波形を示したが、インパルス演算の誤差があり、平坦部が波打っていた。

I would like to introduce the 128x super sampling DAC (128xSSDAC) board that I started at the end of last year.

SSDAC is a technology that interpolates digital data with a third-order natural spline function. It was first announced in the October 2018 issue of Tora Gi, and then a 64x SSDAC kit was released.
This time, it has been further evolved, with the supersampling ratio set to 128 times, the output from the 16bit multiplexing DAC and DAC8820 is differentially left and right, and the 24bit data upsampled by 4x and 8x supersampling is output by I2S. AK4490 and PCM5102 can be compared and auditioned.
Since the upsampled I2S signal is output to the pin header together with the power supply, it can be listened to by any I2S DAC device by mounting a child board.

In the previous articles, I showed the waveform of the transient response several times, but there was an error in the impulse calculation, and the flat part was wavy.

Ss128_sq1khz_20210113205701
図1.前回までの過渡応答波形
上下平坦部がサンプリング周波数で波打っていた
Figure 1. The upper and lower flat parts of the transient response waveform up to the previous time were wavy at the sampling frequency.


図1の示すとおり、上下平坦部がサンプリング周波数で波打っていた。これはインパルスを計算する回路の精度に見落としがあり、誤差が出ていたためだ。今回はこの部分を改善した。
最新の測定波形を以下に示す。
As shown in Fig. 1, the upper and lower flat parts were wavy at the sampling frequency. This is because the accuracy of the circuit that calculates the impulse was overlooked and there was an error. This time I improved this part.
The latest measurement waveform is shown below.


Ss1khz
図2.128倍スーパーサンプリング  1kHzサイン波
Figure 2. 128x supersampling 1kHz sine wave


Ss8khz
図3.128倍スーパーサンプリング  8kHzサイン波
Figure 3. 128x supersampling 8kHz sine wave


Nos8khz
図4.NOS  8kHzサイン波
Figure 4. NOS 8kHz sine wave


Ss16khz
図5.128倍スーパーサンプリング  16kHzサイン波
Figure 5. 128x super sampling 16kHz sine wave


Nos16khz
図6.NOS  16kHzサイン波
Figure 6. NOS 16kHz sine wave


Ss20khz
図7.128倍スーパーサンプリング  20kHzサイン波
Figure 7. 128x super sampling 20kHz sine wave


Nos20khz
図8.NOS  20kHzサイン波
Figure 8. NOS 20kHz sine wave


Sstr1khz
図9.128倍スーパーサンプリング  1kHz方形波
インパルス演算回路の改善により、上下平坦部の波が解消された
Figure 9. 128x supersampling 1kHz square wave
The wave in 
the upper and lower flat parts was eliminated by the improvement of the impulse calculation circuit 


Nostr1khz
図10.NOS  1kHz方形波
Figure 10. NOS 1kHz square wave


Ss_saw2khz
図11.128倍スーパーサンプリング  2kHzのこぎり波
Figure 11. 128x supersampling 2kHz sawtooth wave


Nos_saw1khz
図12.NOS  2kHzのこぎり波
Figure.12  NOS 2kHz sawtooth wave


 以上のように128倍スーパーサンプリングの動作が確認できた。
今後、引き続き評価と問題点の洗い出しを行う予定。
The operation of 128 times super sampling was confirmed as above.
In the future, we will continue to evaluate and identify problems.

| | コメント (0)

2020年12月18日 (金)

8倍スーパーサンプリング+AK4490 評価

Ssdacyak4490pcb
写真1.SSDAC基板(右)と、AK4490およびPCM5120の外部I2S_DAC基板(左)

データ間をスプライン関数で補間するSSDAC(スーパーサンプリングD/Aコンバータ)について、今回は8倍スーパーサンプリングデータを8倍アップサンプリングデータとしてAK4490に入力する検証を行った。

