中華製温調はんだごて(4)
写真1.今回購入した温調はんだごてセット
アリエクで購入した格安はんだごてについて、2020年にこのブログで記事を書いた。そのときは、温調がまったく機能しておらず、回路を写し取って検討し、試行錯誤の末、フィードバック回路に抵抗を1個追加することで正常に機能するようになり、現在も使用中だ。
過去記事
中華製温調はんだごて
中華製温調はんだごて(2)
中華製温調はんだごて(3)
最近アリエクの広告に、はんだごての画像が付いていたので、なんとなく見てみると、どうやらデザインが新しくなっている。USプラグ付き110V仕様品が、保護キャップとこて先6本とハンダまで付いて、送料込みで1117円だったのでつい購入してしまった(^-^;
今回の新製品は温調が機能しない不具合は解消しているだろうか?
結論を先に言うと、温調機能はちゃんど機能している\(^o^)/
温度設定に対するこて先の実測温度のグラフを図1に、測定の様子を写真2に示す。
図1.設定温度と実測温度
写真2.温度測定の様子
測定結果では、400度以下の設定だと、こて先の温度は設定値から20℃~40℃程度低くなる。また420度以上の設定では、実際の温度は頭打ち気味になる。このこての動作電圧仕様は110~240Vとなっており、100Vは仕様外なので、ひょっとしたらその影響もあるのかもしれないが、いちおう温調はちゃんと機能している。
全体の出来はどうだろうか?
まず手に取って振ってみるとカラカラと音がする。
こて先を外して調べてみると、絶縁用あるいは断熱用と思われるセラミック製のスリーブが付いていて、遊びがあるため振ったときにこれが鳴っていた(写真3)。
写真3.スリーブがカラカラ鳴る
まあこれは特に問題はないので、気にしなければよいだろう。
実際に使ってみたところ、どうもこて先がぐらぐら動いて気持ちがわるい。動くといってもほんの0.数ミリだと思われるが、それでも小さなチップ部品や狭ピッチのICなどをはんだ付けすることを考えると、あまり使おうという気が起こらなくなるレベルだ。
分解して観察すると、こて先とカバーの間にすきまがあり、これによりこて先がガタついていることがわかった。これは前回購入品にはなかった問題点で、残念ながら改悪されてしまったようだ。
そこで、写真4に示すように、径1mmほどの針金(何かの部品の足の切れ端)をこて先とカバーの間に挟み込んで組み立てると、ガタは解消して、快適に使えるようになった。
写真4.ガタつき防止のため、こて先とカバーのすきまに針金を挟んで押し込む
次に、本体も分解して制御基板を取り出してみた。
前回2020年に購入したものの基板を写真5に、今回購入品の基板を写真6に示す。
写真5.前回購入品の基板
写真6.今回購入品の基板
ちょっと見たところでは部品レイアウトはほとんど変っておらず、基本設計は同じように見える。
というわけで、今回のこのはんだごては、温調がまともに機能して使うことができます。こて先のぐらつきを自力で解決するか、または気にしないのであれば、まあまあおすすめできます(^-^)
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