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2025年7月 6日 (日)

FET入力無帰還A級パワーアンプ(基板頒布あり)

Pcb
写真1.新たに開発したFET入力無帰還パワーアンプ基板


無帰還A級25Wパワーアンプはこのブログのベストセラーで、多くの方に使っていただいています。ありがとうございます(^-^)

先月、無帰還ヘッドホンアンプを2機種発表しましたが、試聴会を実施したところ、FET入力とバイポーラ入力で好みが分かれることがわかりました。無帰還A級25Wパワーアンプはバイポーラのダイヤモンドバッファ入力としていますが、これをFET入力とした場合に音の傾向が変わり、聞く人の好みによって選択肢を提供できるのではないかと思い、今回新たに、FET入力タイプの無帰還A級アンプを開発しました。

今回は、入力回路をバイポーラのダイヤモンドバッファからJFETのゼロバイアスバッファに変更し、それに伴い、入力デバイスのバイアス電流のバランス調整が不要になったため、調整が簡素化でき、また従来回路では出力オフセット調整がゲインに影響を与えるため、部品のペア取りがシビアでしたが、今回はオフセット調整がゲインに影響しないため、再現性がより高くなりました。

今回開発したアンプ基板の写真を写真1に、回路図を図1に示します。

Pav100_schematic
図1.FET入力無帰還パワーアンプ回路図


今回は入力回路の変更と、それに伴う定数変更を行いましたが、保護回路は従来通りで、基板の寸法も同一なため、すでに従来の無帰還A級25Wパワーアンプをお使いの方は、放熱板に取り付けたパワートランジスタと熱結合デバイスはそのまま、基板のみ交換することで試していただくことができます。

今回当方で試作した結果は以下のとおりです。
シャーシおよび電源は、従来と同じものを使用しました。組み立てたアンプを写真2に示します。


Overview_20250706102601
写真2.FET入力無帰還A級パワーアンプ


写真2の状態で測定した諸特性は以下のとおりです。

図2、図3にひずみ率特性を示します。THD+Nはボトムで0.03%程度、全体でも10Wでおおむね0.2%以下でした。

Distl   Distr_20250706114501
図2.ひずみ率特性(Lch)                 図3.ひずみ率特性(Rch)



周波数特性は左右差がなかったので、代表して左チャンネルの特性を図4に示します。

Freql
図4.ゲイン周波数特性 -3dB特性はDC~約250kHz


出力インピーダンスの測定結果を表1に示します。測定は3.1Ω負荷によるON/OFF法で行いました。これも左右で差がありませんでした。

表1.出力インピーダンス実測値
Imp



プロテクトの動作電圧を表2に示します。これは従来の無帰還A級25Wパワーアンプとほぼ同等の結果です。

表2.プロテクト動作電圧
Prtct



以上により、全体の特性は従来の無帰還A級25Wパワーアンプとほぼ同等となりました。

この1週間ほど、実際に音楽を聴いていますが、ほんの僅かながら、従来アンプに比べて音質が柔らかく繊細になった印象があります。これは好みによって評価が分かれるところだと思いますが、製作者としては今回のアンプの音質はとても気に入っています。

【基板頒布情報】
生基板2枚ひと組(ステレオ分)と、製作説明書と回路図、部品表等の資料、製作例、LTSPICEのシミュレーションファイルをセットで2600円(税・送料込み)で頒布します。自力で部品収集、部品選別、調整できる方が対象です。

ご希望の方は表題に「FET入力無帰還電圧アンプ基板頒布」、本文にお名前、送付先郵便番号、ご住所、電話番号をお書きのうえ、

dj_higo_officialアットhigon.sakura.ne.jp
(アットを@に替えてお送りください)

までメールをお送りください。

代金の振込先のご案内メールをお送りします。入金が確認でき次第発送します。

回路図、部品表、製作マニュアル等

LTSPICEシミュレーションファイル



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