趣味

2024年12月31日 (火)

ウラギンシジミの日向ぼっこ

きょうは2024年の大晦日です。
しかもきょうは今月2度目の新月で、同月2度目の満月を指す「ブルームーン」ほど知られていませんが、「ブラックムーン」と呼ばれることもあるそうです。次に大晦日がブラックムーンとなるのは19年後の2043年。遠い未来です。

きょうは日中13度ほどまで気温が上がってポカポカ陽気でした。昼過ぎに高円寺天祖神社に年越しの大祓の人形を預けに行って、帰り道で蝶が飛んでいたので見ていたら、陽の当たる路面に止まって日光浴を始めました。近づいてよく見るとウラギンシジミのメスでした(^-^)

ウラギンシジミは、シジミとはいうものの他のシジミチョウとは異なる特徴を持った蝶で、シジミチョウ科ではなくウラギンシジミ科に分類するべきだという議論が、ぼくが知る限り50年くらい前から続いています。ウラギンシジミは、子供の頃、秋が深まって、なったまま熟れた柿の汁を吸いに集ってくるところを捕まえた記憶があるので、晩秋に発生する蝶だと思い込んでいましたが、実際は5月から10月くらいに発生する蝶で、越冬した成虫が春に見られることもあってほぼ一年中生息している蝶のようです。

2024年もよい年でした(^-^)
ことしはSSDAC基板を応用してレコード再生用のRIAAイコライザを実装し、とくに12月になってからRIAAイコライザをIIRとFIRで実装して聴き比べができたのが印象的でした。アナログレコードはまた人気が出てきているようで新譜も出ているようですね。また世界的に見て日本は音楽売上げに占めるCDの割合がとても高く、これは音質の点から喜ばしいことだと思います。

ことしお会いできたみなさまへ。
ことしも大変お世話になりました。また来年もよろしくお願いします。

よいお年をお迎えください。

20241231uragin
写真1.きょう2024年大晦日に目撃したウラギンシジミ(メス)


20190207uragin
写真2.2019年2月7日に目撃した越冬中のウラギンシジミ

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2024年9月 6日 (金)

EOS MとAi Nikkor 50mm f1.8

 2012年に購入したEOS Mを久しぶりに引っぱり出して、さらに30年近く前に買ったAi Nikkor 50mm f1.8を装着して、散歩がてら街の写真を撮ってきた。
ネットで誰か(おそらくプロの写真家の方)が、今のデジカメに昔のレンズを付けて撮るのがなかなか良いとつぶやいていらしたので、なるほどと思い真似してみたのだ。

なぜEOSにNikkorなのかというと、もともとフィルム時代はNikon F3ユーザーで、レンズも数本もっていたのだが、懸賞でEOS M用のタムロンズームレンズが当選したので、そのレンズ用にEOS Mを買ったというのが事の経緯だ。とはいえ、サブ機として頂き物のCANONのAE-1と数本のレンズももっていて、どちらかといえばAE-1に使っていたレンズをEOSにつける方が筋が通っているように思うが、F3用の50-200mmのズームをもっていて、これとテレコンとEOS Mで月の写真を撮ってみたいと思い、EFレンズとAi Nikkorのアダプタを買ってもっていたからだ。

そういうわけで、EOS MにNikkorを装着するとこんな感じになる。

Eosnikkor
写真1.Ai Nikkor 50mm f1.8を装着したEOS M

この通り、レンズの存在感がすごい(^-^;
EOS Mがとてもコンパクトなのが際立つ。

出かける前に、部屋の中やベランダでテスト撮影してみた。

Bungu
写真2.ペン立て

Kitchen
写真3.キッチン

Asagao
写真4.あさがお

まったくなんでもないペン立てやキッチンも、良い機材で撮るとなんだかドラマチックな感じがする(^-^)

35mmカメラでの50mmレンズは、APS-CサイズのEOS Mでは1.5倍の75mm相当になるので、ふだん広角のコンデジに慣れているとずいぶん望遠気味な印象になる。ズームで調整はできないので、足で距離を調整するしかない。

