« Windows用 Paspberrypi PICO 公式SDKについての備忘録 | トップページ | 無帰還フルディスクリート ヘッドホンアンプ 2機種 ( 基板頒布あり ) »

2025年5月12日 (月)

無帰還CR型フォノイコライザの製作(基板頒布あり)

20250512pcb2
写真1.今回製作した無帰還CR型RIAAイコライザ基板(片ch)


【20250622追記】残留ノイズ測定結果
入力ショート時の残留ノイズと、MCモード(ゲイン46dB@1kHz)時の入力換算圧音は次のとおりだった。
これはかなり満足な結果だと思う。

表A.残留ノイズおよび入力換算雑音
Zanryunoise


【これより本文】

以前から、いつか作ってみたいと考えていた無帰還CRフォノイコライザをとうとう作ったので報告する。

全体構成は、CR型RIAA回路の前段と後段にそれぞれ無帰還のフラットアンプを配置する一般的なもので、カートリッジはDL-103を使うこと前提とし、1kHzでのゲインを46dBとした。また、MMカートリッジも使用できるようにジャンパピンによって1kHzでのゲインを20dB下げて26dBとすることができ、入力抵抗(カートリッジに対する負荷)もジャンパピンで47kΩと220Ωのいずれかを選べるようにした。
回路図(片ch分)は次のPDFをダウンロードしてご覧ください。
ダウンロード - 20250512nnfb_eq.pdf

RIAA回路の前段と後段のフラットアンプは同じ回路で、無帰還A級25Wパワーアンプ無帰還電流駆動ヘッドホンアンプで実績のある回路方式を踏襲している。今回は、繊細なカートリッジの信号を受けるには経験的にバイポーラよりもFETの方が適していると考え、入力段をゼロバイアスFET入力とした。またJFETのコンプリメンタリペアは入手困難であるため、Nチャネルのみの構成とした。
入力回路で受けた信号はプッシュプルカレントミラーで電流増幅され、抵抗(前段回路ではR17)によってI/V変換されてから終段のプッシュプルバッファを経て出力される。

フラットアンプ単体の諸特性は以下のとおり。ゲインの周波数特性と10kHz方形波の応答は左右でほとんど差がないため、代表としてLchのみを示す。

20250512flatamp_fspec
図1.フラットアンプのゲイン周波数特性


20250512houeiha
図2.フラットアンプの10kHz方形波応答(上段:方形波入力、下段:2Vp-p出力)

図1に示すように、全帯域でフラットであり、ゲインは約35dB、-3dB周波数はおよそ200kHz。
図2の方形波の応答では、波形の歪みは見られない。

次に、Lch、Rchそれぞれのひずみ率について、100Hz、1kHz、10kHzにおいて、出力を約2Vp-pとした場合のひずみ率を表1に示す。

表1.周波数別ひずみ率
20250512hizumi_f

出力2Vp-pは実用域で、THD+Nがおおむね0.07%程度なので満足な結果だと考えられる。
次に1kHzの信号における、出力振幅vsひずみ率を図3(Lch)、図4(Rch)に示す。

20250512thdamp_l
図3.出力振幅vsひずみ率(Lch)


20250512thdamp_r
図4.出力振幅vsひずみ率(Rch)


以上のように、低振幅(低入力信号)のTHD+Nではノイズ成分が支配的だった。


次はいよいよCR型RIAA回路を含めた全体の特性について、以下に示す。

まずは本回路をLTSPICEでシミュレーションした結果を表2に示す。

表2.LTSPICEによるシミュレーション結果
20250512ltspice_sim

このように、シミュレーションでは全帯域にわたってRIAA理論値に対する誤差が0.04dB以内に収まっており、非常に優秀だ。
実際の回路での測定結果を表3に示す。


表3.実機でのRIAA誤差
20250512riaaerror

最悪値はLchの20kHzで+0.345dBとなった。シミュレーションよりも大幅に悪化したが、実用上は十分だと思われる。
これはデジタルオシロのカーソルを使用して信号のp-pを測定した。

回路について注記すべきことがいくつかある。
この回路ではカートリッジに対して+12Vから470kΩ(回路図のR1)で微小な直流電流を流している。これはこのようにバイアスをかけることで音質が向上するという説があるためで、もし効果がないと思われる場合は未実装とする。
今回開発した基板では、フィルムコンデンサをすべてWIMAのMKS2で統一した。終段のカップリングコンデンサ10μFは比較的入手しにくいため、5mmピッチとして電解コンでも代用できるようにした。電解コンを使用する場合はゼロ信号付近で音質に影響を与えやすいため、出力信号が0Vをまたがないようにオフセットが2V程度付加するように調整されたい。


トラ技で販売したSSDACのアクリルケースを流用して組み込みました(写真2)。

20250512nnfb_riaa_eq
写真2.無帰還CR型フォノイコライザ完成



本機の音質は、まったくクセがなくたいへん素直で、ノイズも低く、とても満足な結果となりました(^-^)


ご希望の方に基板を頒布します。
生基板2枚ひと組(ステレオ分)と、製作説明書と回路図、部品表等の資料、製作例、LTSPICEのシミュレーションファイルをセットで3000円(税・送料込み)で頒布します。自力で部品収集、部品選別、調整できる方が対象です。

ご希望の方は表題に「無帰還イコライザアンプ基板頒布」、本文にお名前、送付先郵便番号、ご住所、電話番号をお書きのうえ、

dj_higo_officialアットhigon.sakura.ne.jp
(アットを@に替えてお送りください)

までメールをお送りください。

代金の振込先のご案内メールをお送りします。入金が確認でき次第発送します。

製作マニュアルは以下をダウンロードしてご覧ください。
製作マニュアル

 

| |

« Windows用 Paspberrypi PICO 公式SDKについての備忘録 | トップページ | 無帰還フルディスクリート ヘッドホンアンプ 2機種 ( 基板頒布あり ) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Windows用 Paspberrypi PICO 公式SDKについての備忘録 | トップページ | 無帰還フルディスクリート ヘッドホンアンプ 2機種 ( 基板頒布あり ) »