12BH7A YAHAヘッドホンアンプの製作
写真1.製作したYAHAヘッドホンアンプ
YAHAアンプの味見、YAHAアンプの味見2の記事で、12BH7Aを使ったYAHAヘッドホンアンプの試作をしたが、思いのほか音がよく気に入ったので、試作品を残しておくことにした。
すでに過去記事で紹介したとおり、USB PD対応のACアダプタとIP2721を搭載したUSBデコイモジュールを使用し15Vを入力して、7812で12Vにして電源としている。
USB PD対応ACアダプタはamazonで約1500円で購入したUGREEN Ace Cube 30W(Model:CD272)で、15V 2Aが出力できる。
今回は入出力のカップリングコンデンサの容量を大きくして周波数特性を改善し、使い勝手を考えて入力VRを追加した。回路図を図1に示す。
図1.今回製作したYAHAヘッドホンアンプ回路図(片チャンネル分)
組み立ては、42x92xt2のアルミ板のセンターに真空管ソケット用の穴を開けて、真空管ソケットはダイソーのUVレジンでアルミ板に接着固定し、アルミ板の4つ角にはスペーサー用の穴を開けて、スペーサーを介してユニバーサル基板と足用のスペーサーを固定する。
ケミコンは真空管の熱が伝わらないようにするため、基板の下側に配置した。
写真2.YAHAアンプの組み立て
写真3.YAHAアンプの底面
正面側にヘッドホンジャックとボリューム、背面側に入力ジャックとUSB-C電源入力コネクタを配置した。
特性はカップリングコンデンサの増量と、キチンと組んだことで、f特、ひずみ特性ともに改善した。
図2にTHD+N特性、図3に周波数特性、図4に10kHz方形波再生波形(いずれも33Ω負荷)を示す。
図2.THD+N特性
実用領域で1%以下となった。
図3.周波数特性
10~100kHzで0,-3dBを満たしている。入力VRで約-15dB減衰しているため、裸のアンプゲインは約16.7dB(約6.8倍)。
図4.10kHz方形波再生波形
オーバーシュートやサグはなく問題なし。
これまで真空管アンプというと、高耐圧の部品や高圧用のトランス、出力トランスなど、真空管専用のお高いパーツが必要で、なかなか敷居が高く、あまり積極的に取り組んでこなかったが、今回製作したYAHAアンプは真空管以外に特殊な部品は使用せず、しかもUSB PDというお手軽なUSB ACアダプタを使用して組むことができ、なおかつ想像を超える特性が得られた。
音質も申し分なく、真空管シングルアンプらしい厚みのある音質で音楽を楽しむことができた。
お手軽なので、真空管を体験してみたい、という人におすすめします(^-^)
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