どうやら写真はちゃんと撮れるようなので、街に出てみた。


Sarusuberi1
写真5.日影の百日紅


Kinomi
写真6.ヤブカラシ


Hibiscus
写真7.ハイビスカス


これらは近所の図書館までの道で見た光景だ。オートフォーカスが使えないのでマニュアルでピント合わせをするのだが、外の明るさでカメラの液晶を見てピントを合わせるのはなかなか難しい。老眼なのでなおさらだ(^-^;
全体的にピントが甘めになってしまった……
でも、ピントを合わせて、バシャン!!とシャッターを切ると、そうそう!こういう感じだった!!という思いがよみがえる(^-^)


Library
写真8.図書館の建物


Komorebi
写真9.木漏れ日


Hibiscus2
写真10.ハイビスカス2


そういうわけで、図書館まで散歩して写真を撮って帰ってきた。
機材が良いとずいぶんドラマチックに撮れるものだ。

でも実際に目で見る光景こそがドラマそのものである、というのが真実なので、
見慣れた光景にも注意を向けて、いつも何かを感じ取れるように過ごしていけたらいいなあ、と思います。


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2024年6月 6日 (木)

トランジスタ技術7月号 記事掲載のお知らせ

Toragi202407

6月10日発売のトランジスタ技術7月号別冊付録 「使えるはんだ付け 小型&チップ部品対応」 に私が書いたインタビュー記事が掲載されます(^-^)
これはトラ技ジュニア2018年5月号「宇宙に届け! 日本のはんだ付け技術 」の再掲です。

2018年に、NECスペーステクノロジー社の宇宙機器専門はんだ付け職人、斎藤克摩氏にご協力いただいて、宇宙機器のはんだ付け技術について取材し、記事を書かせていただきました。

NECスペーステクノロジー社はJR南武線西府駅からすぐの、NEC府中事業所内にある、人工衛星やロケットなどの宇宙機器を専門に扱う会社で、開発から販売まですべてのサービスを行っている会社です。


20240606trgbst

記事はこんな感じです。

取材に行ったNECの事業所がある西府駅前には御嶽塚古墳があって、いきなり興味をそそられます。御嶽塚古墳の建設は6世紀前半と言われています。

取材に行った2018年からもう6年経って、ことしはH3ロケットの打ち上げが成功しましたね。トランジスタ技術本紙は「月面探査に学ぶ自律走行ロボット」を特集しています。

ぜひぜひお読みくださいね!!


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2024年3月10日 (日)

ツミ(雀鷹 )の幼鳥

20240310tsumi1 20240310tsumi2

朝の散歩をしていたら見慣れない鳥が木に止まっていたので写真を撮ってきた。
帰ってからネットで調べると、どうやら猛禽類の”ツミ”という鳥の幼鳥らしい。
東京では絶滅危惧種に指定されているが、明治神宮や石神井公園では観察される鳥だそうだ。

ただ、東京ではおおむね4月ごろに抱卵、5月に育雛、6月に巣立ちということらしいので、まだ冬のようにさむいきょう3/10に中野区内の市街地になぜ幼鳥がいたのか謎だ。迷子かな?

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2022年10月 1日 (土)

東京の生き物 ~蝶類編~

前回は初めてカワセミを見て感動し、東京の生き物 ~鳥類編~を書いた。
今回は東京で見た蝶を記録しておこうと思う。

・モンシロチョウ
・スジグロシロチョウ
・キタキチョウ
・モンキチョウ
・ツマキチョウ
※ツマキチョウは2年前に中野の緑道で、生まれて初めて見て感激しました。

・ヤマトシジミ
・ルリシジミ
・ウラナミシジミ
・ベニシジミ
・ウラギンシジミ

・ヒメアカタテハ
・ルリタテハ
・テングチョウ
・ツマグロヒョウモン
※ツマグロヒョウモンは今ではよく見る蝶ですが、初めて目撃したのは2002年頃で、カバマダラかと思ってぎょっとした記憶があります。

・アカボシゴマダラ
※アカボシゴマダラも最近はよく見られますが、初めて目撃したのはたしか2005年頃で、明治神宮でした。アサギマダラかと思ってびっくりして追いかけて観察したらアカボシゴマダラでした。

・ヒメジャノメ
・サトキマダラヒカゲ

・チャバネセセリ
・キマダラセセリ
・ダイミョウセセリ

・アゲハ
・キアゲハ
・クロアゲハ
・アオスジアゲハ

東京都内でもこれくらいの蝶は見つけることができます。
自由研究には事欠かないと思うのだが、東京の子供たちは興味がないのかな?

