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2020年4月

2020年4月23日 (木)

オゾン発生回路(挫折中止)とインダクタンス測定

オゾンによるウィルスの不活性化という話がある。
今般のコロナウィルスについてはオゾンで不活性化できるかどうか検証がされていないためなんともいえないが、部屋でオゾンを発生させておけばひょっとすると効果があるかもしれないと思い、簡単にオゾン発生装置が作れないか検証した。(途中で挫折中止するので注意。)

オゾンは高圧を発生させて放電すれば発生する。コピー機やレーザープリンタを使ったときに感じる独特のちょっと生臭いような臭い、あれがオゾン臭だ。

高圧や高周波関係の仕事はほとんどやったことがないので、手持ちの部品が限られており、秋葉原も休業中なのでできることは限られている。
手持ちの部品ですぐに検証できる回路としては、ジュールシーフ発振昇圧回路とコッククロフト・ウォルトン回路くらいしか思いつかない。リチウムイオン電池でジュールシーフ回路を駆動して数十ボルトのパルス電圧を発生し、コッククロフト・ウォルトン回路で高倍率整流を行う。図1、図2にシミュレーションの様子を示す。

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図1.検証したジュールシーフ+コッククロフト・ウォルトン回路

 

 Jcwc_chr

図2.回路のシミュレーション
シミュレーションでは出力が130V以上出るようだが、実際の回路では92Vだった

 

ジュールシーフ回路の出力は、発生した電圧でトランジスタを破壊しないように47Vのツェナーをつけた。

シミュレーションでは130V超の電圧が得られそうだが、実際に回路を組んで動作させたところ実測92Vだった。せっかくなので入力電流と負荷による電圧の実測値を書いておく。いずれも入力は3.6V。

負荷   入力電流   出力電圧
100kΩ  120mA   20V
1MΩ   170mA   65V
オープン  170mA   92V

オゾン発生に必要な電圧は少なくとも数千ボルトなので、遠すぎるのでここでこの実験は打ち切りとする(^-^;(そりゃそーだ)

そういえば、何の目的で買ったのかは忘れたが、高圧発生モジュールが部品箱に入っていた。(写真1)

4_20200423124701

写真1.高圧発生モジュール

 

amazonの説明文では、3~6Vの入力で400KVが出力できるという。400KVあればオゾン出まくりだろう。オゾン層も修復できるかもしれない。

嬉々として電池をつないでみたが、放電も弱々しく、放電距離は0.5mmくらいしかないのでせいぜい1000V出てるかどうか。訴えてやる。
いちおう、放電させるとオゾン臭はするので、まあ、多少は………………

うーん、それなら中古のイオンクリスタでも買った方が早そうだ。

そういうわけで、オゾン発生はまた別の機会にトライするとして、
今回ジュールシーフ回路を組むのに使ったトロイダルトランスはパーツ箱に入っていたよくわからないトロイダルコアにホルマル線をバイファイラで10回巻いたものだ。

高周波や電源を専門でやっていないと、どうもインダクタというのをキチンと考察する機会が少ない。
今回使ったトロイダルコアも、今回の実験のような機会にあれば便利だと思って、特性もよくわからないものを買っておいたものだ。
今回はちょうど良い機会なので、手持ちのコアの特性を簡易的に測ってみた。ホルマル線を10回巻いたときのインダクタンスだ。

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写真2.インダクタンス測定の様子
Aliで800円ほどだったLCRメータを使用した測定

Aliで800円ほどだったLCRメータを使用した。これはLCRのみならず、ダイオード、FET、トランジスタなどの測定もできるスグレモノだ。
インダクタンスはどのようにして測っているのかと思い、測定端子の波形を見てみた。図3

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図3.インダクタ測定時の端子波形
インパルスを印加して、共振周波数からインダクタンスを割り出しているらしい

 

インダクタの測定方式は、測定用の信号を与えてインピーダンスを測っているのかと思っていたが、どうやらインパルス印加による共振周波数から計算しているらしい。

 

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図4.手持ちのコアやインダクタの測定結果
市販品の100μH(AL0307)が80μH、2mHのインダクタが2.03mHだったので、測定精度はわるくないようだ

 

コアごとに透磁率μを逆算して管理しておくことも考えたが、目安としては10回巻あたりのインダクタンスを記録しておく方が直感的にわかりやすいような気がする。インダクタンスは巻き数の2乗に比例するので、たとえばインダクタンスを半分にしたければ巻き数は1/√2にすれば良い。インダクタンスが1/4なら巻き数は半分にする。