結論を先に言うと、今回のAK4490も、前回評価したPCM5102と同じく、8倍の352.8kにアップサンプリングした信号を入力するとNOSDACとして振る舞うようで、相乗的な効果は見られなかった。つまりマルチプライングDAC(DAC8820)の出力とほぼ同じ結果となった。

元データを44.1kHz16bitデータとし、これに8倍スーパーサンプリング処理をして352.8kHz24bitとしてAK4490のI2Sに入力した。

Ak4490_8xss
図1.1kHz矩形波8Xアップサンプリング→AK4490
AK4490のフィルタ設定に依存せず、すべて同じ結果となった。


Ak4490_8xss_saw2k
図2.2kHzのこぎり波8Xアップサンプリング→AK4490
AK4490のフィルタ設定に依存せず、すべて同じ結果となった。

Ak4490_8xss8k
図3.8kHzサイン波8Xアップサンプリング→AK4490
AK4490のフィルタ設定に依存せず、すべて同じ結果となった。


Ak4490_8xss16k
図4.16kHzサイン波8Xアップサンプリング→AK4490
AK4490のフィルタ設定に依存せず、すべて同じ結果となった。


Ak4490_8xss20k
図5.20kHzサイン波8Xアップサンプリング→AK4490
AK4490のフィルタ設定に依存せず、すべて同じ結果となった。


というわけで、スーパーサンプリング処理を行なったあとに、市販のDACを介して出力するという方法では、特筆すべき効果は得られなかった。まとめると次のようになる。

・オーディオ用I2S DACデバイスに対してアップサンプリングして入力する方法では、8倍スーパーサンプリング(384kHz)が限度
・出力波形はマルチプライングDACを使った場合と同等
・マルチプライングDACによる出力では現在128倍まで可能なので、音質的には8倍よりも128倍のほうが有利
・オーディオ用DACに入力する方法では、ΔΣのデバイスを使うとマルチプライングDACよりもノイズ面で有利
・マルチプライングDAC(DAC8820)よりも市販オーディオ用DACを使う方がコストが安い

つまり、
●スーパーサンプリング8倍でΔΣ方式の市販オーディオDACデバイスで妥協すると、ノイズ面とコスト面で有利
●スーパーサンプリング128倍でマルチプライングDACを使用し音質を優先すると、コスト高で、ノイズでやや不利になる
●ただし、DAC8820はビット分解能が16Bitであり、市販I2S DACでは24Bitであることを加味すると、数字的には市販I2Sか。

ということだ。
ぼくならマルチプライングで128倍を選ぶが、これは人によって判断がちがうと思う。

 

| | コメント (0)

2020年12月17日 (木)

8倍スーパーサンプリングデータをPCM5102で処理する

前回の記事で予告した、スプラインによる8倍スーパーサンプリングデータを市販品のオーディオDACデバイスPCM5102に入力する実験を行ったところ、おもしろい結果が得られたので、速報でお送りする。

いきなりだが、まずは再生波形を見てほしい。8kHzサイン波だ。

8x5102nos
図1.8kHzサイン波NOS(上:DAC8820マルチプライングDAC、下:PCM5102)


8x5102ss
図2.8kHzスーパーサンプリング
(上:128倍スーパーサンプリングDAC8820出力、下:8倍スーパーサンプリングPCM5102出力)


図1はNOS(オーバーサンプリング処理なしの生データ)だが、PCM5102へは8倍のI2S信号つまり352.8kHzサンプリングにアップサンプリングした状態で入力している。見たところ、DAC8820とPCM5102は同じくNOSDACとして振る舞っている。
PCM5102は最大384kHzサンプリングに対応し、最大8倍のオーバーサンプリングを行うデバイスで、44.1kや48kのデータは8倍オーバーサンプリングするが、352.8kや384kはオーバーサンプリングなし、つまりNOSとして振る舞う。データシートを読めばあたりまえのことだ。

図2は128倍スーパーサンプリングしてマルチプライングDAC、DAC8820で出力したものと、8倍スーパーサンプリングしてPCM5102で出力したものだ。
このときPCM5102はNOSとして振る舞っているので、同じスーパーサンプリングで128倍と8倍では勝負にならない、ということになる。