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2022年7月 5日 (火)

【夏休み特別企画】自作FMラジオでBCL!!

Nack5Nack5_20220705133301
写真1.NACK5のベリカード

2022/8/10
業務提携している家庭教師の俵屋さんがこのラジオの製作記事を書いてくださいました(^-^)
プロ家庭教師 俵屋の日記


以前このブログにFMラジオの製作記事を掲載しましたが、今回はそのFMラジオを使ってBCLを行い、放送局よりベリカードをいただきました\(^o^)/

BCLはBloadCast Listeningの略で、つまり放送を聞くことなのですが、具体的には放送局に対して受信報告書というレポートを提出して、受信証明としてベリカード(Verification Card)をもらいます。
1970年代~80年代にかけて、BCLは大ブームとなり、家電各社は競うようにBCL用のラジオを発売し、BCLファンは日夜世界中のラジオを受信し、ベリカードを集めたものでした。
当時のBCLは、短波放送が主なターゲットで、入門者は、まずは通常のAMラジオで、国内のラジオ局のベリカードを集め、次に国内のAMラジオ帯で受信可能な海外放送をターゲットにしました。AMラジオでの受信をし尽くしてしまったら、いよいよ短波ラジオを入手して、世界中のラジオ局に挑戦する、といった具合でした。
当時、FM放送に対して受信報告書を提出するという話はあまり聞いたことがありませんでした。

それから時は流れて、今は2022年。あと数年でAMラジオはほとんど全滅しそうな状況になっています。あの当時だれがそんなことを想像できたでしょうか。
これまでAMで放送していた国内各局は、あと数年でNHKを除くほとんどの局が次々とFMへと移行し、AMの放送を停止します。これは何を意味するかというと、社会インフラの1つとしてのラジオ放送が、大きく姿を変えようとしている、ということです。

社会インフラとしてラジオを考えたときに、その重要な役割に、非常時の情報伝達があります。
従来はAM放送とFM放送という選択肢があり、それぞれ一長一短がありました。たとえば、AMでは長距離の伝達ができましたが、FMでは見通し範囲(高々数十キロ)であるとか、音質やノイズにはFMが強い、建物の中で聞くにはFMのほうが受信しやすい、などそれぞれに特徴があり、状況によってどちらかを選択するということが可能でした。
これからはFMが主流となるため、非常時にFM放送のみでどのような情報伝達ができ、どのような問題が出るのかを考えておく必要があります。

このような状況下では、今一度ラジオを見直し、FM放送での情報伝達に対して、いちど確認作業をしておくことが重要で、そのためにBCLを通じて受信確認をすることは、リスナーにとっても放送局側にとっても有益であると考えます。

もちろん、そんな難しいことを考えずに、ただベリカードをコレクションしたい!!ということでもOKです(^-^)

それでは、BCLのやりかた、つまり受信報告書を作成して、ベリカードをもらうまでの手順を説明します。

①受信報告書を書く
受信報告書は、まちがいなくあなたの放送局の番組を聴きました、という証明と、受信状態を報告するものです。あとで記載例を紹介しますが、その中で少しだけ技術的な内容なのがSINPOコードです。
SINPOコードは受信状態を示すコードで、次の5項目を、耳で聴いた感じでいいので1~5の5段階で評価します。

Signal Strength …………………信号強度
Interference……………… ………混信
Noise …………………………………ノイズ
Propagation Disturbance……伝播障害
Overall Rating…………………… 総合評価