 

自粛中はふだんやらないようなことをやるチャンスですね(^-^)

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2020年4月22日 (水)

JFETを使った非安定マルチバイブレーター(2)

前回はトランジスタとJFETを使った非安定マルチバイブレータの記事を書いたが、その後、JFET2つのみで構成できないか検討したところ、どうやらダイオードをひとつ追加するだけでできるようなので紹介する。

JFETを使う場合、Vgs電圧をマイナスにしないとIdがOFFしないという特徴があるので、たとえば前回の回路ではゲートソース間にトランジスタのVBEが印加される回路になっていた。
トランジスタを使わなくても単純にFETのソースにダイオードをひとつ入れれば動作するのではないかということは考えていたのだが、FETの種類やランク、使用するダイオードのVF、それに時定数CRの選び方によって発振したりしなかったりということがあるようだ。

今回は図1の回路でLTSPICEによるシミュレーションと実際の回路による検証を行った。

 

Jfet_multivib

図1.JFETのみによるマルチバイブレータ回路

 

Jfet_multivib_gr

図2.LEDカソード電位(緑)とLED電流(ピンク)

 

図2のシミュレーションでは1周期5秒ほどだが、実際に回路を組んで動作させると0.5秒ほどだった。LED電流波形は前回のFET-TRタイプと似ているが、FETのみの場合は動作領域をVGS<0と考えればたかだかIDSSなので大電流は流せない。
時定数CRの組み合わせや使うFETによっては発振しないので、回路の自由度は低い。

 

動画1.JFETのみによるマルチバイブレータ

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2020年4月17日 (金)

JFETを使った非安定マルチバイブレーター

トランジスタを2個使った非安定マルチバイブレータという回路がある。発振回路やフリップフロップ、ラッチなどの基本となる回路だ。

遠い昔、高校の文化祭での無線部の出し物として、このマルチバイブレータ回路を使ったLEDの点滅バッジを売ったところ飛ぶように売れた。たしか原価が300円ほど(このうち電池が半分ほど)で、これを500円で売っていたが、販売制限をかけないと初日で売り切れてしまうほどで、当然のごとく完売御礼、利益が出たので文化祭終了後に養老の瀧に打ち上げに行ったほどだ。

当時採用した回路は図1に示すようなものだった。

Normalmv_sch

図1.マルチバイブレータによるLED点滅回路
文化祭で売ったものは、R=100KΩ、C=47μF程度だったと思う。

 

この回路を安全ピンで留められる切手ほどの大きさの基板に詰め込んで、電気ウキ用の3Vのリチウム電池を使って動作させていた。
小型化のためにコンデンサを小さくしたいので、時定数CRが同じになるようにコンデンサCを1/10にしてRを10倍にすることは考えたが、ベース電流が無視できなくなるため理屈通りとは行かず、けっきょく47μのタンタルコンと100kΩにしたのだった。

それでもその当時、コンデンサを小さくして抵抗を大きくするやりかたで理屈通りに動作する方法はないかあれこれ考えて試行錯誤し、JFETを使ってCRの部分をゲートで受ければ電流が流れないので、ほぼ理屈通り動作することがわかった。図2のような回路だった。
ただ、FETは高価だったことと、LEDが明るくなる分電池持ちがわるくなったため結局採用されなかった。

 

Hibridmv_sch

図2.JFETを使った回路
ゲートは電流が流れないので、ほぼ理論通りの時定数で動作する

 

あの当時だとトランジスタは2SC1815、FETは2SK30か2SK19あたりだったのではないかと思う。

この回路を今になって思い出したので、シミュレーションと実験をしてみた。

図3がノーマルタイプ、図4がFETタイプのシミュレーション結果だ。ピンクで示すLEDの電流に注目してほしい。

 

Normalmv_chr

図3.ノーマルタイプのシミュレーション
緑がLEDカソード側電位、ピンクがLED電流。ピンクのLED電流が、針のような一瞬しか流れていない

 

Hibridmv_chr

図4.FETを使ったタイプのシミュレーション
ピンクのLED電流はON時間を通して強力にLEDを駆動している

 

当時はほとんど時定数の理論通り動作することがわかったので、満足してそのまま忘れていた。ところが今になってなぜか急に思い出したので、LTSPICEでシミュレーションしてみたわけだ。
トランジスタを使わずにJFET2個だけでやる方法がないかも考えたが、なかなか難しそうだ。

動画1.ノーマル回路(R=10MΩ、C=0.47uF)