だとすれば、現状で最大128倍スーパーサンプリングしてマルチプライングDACで出力したものに対して、市販のDACデバイスの前処理にスーパーサンプリングを行う場合、使用するデバイスは8倍(384kHz)で入力してもなお少なくとも16倍オーバーサンプリングできる実力がないと勝負にならないということになるのではないか。

ちょうど昨日、実験に使おうと発注していたAK4490が届いたので、さっそく準備に取りかかろうと思う。
AK4490は最大768kHzサンプリング、256倍オーバーサンプリングのデバイスなので、上のPCM5102と同じ計算ならば、スーパーサンプリング8倍 x オーバーサンプリング32倍、ということができるのではないだろうか。

| | コメント (0)

2020年12月15日 (火)

128倍スーパーサンプリングDAC試作(128x Super Sampling DAC)

128xssdac
写真1.今回試作した128倍スーパーサンプリングDAC
今回は以前製作会で頒布した基板を使用した。FPGAのMAX10が直接実装されている。外付けI2S用の端子を引き出している

前回から引き続き、SSDACの試作検討をしている。
SSDACはオーディオDACの新手法で、サンプル点間を3次自然スプライン関数で補間する技術だ。
トランジスタ技術2018年10月号で発表され、試作回路やソースコードは同11月号に収録されている。
このとき収録されキット販売されたものは64倍スーパーサンプリング、すなわちサンプル点間を63点のスプライン関数で補間し、マルチプライングDAC(16ビットパラレル)DAC8820で出力するものだった。

前回は4倍スーパーサンプリングしたものをアップサンプリングデータとして市販のI2S入力DAC、PCM5102で再生する実験を行った。

今回はスーパーサンプリングレートを128倍に引き上げて、上記と同じDAC8820で出力する実験を行った。

64倍スーパーサンプリングの場合、I2S信号のSCLKがサンプリングクロックとしてそのまま使える。つまり、LRCLKが44.1kHzのときSCLKが2.8224MHzなので、

2.8224MHz / 44.1kHz = 64

となり、1データあたりちょうど64倍になっているのでこれに同期してスーパーサンプリングデータを出力すればよい。

今回はさらに倍の128倍スーパーサンプリングの実験を行った。128倍の場合はSCLKの2倍の周波数なのでMCLK(11.2896MHz)を分周して128倍のクロック(44.1Hkzの場合は5.6448MHz)を生成し、これに同期させた。

波形観測の元データはすべて44.1kHz16bitのCDと同じフォーマットで行った。観測波形は次のとおり。

Nos_8khz
図1.8kHzサイン波NOS
8kHzでも、なにもしないとこんなにガタガタしている。

Ss128_8khz
図2.8kHzサイン波128倍スーパーサンプリング

Nos_16khz
図3.16kHzサイン波NOS
もはやサイン波の面影はない


Ss128_16khz
図4.16kHzサイン波128倍スーパーサンプリング
3点確保できる周波数(44.1/3=14.7kHz)を超えるので、振幅が波打ち始める

Nos_20khz
図5.20kHzサイン波NOS

Ss128_20khz
図6.20kHzサイン波128倍スーパーサンプリング
3点確保できる周波数(44.1/3=14.7kHz)を超えるので、振幅が波打つ


Nos_sq1khz
図7.1kHz矩形波NOS
何も処理しなければお豆腐のような矩形波が再現される

Ss128_sq1khz
図8.1kHz矩形波128倍スーパーサンプリング
スーパーサンプリングの特徴ともいえる、1山ずつのオーバー、アンダーシュートが出る


Nos_saw2khz
図9.2kHzのこぎり波NOS


Ss128_saw2khz
図10.2kHzのこぎり波128倍スーパーサンプリング


というわけで、実装はおおむねうまくいっていると思う。

リスニングは、まず高域の出方がNOS(何も処理しないDAC)にくらべると良くなっているように感じる。
また、過去の試聴会では、32倍と64倍では違いがあり、64倍のほうがより良いとの評価が出ている。
今回の128倍はいまのところ64倍と比較して耳でわかるほどの違いはないように思えるが、しばらく音楽を聴いてみたい。