以上の5項目の頭文字をとって”SINPO”です。
各項目の詳細は以下の通りです。

・信号強度:受信電波の強さ。シグナルメーターがなければ主観的に決めてよい。
・混信:複数の放送が混信していないか。FMの場合は混信は起こらないので、通常は”5”となる。
・ノイズ:受信音に雑音がのっていないか。
・伝播障害:ビルや山、鉄塔などによって受信に障害が出ていないか。具体的には音や雑音が周期的に変化するなど。
・総合評価:受信品質の総合評価。

【例】非常に電波が強くまったく問題がない場合
SINPO = 55555

【例】電波が弱めで、若干ノイズがのる場合
SINPO = 35453

受信報告書の例を図1に示します。
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図1.受信報告書の例

受信報告書のひな型(WORD)


受信報告書は、上で説明したSINPOコード以外はそれほど難しいところはないと思います。

②受信報告書の送り方
作成した受信報告書は、受信対象の放送局宛てに封書で郵送します。
・ベリカードを送ってもらうための切手(63円)を同封します。

③カードコレクション
今回ゲットしたベリカードの中からいくつかを紹介します。

Tbs Bayfm78

Interfm

Photo_20220705133302 
Photo_20220705133301


※ NHKのFM放送各局は、ベリカードの発行は行っていないそうです。


いかがでしたか。
これまであまり行われてこなかった、FM放送局のベリカード集めに挑戦してみてはいかがでしょうか。
夏休みの自由研究にもご活用ください(^-^)

関連記事
RDA5807MとPICマイコンによるFMラジオ


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2019年12月19日 (木)

CDプレーヤーCD-P4500の修理

入社して間もない頃に社員販売で2万円ほどで購入したCDプレーヤCD-P4500(1991年発売)をかれこれ27年ほど使っている。最近は、音楽CDはすべてリッピングしてパソコンから再生するのでCDプレーヤの出番は少ないのだが、目覚ましにタイマー再生をしたり、朝、ヨガ用の音楽をかけるのに使っている。

Cdp4500
図1.27年使っているCD-P4500

この頃の設計はCD-Rを再生することは考えていなかったから、いつだったかCD-Rの再生が安定するように、光ピックアップのLDパワーを少し大きめに調整し直した経緯がある。もちろん個人では光パワーメータもサーボアナライザももっていないので、光パワーは確実にCD-Rにサーボがかかるパワーまで上げ、そうなるとサーボゲインが少し過剰な感じになるのでサーボゲインはアクチュエータの動作音(サーボがかかると「シュー」という音がする)を聞きながら適当なところに調整した。ずいぶんいいかげんだがそれでこれまで使ってきた。

ところがここ1年ほど、ディスクを入れると、ディスクが認識されずにディスクトレイ排出、という動作になってしまい、再生ができなくなってしまった。時々なにかの拍子に再生ができることもあった。これは普通の音楽CDでもCD-Rでも起こった。

現象としては、ディスクを入れると、しばらく「ウーン」と唸ったあと、ディスクを認識せずにディスクを排出する。

そろそろピックアップのレーザーがへたってきたのかと思い、開けてレーザーを強めに調整してみたが、認識しない。よくよく観察してみると、「ウーン」と唸っているのはディスクトレイを引き込むためのモーターだ。ということはそもそもローディングが完了しないため、サーボ動作に移れていないようだ。試しに「ウーン」となっているところで、メカユニットをディスク方向に指で少し押してやると、ローディングが完結して再生できた。

この機種は、メカユニット(ピックアップとピックアップのラジアル送りメカ、およびスピンドルモーターをセットにしたメカ)を薄い板バネで片持ち状態に設置しておいて、ディスクトレイを引き込むと、モーターでメカユニットをディスク方向に持ち上げて、スピンドルにディスクを装着するようになってる。ところが、このメカユニットを持ち上げるためのモーターがへたってきたらしく、最後のディスク装着が完了できない。この最後のディスク装着のタイミングで指でちょっと押してやるとうまく動作するので、ほんの数グラムの力でいいので、メカユニットをディスク方向に押してやればよさそうだ。なにかうまい方法はないかあれこれ考えたが、ばねを追加するような方法は非常に難しい。

