無帰還A級25Wパワーアンプ(基板頒布あり)
【20220717追加情報】
下記お知らせしたQ1,Q4のシルク表示は、2022年4月22日以降発送したPAV-001e基板より修正しています。
シルク通り実装してください。
【20210929訂正情報】
頒布基板において、Q1、Q4の2SK117BLのシルクの向きが逆になっています。
正しくはそれぞれの印字面がシルクとは逆の向きとなります。おわびして訂正します。
ただし、JFETはゲートを中心にソース、ドレインが対称構造となっており、ソース、ドレインは互換性があるため、
シルク通りの実装でも問題はありません。すでに実装してしまった場合は修正する必要はありません。
以前、無帰還電圧アンプをこのブログで紹介したが、保護回路をどうするか保留にしたまま4年経ってしまった。
通常はスピーカー保護回路をつけて、リレーを使ってDC検出時にスピーカーを切り離すということをするが、リレー接点が入るのがいやなのでどうするか保留にしていたのだった。
この問題を解決するため、フォトボルでMOSFETを駆動してリレーの替わりにするという手段がある。これは一般的に知られたやり方なのでおそらく問題はないだろうと考えていたが、自分でやってみて特性に問題が出ないことを確かめたいと思っていた。今回コロナで自粛生活が続いており時間もあったので検証し、問題がなさそうだったので保護回路入りでアンプ基板を起こして作り直してみた。アンプ回路を図1に示す。
図1.無帰還A級25W電圧アンプ
保護回路はベースとエミッタから入力する古いタイプのシンプルなものにした
回路は初段ダイヤモンドバッファで受けた後カレントミラーで電流を約2.2倍増幅し、RV2でI/V変換するとともにここでオフセット調整し、この段でバイアス電圧を発生してQ14、Q15以降の終段をドライブする。
全高調波歪+ノイズ(THD+N)の測定結果を図2、図3に示す。
図2.THD+N(Left)
図3.THD+N(Right)
今回は半導体のペア取りをまじめに行ったためか、あるいはひずみ率測定にwavegeneの「FFTに最適化」を試したためか、
前回の測定よりも若干よい特性になり、図3では一部0.01%を割り込む結果となった。
周波数特性は図4に代表して右チャンネルを示す。
また図5には10kHz矩形波の出力を示す。
図4.周波数特性
-3dB ポイントはおよそ300kHzあたり
図5.10kHz矩形波出力
群遅延によるひずみもないので位相補償なし
周波数特性と矩形波も問題なし。
出力インピーダンスと、スピーカープロテクト電圧の実測値を表1,表2に示す。
出力インピーダンスは前回の測定とほぼ同じだ。むやみに低いよりも若干電流駆動気味になるため、スピーカーの低域と高域の特性がほんの少しだが持ち上がる。
スピーカープロテクトは±で若干非対称だが、問題のないレベルだと思う。
今回の実装基板を写真1に、アンプ組み込みの様子を写真2に示す。
写真1.今回製作した基板
写真2.組み込んだ様子
前回に引き続き今回も使用したCincon社のスイッチング電源CFM60S240は小さく安価だが、50Hz系のリップルやノイズが非常に小さく、フェライトコアのみの対策で十分な特性が得られた。
部屋では相変わらずauratone 5cをメインのスピーカーとして使っており、以前発表した無帰還電流駆動アンプを普段使いにしていたが、1年ほど前に知人が遊びに来た際に聴き比べをして、それ以来この電圧アンプを(保護回路がない状態で)つないだままになっていた。
通常、音に何か問題があると1~2ヶ月で機材を替えることになる(なぜか替えた瞬間は判断できない)が、この電圧アンプは1年ほど問題なく聴いていたのでスジは良いのだろうと思う。
今回はすんなりうまくいって残りの基板があるので、ご希望の方に頒布します。
生基板2枚ひと組(ステレオ分)と、製作説明書と回路図、部品表等の資料、製作例、LTSPICEのシミュレーションファイルをセットで2000円+送料の合計2520円で頒布します。(自力で部品収集、部品選別、調整できる方が対象です。)
ご希望の方は表題に「無帰還電圧アンプ基板頒布」、本文にお名前、送付先郵便番号、ご住所、電話番号をお書きのうえ、
dj_higo_officialアットhigon.sakura.ne.jp
(アットを@に替えてお送りください)
までメールをお送りください。
代金の振込先のご案内メールをお送りします。入金が確認でき次第発送します。
回路図、部品表、製作マニュアル等
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