次回は、前回行った4倍アップサンプリング→市販DACへの応用を拡張して、8倍アップサンプリングの応用実験をする予定です。

 

| | コメント (0)

2020年12月 8日 (火)

SSDAC(Super Sampling D/A Converter)の新しい可能性について

今回はオーディオ信号をスプライン関数で補間するSSDACについて、自力でFPGAに実装し、新しい可能性について検証を開始したので報告する。


Ssdac_ts 
写真1.試作したSSDAC基板
基板上、左からAmanero基板、CQ出版社のMAX10ボード、DAC8822チップ、出力オペアンプ
下側に見える小基板はI2Sで外付けされたPCM5102。

9月頃から開始した、FPGAを使ったRIAAフォノイコライザの試作は、実はこのSSDAC実装のための準備だった。SSDACの原理は理解しているものの、自力でFPGAに実装するには練習が必要だったのだ。今回は32倍スーパーサンプリングをオリジナルのコーディングでMAX10に実装することができて、マルチプライングDAC、DAC8822からの出力信号も確認できたので、いよいよその先の応用の検討に入る。

【SSDACとは】
SSDAC(Super Sampling D/A Converter)は東京大学講師の小林芳直氏が発明した技術で、デジタルデータ列(たとえば音楽データ)をスプライン関数で補間するものだ。従来、オーディオ用DAC(D/Aコンバータ)はオーバーサンプリングデジタルフィルタによるものが主流で、この方式ではプリエコー、ポストエコーという付帯音(ノイズ)がついて回るため問題視されていた。それならばいっそのことNOS(Non Over Sampling Digital Filter)つまりオーバーサンプリングを一切しない、素のデータのまま聴いた方が良いのではないかという考え方があって、2020年現在も議論されている。
SSDACは、基本的にNOSを拡張したものだといえる。つまり、データ点とデータ点間をスプライン関数で補間し、オーバーサンプリングデジタルフィルタを通すことなくDACで処理をする。その結果、従来のNOSにくらべてよりきめ細かい波形が得られ、なおかつプリエコー、ポストエコーが発生しない。
スプライン関数でデータ補間するというものがどうしてこれまでなかったのか。実はフルーエンシ理論というものが従来から存在し、実際に製品化もされた。フルーエンシ理論では、2次関数によって補間することにより、2次微分までの連続性が確保されないため、波形が歪んでしまうことがある。
それならば3次の自然スプラインで補間すればいいだろうということは、おそらく多くの人が考えたと思うが、3次スプライン曲線を計算するには、先にすべてのデータ点を確定する必要がある。つまりあらかじめ曲の始めから終わりまで全部を解析しないと、スプライン曲線が決定できないのだ。
ところが、個々のデータが、特定区間のスプライン関数に与える影響は、注目するデータ区間から遠ざかるほど小さくなり、たとえば24bit分解能の場合は、前後13個より遠くのデータの影響はビット分解能以下になるため無視できることがわかった。つまり24ビットのデジタルデータであれば、たかだか13個のデータを先読みして計算すれば、スプライン関数が求められるのだ。

詳しく知りたい人は、トランジスタ技術2018年10月号をご覧いただくか、次の論文をお読みください。
ダウンロード - ect18093.pdf
ダウンロード - icd201728.pdf


さて、SSDACの基板回路図やVHDLのソースコードはすでにトランジスタ技術で発表されているので、誰でも試作することができるようになっている。(トランジスタ技術への記事掲載は2018年10月号、回路やVHDLソースコードは2018年11月号付録に収録)
公開されているVHDLソースコードは小林芳直氏によるもので、これはデータ間を63点で補間する64倍スーパーサンプリングDACだ。
今回は今後の応用研究も視野に入れて、独自にVHDLコーディングした。
5kHzサイン波、44.1kHz16bitサンプリングのNOS波形と、今回試作した32倍スーパーサンプリングの波形を図1、図2に示す。

