DT71 ピンセット型デジマルの救済(2)
写真1.今回の改造品(中段)、オリジナルのピンセット型脚部(上段)
および改造に使用したプラスチックピンセット(下段)
前回の記事DT71 ピンセット型デジマルの救済(1)では、ピンセット型デジタルマルチメーターDT71の電池劣化救済策として、外付け基板を製作し、そこに電池とテストリード接続端子を設けることで、ふたたび使えるようになった。
しかしながら、テストリード長がオリジナル品よりも大幅に伸びたため、コイルのインダクタンス測定において精度が低下してしまい、オリジナル品ではおおむね1μHが測定下限だったのに対し、改造品では測定下限が10μH程度となってしまった。
そこで今回は市販のプラスチックピンセットを使用して、オリジナルと同じくピンセット型のデジタルマルチメータに改造した。
今回の目的は次のとおり。
①ピンセット型を踏襲することでテストリード長を短縮し、測定精度をオリジナルと同等にする
②電池を交換可能とし、劣化の場合でも交換できるようにする
③電源スイッチを設けて、電源の完全OFFができるようにする
ピンセット先端部がプローブとなっているので、プラスチックのピンセットに電極をつけるのがよさそうだ。
amazonで探したところ、使えそうなものを見つけた。10個で1109円。
これの先端を切って、そこにもとのDT71に予備として付属していたプローブチップを取り付ける。写真2参照。
写真2.プローブチップの取り付け
プローブチップにはΦ2のネジ穴(M2.0の雌ネジ)と位置決め用のバカ穴が空いている。
現物合わせでネジ穴を空けて取り付けたが、思いのほか良い精度でできた(^-^)
極性がわかるように、短く切った黒と赤の熱収縮チューブをつけてある。
回路は前回と同じだが図1に再掲しておく。
図1.回路図
本体のΦ3.5プラグを受けるジャックその他の部品をのせた基板を作って、プラスチックピンセットのトップ部分にネジ止めした。
基板の部品面と配線面の写真をそれぞれ写真3、写真4に示す。
写真3.基板の部品面
写真4.基板の配線面
今回もΦ3.5の4Pジャックが取り付けられるFMラジオ基板を流用して、ジャックの部分を切り取って使用した。
電源SWを取り付け、電源の状態がわかるようにLEDをつけてある。
さて、完成したので、インダクタンスの測定がオリジナルと同じ精度で行えるかどうかの検証だ。検証結果を表1に示す。
表1.測定評価結果
いちばん左のピンセット型(オリジナル)に対して、前回の改造品(基板型改造品)では10μH以下のいずれの測定結果も精度が出ていない。
今回(ピンセット型改造品)の測定結果はオリジナルと同等レベルで、1μHまで測定が可能なようだ\(^o^)/
そういうわけで、ピンセット型デジタルマルチメータDT71は、姿を変えてまだまだ使えそうです(^-^)
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