2020年6月 ESP-IDFのセットアップ(windows10)
WIFIやBluetoothなどが使えるESP32の開発環境はARDUINOを使っていたが、突っ込んだことをやろうとするとむつかしい場合があるので、供給元であるEspressif社の純正開発環境であるESP-IDFを導入することにした。
以前から既にMSYS2(UNIXライクなコマンドシェル)から実行するESP-IDFの動作は確認していたが、今回は仕事で使うことを視野に入れて最新バージョンをインストールした。
インストールがなかなかやっかいで、エラーが出て最後まで到達できず起動もできない、という状況を乗り越えて使えるようになるまで丸一日を費やしてしまった。今回は備忘録として問題点などを箇条書きにしておく。
●esp-idf-tools-setup-2.3.exeによるセットアップ
・従来はunixシェルmsys2(msys32)をインストールし、そこからコマンドラインで操作を行っていたが、最新版のセットアップはmsys2が不要となった。
・今回のインストールでは、ESP-IDFに必要なgitとpythonのインストールもセットになっているので、このインストールのみで完結する。
・esp-idfは最新版の4.0.1を選択した。
・ダウンロードフォルダはc:\esp-idf、ESP-IDFのTOOLsのフォルダはc:\espressif\.espressifとした。
・gitのインストールで
Unable to set system config "http.sslBackend":"=openssl":exit code 128
というようなエラーが3つ出たが無視。
・ESP-IDFのインストールで
Installation has failed with exit code 128
というエラーが出て、インストール失敗に終わる。
→ESP-IDFコマンドプロンプトがデスクトップに生成されない。
・c:\ProgramData\Git\configを開き、次の記入をしてutf-8で保存
[user]
name=XXXXX
email=XXXXX@XXXXX.XXX
※nameはwindowsのユーザーホルダ名、emailはふだん使いのアドレス
・再度esp-idf-tools-setup-2.3.exeをセットアップ
→こんどは正常終了してESP-IDFコマンドプロンプトがデスクトップに生成される
●ESP-IDFコマンドプロンプト起動時に
fatal: bad config line 1 in file C:/Program Files/Git/mingw64/etc/gitconfig
とのエラーが出るが、これは対象のgitconfigをgitconfig_bakと名前を変えておくと解消する。
●esp-idfのアップデートは、esp-idfホルダの中身を全部削除してからesp-idfの上位ディレクトリ(c:\esp-idfならc:\)から
git clone --recursive https://github.com/espressif/esp-idf.git
すると、最新版がダウンロードできるが、各ToolへのPathをあらためて通す必要があるかも?(未検証)
●使い方
①ESP-IDFコマンドプロンプトを起動
②CDコマンドでプロジェクトホルダ(任意の場所)に移動
③コマンドによる操作
メニューコンフィグ→ idf.py menuconfig
※メニューコンフィグ画面の文字化けが気になる場合は、chcp 437
ビルド→ idf.py build
書き込み→ idf.py flash
COM3ポート、ボーレート115200で書き込み→ idf.py -p COM3 -b 115200 flash
シリアルモニタ→ -p COM3 monitor
など。
・idf.pyでコマンド一覧
ESP-IDFのわかりやすい解説サイト
https://lang-ship.com/blog/work/esp-idf-l01-intro/
2020/6/12追記
ESP-IDFのアップデートをやってみた。c:\esp-idfにインストールされているものとして説明する。
①esp-idfフォルダの中身をすべて削除する。(プロジェクトフォルダなどがある場合は待避させておく)
②ESP-IDFコマンドプロンプトで、esp-idfのひとつ上(今回の場合c:\)に移動
③git clone --recursive https://github.com/espressif/esp-idf.gitを実行
④c:\esp-idfからinstall.batを実行
⑤export.batを実行
これで最新のESP-IDFでのコンパイルができるようになります。
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