5khz_nss
図1.5kHzサイン波 (NOS→DAC8822)


5khz_32xss
図2.5kHzサイン波の32倍スーパーサンプリング波形(DAC8822出力)


波形を比較すれば一目瞭然で、データがなめらかにつながっているのがわかるだろう。図1ではデータが飛び飛びで階段状になっているが、これをスプライン関数で各データ間に31点の補間点を入れることでなめらかなサイン波になっている。
理屈では、スプライン関数が求まってしまえば、あとはクロック周波数とDACデバイスのスピードの許す限りいくらでも補間点を増やすことができる。
実際、SSDACで音楽を聴くと、スーパーサンプリングなしのNOSにくらべて高域のハイハットの音などがよりリアルに聞こえる。
ここまではすでに発表されている技術だ。


今回は新たな試みとして、SSDACをアップサンプリングに応用してみた。
SSDACの技術でオーディオデータを4倍スーパーサンプリングし、サンプリング周波数を4倍にした状態でTI社のPCM5102で再生する。
つまりスプラインで4倍補間すれば、データ数は4倍に増えるので、クロックを4倍にしてやればアップサンプリングができる。
具体的には、サンプリング周波数44.1kHzのオーディオデータに対し4倍スーバーサンプリングしてデータ数を4倍にし、11.2896MHzのSCLKと176.3kHzのLRCKを生成して同期させれば、4倍のアップサンプリングとなる。

まずは1kHz矩形波の立ち上がり波形の比較。

Sq1k_fir_nss
図3.1kHz矩形波PCM5102(FIR)、スーパーサンプリングなし
PCM5102のノーマル(FIR)モード。176.3kHzの半分の88.15kHzでプリ・ポストエコーが出ている


Sq1k_fir_ss4x
図4.1kHz矩形波PCM5102(FIR)、4倍スーパーサンプリング
4倍スーパーサンプリングにより、図3に見られたプリ・ポストエコーがなくなっている

Sq1k_iir_nss
図5.1kHz矩形波PCM5102(IIR)、スーパーサンプリングなし
PCM5102のローレイテンシ(IIR)モード。176.3kHzの半分の88.15kHzでポストエコーが出ている


Sq1k_iir_ss4x
図6.1kHz矩形波PCM5102(IIR)、4倍スーパーサンプリング
4倍スーパーサンプリングにより、図5に見られたポストエコーがなくなっている

以上より、スーパーサンプリングでアップサンプリングすることで、プリエコー・ポストエコーを抑える効果があることがわかる。

次に、サイン波の再生波形。

Sin5k_fir_nss
図7.5kHzサイン波PCM5102(FIR)、スーパーサンプリングなし
補間なしでデータが4回に一回しか更新されず、ポストローパスフィルタを付けていないため、段差が観測された


Sq5k_fir_ss4x

図8.5kHzサイン波PCM5102(FIR)、4倍スーパーサンプリング
図7に見られた波形の段差が解消された


Sin5k_iir_nss
図9.5kHzサイン波PCM5102(IIR)、スーパーサンプリングなし
補間なしでデータが4回に一回しか更新されず、ポストローパスフィルタを付けていないため、段差が観測された


Sin5k_iir_ss4x
図10.5kHzサイン波PCM5102(FIR)、4倍スーパーサンプリング
図9に見られた波形の段差が解消された

※通常は、段差が出ないようにポストローパスフィルタを挿入するが、差がわかりやすいようにポストローパスフィルタがない(効きがごく小さい)状態で波形観測した。

次に20kHzサイン波の比較。

Sin20k_fir_nss
図11.20kHzサイン波PCM5102(FIR)、スーパーサンプリングなし
補間なしでデータが4回に一回しか更新されず、ポストローパスフィルタを付けていないため、矩形波に近い波形となった



