中華製温調はんだごて(5)

写真1.新たに購入したはんだごて(黒)と、2020年に購入し、改造して使用中のはんだごて JCD908S(赤)
【20250404追加情報】
読者の方より情報提供がありました。現在aliexpressのJCD Official Storeで販売中のJCD-908Sは、温調が正常に動作する良品ということです。
情報提供ありがとうございました(^-^)アリエクで販売している格安温調はんだごての続報。
結論としては、この製品はおすすめできません!
前回の記事「中華製温調はんだごて(4)」で、新製品のレビューをしたところ、旧品のJCD908Sを購入したという人から情報提供で、購入したはんだごては無改造で正常に機能しているとのことだったので、私も旧品と思われるはんだごてを新たに購入してみた。デザインは旧品のJCD908Sとよく似ており、後述するように基板もよく似ているが、よく見ると本体のボタンの後ろ側に型式番号が入っていない。
過去記事
中華製温調はんだごて
中華製温調はんだごて(2)
中華製温調はんだごて(3)
中華製温調はんだごて(4)
今回は報告のあったとおり、温調が効かない不具合は解消されて、すぐに使えるであろうことを期待してコンセントに挿した。はたして!?
まず設定を最低の180度に設定して電源を入れてみた。ところが手でべったり触って暖かいな、と感じられるほどにしか温まらない。
そこで最高設定の480度にしてみると、なんとか、はんだが溶け始めるくらいまで温まった。
どうやら温調は機能しているものの、実際の温度は設定値から200~300度くらい低いような感じだ。
中身を確かめるべく分解して、基板を観察。
写真1.今回購入品の基板

写真2.2020年購入品JCD908Sの基板
写真1の今回購入品と写真2の2020年購入品の基板を比べると、まったく同じではないがかなり類似した構成だ。
同等のフィードバック制御を行っていると仮定すると、写真中央付近の”1R00”(1Ω)からのフィードバックで温度制御していると推測され、これまでの経緯から、ここでの検出電圧が大きければコテの温度を高く(ヒーター抵抗値が上がる→電流が下がる→検出電圧が下がる)、検出電圧が低ければコテの温度を低く(ヒーター抵抗値が下がる→電流が上がる→検出電圧が上がる)制御するようになっている。
今回の場合は温度が大幅に低いため、温度を上げる方向、すなわち検出電圧を高くする方向(1Ωの抵抗を高く変更する)で検証を行った。
1R00の捺印がある1オーム抵抗を、部品箱にあった2.2オームに変更してみた(写真3)。
写真3.捺印”1R00”の1Ω抵抗を外して、代りに2.2Ωを装着する
この状態で組み立てて、熱電対温度計を用いて、設定温度に対する実測温度を測定した。測定結果を図1に示す。

図1.測定結果
設定温度350度程度まで、やや誤差がおおきいものの、設定に応じて実測温度も上昇しているが、それ以上の設定温度では、ほぼ385度で飽和してしまい、それ以上は上がらなかった。
つまり設定温度350度以下であれば温調はんだごてとして機能するが、それ以上は、こて先温度は上がらないという結果だ。
このはんだごては、上下2つのボタンを同時押しすることで補正(設定値に対する温度のオフセット)ができるようになっているが、補正値を付加しても最高温度は385度以上にはならなかった。
どうやらこのタイプの温調はんだごては類似品やソフトが違うものなどが入り乱れて流通していて、特定の製品を狙って買うことは難しく、従って無改造で正常動作するか、改造すれば使えるレベルか、それとも改造によってもまともに使えるようにならないか、のうちのどれかであって、どれを引くかは運次第のような状況だ(^-^;
従って、残念ながらこのシリーズのはんだごては全面的におすすめできない、というのがこれまでの結論になろうかと思う(^-^;
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コメント
写真を見ると、私が3月に購入したものは赤色の方に近いと思います。ヒーター取付部、ACコード保護部(コイル状)などそっくりです。違いは型番に「JCD908S 80W」白文字で記載があり、シリアル番号「S/N 00xxxx」(16桁)のシールが液晶部下に貼ってある点です。黒色のものとは違うと思います。なお、購入先はAliの「JCD Official Store」で、今朝確認したところ、Aliのページの写真も型番表示「JCD908S 80W」白文字でした。・・・中国のサイトは不可解ですね。
投稿: Mike | 2025年4月 4日 (金) 11時09分
追加情報です。気になったので分解してみました。ヒーターには「110V」の表記があり、筐体のネジはトルクスネジでした。基板は青色で、2020年のものに近いものの、パターン・部品が若干異なります。また、温度検出?の抵抗は「R500」の表記で、基板上の測定で0.5Ω程度でした。また基板には「908S」の表記はありませんでした。ご参考まで。
投稿: Mike | 2025年4月 4日 (金) 11時36分
Mikeさん
貴重な情報をありがとうございました(^-^)
検出抵抗が0.5Ωというのは、私が2020年に購入した最初のもの(1Ω)の半分ですね。ということは同(2)の記事で検証した変更と同じか、またはファームも変更されている可能性がありますね。このコテは温調がまともに動けばとても使いやすいコテだと思います。
投稿: DJ HIGO | 2025年4月 4日 (金) 16時19分