そこで、メカユニットを片持ちしている板バネを、少しだけディスク方向に折り曲げてみた。

Assey

図2.メカユニットを片持ちしている板バネ

 

Photo_20191219153201

図3.板バネをディスク方向(赤矢印方向)に少し曲げる(写真は曲げた後。本来はまっすぐ。)

 

するとしめたもので、ディスクが装着され、再生できるようになった。めでたしめでたし(^-^)

それにしても2万円ちょっとで買ったCDプレーヤーを27年使って、動かなくなったらまた治して使うというのはいかがなものか。これではメーカーも商売にならない。ソ○ータイマーとか、あるいはインク商売でもやらないととてもじゃないがやっていけないだろう。ものを作るエンジニアとして考えさせられる……

 

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2019年9月 4日 (水)

ジャケ買いが失敗する理由

バンドの友だちが打ち合わせに来て、将来アルバムを出すときにどんなジャケットにしようか?という話になった。

そういえば、DJを10年ほどやっていて、ジャケ買いがことごとく失敗する理由がわかったよ。

 

どうして失敗するかというと、

○アルバムの出来が良い場合

①おお、すばらしくいい内容のアルバムができた!

②これはもう内容で勝負できるので、ジャケットはテキトーな集合写真か幾何学模様かなんかでいいや。

 

●アルバムの出来がわるい場合

①うーんどうも今回のアルバムは内容がいまいちだな。

②でも売れないと困るし……

③なんとかジャケットで気をひくようにして、できるだけ売りたい!

 

というわけで、売り手のジャケ買い戦略にまんまと引っかかっているのだ。

だとすれば、できるだけ地味で気を引かないジャケットで買う「逆ジャケ買い」してみるといいかもしれない。

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2019年4月29日 (月)

中華リューター購入

リューターとは、工作用の回転切削ツールである。歯医者さんが歯を削るのに使う回転ヤスリみたいなもの。

基板や回路パターンのカット、シャーシ加工のバリ取りなどに重宝するので、実験机には置いているが、持ち出し用または予備としてもう一台ほしいと思っていた。

ただ、安物を買うとたいてい軸のブレが大きくて使い物にならない。(最初に買ったプロxxンはひどかった)

時々格安パーツを買うAliExpressをながめていると、なんと1700円程度のめちゃくちゃ安いリューターがあった。

これくらいの値段なら使い物にならなくてもあきらめはつくので、試しに購入してみた。

Leutor

ちなみに、リューターの相場は、プロ用で10万円以上出すと完全に間違いはない。性能面で考えると、文句がないレベルで最低2万円前後、アマチュア用でまあまあ使えるレベルのものなら1万円前後、それ以下の価格帯のものだとあまり期待できない。高級品ほど、正逆回転ができたり、回転数が0から調整できたり、トルクが強い、連続で長時間使えるなど、機能が多く使いやすくなるのだが、いちばん差が出ると考えられるのが、上でも書いた軸のブレだ。

さて、今回1700円で購入したリューター。常識では考えられないほどのローコストだ。コレットチャックもビットも数種類入っていて、USBで充電するタイプだ。

ダイヤモンドディスクをつけた状態の静止と回転の写真は次のとおり。

 Static Dynamic

左が静止、右が回転。

なんと、ほとんどぶれていない!!!!!!!!!!

と、びっくりマークが10個つくほどの衝撃であった。トルクもまあまあで、基板の加工やシャーシのバリ取り程度なら十分だ。

100点満点で300点あげたいほどの製品だが、ひとつ問題があった。

なんといちばん使用頻度の高いΦ2.35(カタログではΦ2.4)のコレットだけ、なぜだかスリ割りが入っていない不良品だった。

(上の写真は以前使っていたプロクソンのコレットをつけて撮影した。)

Φ2.35コレットがもれなく不良品なのか、たまたまだったのかはわからないが、この一点だけ残念だったので、差し引いてそれでも100点かな。

製造元は2012年に設立されたNEWACALOXという、中国は深センの工具メーカーだ。

中国おそるべし。

 