Sin20k_fir_ss4x
図12.20kHzサイン波PCM5102(FIR)、4倍スーパーサンプリング
44.1kHzの1/3である14.7kHz(3次スプライン計算に使う3点を確保できる周波数)を超えているため振幅が波打つが、なめらかな波形になっている。


Sin20k_iir_nss
図13.20kHzサイン波PCM5102(IIR)、スーパーサンプリングなし
補間なしでデータが4回に一回しか更新されず、ポストローパスフィルタを付けていないため、矩形波に近い波形となった


Sin20k_iir_ss4x
図14.20kHzサイン波PCM5102(FIR)、4倍スーパーサンプリング
44.1kHzの1/3である14.7kHz(3次スプライン計算に使う3点を確保できる周波数)を超えているため振幅が波打つが、なめらかな波形になっている。


注)以上の波形観測では補間なしの場合に段差が出ているが、これは、補間なしの場合にはデータが4サンプリングに一度しか更新されないため、当然といえば当然である。


きょうは評価初日で味見程度の評価だったが、
スーパーサンプリングによるアップサンプリングデータを市販のDACデバイスでD/Aすることで、過渡応答及び波形において再生特性に変化が見られた。
従来、アップサンプリングによってデータ量やデータの分解能は変化しないし、データ値の丸めに起因するデータ歪みの可能性もあることから、アップサンプリングの意義については疑問が多かったが、スーパーサンプリングによるアップサンプリングでは、何らかの効果が期待できることを示唆する結果になったのではないかと思う。

 

| | コメント (0)

2020年5月10日 (日)

無帰還A級25Wパワーアンプ(基板頒布あり)

Cimg5979

【20210929訂正情報】
  頒布基板において、Q1、Q4の2SK117BLのシルクの向きが逆になっています。
 正しくはそれぞれの印字面がシルクとは逆の向きとなります。おわびして訂正します。

  ただし、JFETはゲートを中心にソース、ドレインが対称構造となっており、ソース、ドレインは互換性があるため、
 シルク通りの実装でも問題はありません。すでに実装してしまった場合は修正する必要はありません。

以前、無帰還電圧アンプをこのブログで紹介したが、保護回路をどうするか保留にしたまま4年経ってしまった。
通常はスピーカー保護回路をつけて、リレーを使ってDC検出時にスピーカーを切り離すということをするが、リレー接点が入るのがいやなのでどうするか保留にしていたのだった。

この問題を解決するため、フォトボルでMOSFETを駆動してリレーの替わりにするという手段がある。これは一般的に知られたやり方なのでおそらく問題はないだろうと考えていたが、自分でやってみて特性に問題が出ないことを確かめたいと思っていた。今回コロナで自粛生活が続いており時間もあったので検証し、問題がなさそうだったので保護回路入りでアンプ基板を起こして作り直してみた。アンプ回路を図1に示す。

Schematic

図1.無帰還A級25W電圧アンプ
保護回路はベースとエミッタから入力する古いタイプのシンプルなものにした

 

回路は初段ダイヤモンドバッファで受けた後カレントミラーで電流を約2.2倍増幅し、RV2でI/V変換するとともにここでオフセット調整し、この段でバイアス電圧を発生してQ14、Q15以降の終段をドライブする。

全高調波歪+ノイズ(THD+N)の測定結果を図2、図3に示す。

Thd_l

図2.THD+N(Left)

 

Thd_r

図3.THD+N(Right)

 

今回は半導体のペア取りをまじめに行ったためか、あるいはひずみ率測定にwavegeneの「FFTに最適化」を試したためか、
前回の測定よりも若干よい特性になり、図3では一部0.01%を割り込む結果となった。

周波数特性は図4に代表して右チャンネルを示す。
また図5には10kHz矩形波の出力を示す。

Freq_res

図4.周波数特性
-3dB ポイントはおよそ300kHzあたり

 

10krect

図5.10kHz矩形波出力
群遅延によるひずみもないので位相補償なし

 

周波数特性と矩形波も問題なし。

出力インピーダンスと、スピーカープロテクト電圧の実測値を表1,表2に示す。

 