 

動画2.FETをつかった回路(R=10MΩ、C=0.47uF)

 

 

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2020年4月13日 (月)

中華製温調はんだごて(2)

Compare2

2/13に中華製温調はんだごての記事を書いた。その中で、このコテは温度調整をフィードバック制御していないと判断したと書いたが、昨日読者の方よりフィードバック制御はしているようだ、というコメントをいただいたので再検証した。コメントありがとうございました(^-^)

このコテは180℃~500℃の温調機能がついているが、実際に使おうとすると180℃設定でも実測380℃ほどで、まるで温調が機能しておらず使い物にならなかった。

結論を先に言うと、抵抗一本の追加でなんと温調機能が有効になり、温調コテとして問題なく使えるようになった。

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図1.回路図
R3(56k)とマイコンの間に分圧抵抗100kΩを追加

 

Imgp3461

写真1.分圧抵抗100kΩ追加の様子
写真では56kΩがR2になっているが、検出用の1Ω(1R00)がR2とあるので、回路図上はR3とした。R2(1R00)のGND側に100kΩをはんだ付けし、R3(56kΩ)のマイコン側にジャンパ線で接続。

 

変更内容は図1、写真1のとおりで、検出抵抗R2(1R00)からR3(56kΩ)を介してマイコンに戻る検出信号を100kΩで分圧する。
変更後の温度の実測値を図2に示す。

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図2.100kΩ追加後の設定温度vsこて先実測温度

 

これなら十分実用的だ。すばらしい\(^o^)/

 

ところで、上は検出値を分圧する方法だが、検出抵抗1Ωを少し小さくする方法も検証した。回路図のR2(1R00)に並列に2.2Ωを追加する。

Imgp3458

写真2.2.2Ωを追加する
2.2Ωは1W品を使用。

 

このときの実測温度は図3のとおり。

2r2

図3.2.2Ω追加時の設定温度vsこて先実測温度
先の100kΩ改造よりも温度は高めになるが、このやり方でも可能。最適値は2Ωか1.8Ωあたりか?

ちょうどよさそうな抵抗の手持ちがなかったので、2.2Ωをつけて検証したが、もう少し下げれば設定値に近くなるのではないか。

 

【言い訳】

さて前回の記事で、フィードバック制御はしていないように思うと書いたが、なぜそういう判断をしたか、うかつな自分への戒めを込めて言い訳しておく。

①回路を写し取ってながめていたところ、検出抵抗1Ωから56kΩを介してマイコンに入っている。これは交流をそのままマイコンに入力しているため、違和感を感じた。なぜなら、まずマイコンにマイナス電位が入力されることになるので、自分ならこういう設計はしない。やるならマイナスに振れないようにダイオードを入れるだろう。またA/Dで温度を測るなら、自分ならコンデンサで積分して平均化すると思う。この場合はダイオードで整流してからコンデンサで平滑化する。ただこうするとサイリスタのタイミングが取れなくなるので、タイミング用の信号は別ポートで確保しておく。

②実際にはフィードバック制御も疑っていて、56kΩを10kΩや100kΩに付け替えてみたが変化がなかった。経験的にマイコンの入力ピンのインピーダンスは数十kΩから100kΩ前後くらいだろうと思っていたので、56kΩを変えれば分圧比が変わるのでA/Dへのフィードバック値も変わり、温度が変わるのではないかと考えたため。(使用されているマイコンMS51FB9AEの仕様書には入力インピーダンスの記載はない)

 

ヒーターとの直列抵抗からヒーター温度を検出する方法は一般的におこなわれているやりかたで、ヒーターの抵抗値が温度によって変化して電流値が変わるため、直列に入れた抵抗(一定)の両端電圧が変化し、ここから温度検出ができる。

それにしても、原理的にも問題なくソフトも動作するものを作っておきながら、まったく使い物にならない状態で販売しているのはなぜだろう。大きな謎である。開発段階では問題なかったものが製造段階でなにか行き違いが起こったのか、それともマイコンの入力インピーダンスのばらつきなどの不確定要素を見落としていたのか…………

今回はもともと100V用のものを購入した後、もう一本追加で注文したところ、先方のミスで220V品が送られてきたが、おもしろいことに100V品も220V品もプラグが違うだけでハードもソフトもまったく同じものらしい。非常に効率の良い設計をしている。なのに結果として不良品として売られていることは残念に思う。

 

おまけ。きょう羽化した越冬アゲハ\(^o^)/

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