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2018年1月 2日 (火)

アキュトロン スペースビューの修理

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踊りに行くときは普段使いのG-SHOCKを外して、シンプルな外装の時計をしていくことが多い。これは踊っていて相手の女性の髪に引っかかったりすると申し訳ないからだ。特に気に入ってつかっていたのが写真のアキュトロン・スペースビューで、いまはもう絶滅してしまった音叉式の腕時計だ。この時計は要修理状態で父から譲り受け、たしか1995年頃に修理可能なショップを見つけて修理してもらい、これまで大事に使ってきた。ロット番号をみるとM4となっているので、1964年製だ。サイドにリューズがないのでスッキリしている。
2017年の11月頃、いつものようにこのアキュトロンをつけて出かけようとすると、止まってしまっている。電池が切れたのかと思い交換してみたが、どうも発振音が弱々しく、しばらくすると止まってしまう。回路はいたってシンプルなので、故障するとしたら接触不良か、トランジスタの劣化かコンデンサの容量抜けくらいしか考えられない。だが修理に出すと高くつきそうだし、暮れに向けて忙しかったこともあって放置してあった。

 

図1にアキュトロンの回路を示す。(こちらのサイトからいただきました。)

 

214_original_circuit

 

今回トランジスタが故障したとすれば、考えられるのはコレクタに最大定格を超える逆起電力がかかったか、ベース電圧がマイナスに振れてブレークダウンを起こしたか、まあそんなところではないか。そこでLTSpiceを使ってシミュレーションしてみた。

 

Acc_sim
図2.シミュレーション回路

 

 

図1の回路にしたがって回路を入力し、L1とL2は結合、ただしL1~L3は定数が不明なのでシミュレーション上で発振が起ればとりあえずOKとした。シミュレーション結果を図3~図5に示す。

 

Acc0
図3.シミュレーション結果(全体)

 

 

Acc1

図4.発振開始直前を拡大 

 

Acc2

図5.発振開始

 

ピンクがコレクタ電圧、緑がベース電圧。

 

図3をみると、発振開始前にコレクタ電圧が大きく+に、ベース電圧が大きくマイナスに振り込んでいる。どちらもトランジスタを破壊するには十分なレベルだ。通常こういうことでトランジスタが破壊しないように保護用のダイオードを入れることが多いが、図1の回路を見る限りそのような対策はとられていない。

 

図4はコレクタ電圧とベース電圧のピークの拡大図、図5は定常発振開始の様子。発振が開始してしまえば問題はなさそうなので、危険なのは電池交換時か。

 

もともとついていたトランジスタを外し、手元にあったチップ品の2SC1815(Aliで100個170円送料込み)に交換してみると、力強い発振音と共にアキュトロンは息を吹き返した。

 

Accutron

図6.トランジスタ交換前(左)、交換後(右)

 

保護用のダイオードを追加することも考えたが、スペースがせまく作業が難しいことと、オリジナル回路を尊重するということで今回は見送った。
もともとついていたトランジスタがどのように劣化したのかは当然測定してみたかったのだが、うかつなことに取り外すときに足をもいでしまって計測不能になってしまった。

 

Imgp2401s

図6.もとのトランジスタ。本体2mmほど。

 

【アキュトロン音叉時計について】

 

腕時計の主流が機械式(ゼンマイ)からクオーツに変わるすきまの十数年間だけ存在した形式で、音叉の固有振動を使ってゼンマイよりも高精度を実現した時計。もともと1.35Vの水銀電池を使用する設計だったため、一時期は電池が入手不能となり実使用が不可能となったため絶滅したかに思われたが、補聴器用の空気亜鉛電池(1.35~1.4V)が使えることから中古市場などにも復活している。スケルトンで音叉やコイルが見え、秒針も連続的に動くスイープ運針なので、いまではとても個性的だし、中古の取引価格も2万円から10万円くらいなのでお手頃である。

 

2010年に世界限定1000個が復刻された。定価39万9千円。高すぎ(汗)

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