表1.出力インピーダンス
Impedance

 

表2.スピーカープロテクト電圧
Protect

 

出力インピーダンスは前回の測定とほぼ同じだ。むやみに低いよりも若干電流駆動気味になるため、スピーカーの低域と高域の特性がほんの少しだが持ち上がる。

スピーカープロテクトは±で若干非対称だが、問題のないレベルだと思う。

 

今回の実装基板を写真1に、アンプ組み込みの様子を写真2に示す。

Imgp3495

写真1.今回製作した基板

 

Imgp3512

写真2.組み込んだ様子

 

前回に引き続き今回も使用したCincon社のスイッチング電源CFM60S240は小さく安価だが、50Hz系のリップルやノイズが非常に小さく、フェライトコアのみの対策で十分な特性が得られた。

 

部屋では相変わらずauratone 5cをメインのスピーカーとして使っており、以前発表した無帰還電流駆動アンプを普段使いにしていたが、1年ほど前に知人が遊びに来た際に聴き比べをして、それ以来この電圧アンプを(保護回路がない状態で)つないだままになっていた。
通常、音に何か問題があると1~2ヶ月で機材を替えることになる(なぜか替えた瞬間は判断できない)が、この電圧アンプは1年ほど問題なく聴いていたのでスジは良いのだろうと思う。

今回はすんなりうまくいって残りの基板があるので、ご希望の方に頒布します。
生基板2枚ひと組(ステレオ分)と、製作説明書と回路図、部品表等の資料、製作例、LTSPICEのシミュレーションファイルをセットで2000円+レターパック代520円の合計2520円で頒布します。(自力で部品収集、部品選別、調整できる方が対象です。)

ご希望の方は表題に「無帰還電圧アンプ基板頒布」、本文にお名前、送付先郵便番号、ご住所、電話番号をお書きのうえ、

dj_higo_officialアットhigon.sakura.ne.jp
(アットを@に替えてお送りください)

までメールをお送りください。

代金の振込先のご案内メールをお送りします。入金が確認でき次第発送します。


回路図、部品表、製作マニュアル等

| | コメント (0)

2019年9月 4日 (水)

ジャケ買いが失敗する理由

バンドの友だちが打ち合わせに来て、将来アルバムを出すときにどんなジャケットにしようか?という話になった。

そういえば、DJを10年ほどやっていて、ジャケ買いがことごとく失敗する理由がわかったよ。

 

どうして失敗するかというと、

○アルバムの出来が良い場合

①おお、すばらしくいい内容のアルバムができた!

②これはもう内容で勝負できるので、ジャケットはテキトーな集合写真か幾何学模様かなんかでいいや。

 

●アルバムの出来がわるい場合

①うーんどうも今回のアルバムは内容がいまいちだな。

②でも売れないと困るし……

③なんとかジャケットで気をひくようにして、できるだけ売りたい!

 

というわけで、売り手のジャケ買い戦略にまんまと引っかかっているのだ。

だとすれば、できるだけ地味で気を引かないジャケットで買う「逆ジャケ買い」してみるといいかもしれない。

| | コメント (0)

2019年1月26日 (土)

サルサの空耳

タモリ倶楽部の空耳アワーにおそらく10曲以上応募しているが、いまだに採用がない。

応募した曲はすべてサルサ。

実力不足だといわれればそれまでなのだが、長いこと空耳アワーを見てきて、サルサの曲が出てきたのを観たことがない。

ひょっとすると番組製作が利用しているレンタルCDショップにサルサがないのではないかと思料している。

考えてみれば、サルサDJをやる場合にもっとも苦労するのは当然ながら曲集めで、レンタルショップで集められるようならなにも苦労はない。

かなりフロア面積の大きなCDショップでも、「ラテン」という大きなくくりはあっても「サルサ」に特化した棚があるようなことはほとんどない。

タモリさんはパーティーを主催するほどのサルサ好きとのうわさがある。
空耳アワーもせめてラテン部門を創設してくれないかな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)