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2020年2月

2020年2月25日 (火)

リチウムイオン電池はリハビリで復活できるか

デジカメの予備や、実験用にストックしておいたリチウムイオン電池が、思いのほか使う機会が少なく、充電状態で長期保存してしまったために、劣化させてしまい無駄になることがよくある。

もったいないのでなんとか復活させられないか、といった話題がネット上に散見される。わりと多く見られるのが、徐々にリハビリ充放電をしたらふたたび使えるようになったというものだ。本当だろうか。

そこで、実際にリハビリ充放電に効果があるかどうか検証したので報告する。

今回対象にしたのは組み込み機器や携帯機器に使おうと買ってストックしてあったボタン型リチウムイオン電池LIR2450だ。在庫のうちの1個が開放電圧0.3V程度になってしまい瀕死の状態なので、これを試験用電池とした。

実験用電源装置で、電池の温度と電流の様子を見ながら、何回か手作業で充放電をしてみたところ開放電圧は4V程度まで回復したが、放電させてみると容量が全くなく、負荷をつないだ瞬間に電圧が下がるので、やはり劣化状態だ。

この電池に対して根気よく繰り返し充放電を行ったら、はたして性能は回復するだろうか。手作業で行うのは面倒なのでバラックで装置を組み立てた。

Reha1

写真1.リチウムイオン電池リハビリ回路基板

黄色い縁取りのボタン電池が今回の患電池。右にあるのがPICマイコンとLCD表示器。

 

20200225liionreha_20200225211101

図1.リチウム電池リハビリ回路図

対象のリチウムイオン電池は図中のBatt。

 

回路は図1に示すとおりで、目的は充放電を繰り返し行い、

①充放電1サイクルに要する時間(回復すれば時間は増加する)

②無負荷、有負荷時の電圧(回復すれば電圧差は少なくなる)

が調べられるように液晶に表示し、加えてトータル試験時間も表示する。

今回の対象電池は、LIR2450というボタン型リチウムイオン電池で、容量は120mAh。少々厳しめに、充電電流を200mA、放電電流を370mA(3.7V10Ω負荷)として、繰り返し充放電試験を行う。

簡単に回路の説明をする。

充電電流はマイコンのDACから出力された制御信号をQ1Q2で構成するカレントミラーで電流変換して、DAC出力電圧に比例した定電流で充電するようにする。このMOSFETはAO3406というSOT23パッケージのもので、IDの最大定格は3.6Aだ。電源のON/OFFなどが主な用途だと思われるので、カレントミラーを組むのは例外的な使い方だと思う。パッケージが小さな表面実装用なので、熱結合はせずはんだで近接的につながっているだけだ。それでも今回の用途では問題なく動作した。

充電はcharge信号でQ3をONして7Vを供給し、上で説明したカレントミラーで定電流制御をする。つまりQ3→Batt→Q2→R2の方向に充電電流が流れる。

次に放電回路はDischarge信号でQ5をONしてD1→Batt→R3→Q5の方向に放電電流が流れる。charge信号とDischarge信号は、同時にONするとQ3,Q5に貫通電流が流れて破壊する可能性があるので、同時にONしないように注意する。逆流用のD1は、Q2のボディダイオードでもいいような気がするが、子供が見てもいいようにお行儀よい設計にした。放電電流も充電と同じくDAC制御型のカレントミラーでマイコンから制御できるようにすることも考えたが、手持ちのマイコンでDACを2つ以上積んでいるものがなかったので今回は単に抵抗負荷(R3)とした。

電池電圧の測定は、電池の両端をADC1、ADC2で取り込んで差を取るつもりだったが、この回路ではADC2がD1の電圧降下分GNDよりもマイナス電位になってしまうためこのままではAD検出ができず、変化だけ見られれば良いことにして、けっきょくプラス側のADC1だけ使うことにした。充電電流もADC3で検出できるようにしているがこれも使わなかった。

マイコンは部品箱にあったPIC16F1503を使い、プログラムはXC8でコンパイルした。1503は秋月で85円で買えるお気に入りのマイコンだ(^-^)

シーケンスは、まず充電(200mA)を開始し、開放電圧が4.1Vになったら放電モードに切り替える。放電モードでは10Ωを負荷として平均約370mAの放電を、開放電圧が3Vになるまで行う。3Vまで放電したら再び充電に入る。電池電圧の測定は充放電両モードとも2秒ごとに行う。

液晶には、①開放電圧 ②10Ω負荷電圧 ③充放電1サイクルに要した時間(秒) ④積算試験時間(秒)を表示した。

まず、手持ちの電池のうち、劣化していないものは、

・開放電圧と負荷時(10Ω)電圧の差がおよそ0.5~0.7V(ダイオード分を差し引くと0.2~0.4V)
・充放電1サイクルに要する時間がおよそ15分ほど

これに対し、今回試料とした劣化電池は試験開始時には

●開放電圧と負荷時(10Ω)電圧の差がおよそ0.8~1V(ダイオード分を差し引くと0.5~0.7V)
●充放電1サイクルに要する時間およそ2分

試験開始から数時間後には、電圧差、サイクル時間ともにほんの少し改善したように見えたが、試験を継続するとしばらく横ばい状態がつづき、試験時間が2日(48時間)を過ぎる頃には劣化が始まり、試験終了の4日目には、

●開放電圧と負荷時(10Ω)電圧の差がおよそ1~1.2V(ダイオード分を差し引くと0.7~0.9V)
●充放電1サイクルに要する時間およそ1分20秒

まで劣化してしまった。つまり結論としては、

 

今回の充放電リハビリでは、電池を復活させることはできなかった

 

ということです(^-^;

うまくいったらソースコードも公開するつもりだったんですけど……

 

 

 

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2020年2月13日 (木)

中華製温調はんだごて

つい先日、中華製の温調コテの記事を書いたが、これがかなりお粗末な設計であることがわかった。

調整範囲の最低温度である180℃に設定しても、こて先温度が370℃~380℃もある!これでは使えない。

うまく改造して使えないかと思い、とりあえず回路を写し取ってみた。

 

  Pcb0

写真1.基板の様子

 

20200212

図1.回路図 トライアックのゲートにはマイコンからC3とプリントパターンで形成されたインダクタを介して駆動パルスが印加されている。こうすることでゲートに正負両極性のトリガパルスを印加できる

 

回路を見ると、トライアックBT136Sのゲートにマイコンから制御パルスを与えて駆動している。マイコンの電源は、AC100VからR1,C1を経てツェナーD1で電圧を制限してからD2を経てレギュレータXC6206で3.3Vを作って使用している。

R2からR3を介してマイコンに引き込んでいるので、ここで温度のモニタをしているのかと思ったが、どうやら単にタイミングを見ているだけで、温度のフィードバック制御をしているわけではなさそうだ。フィードバック制御であれば、フィードバック回路に細工をすればなんとかなるのだが、この回路ではマイコンで温度ごとに決められたプロファイルの制御パルスを一方的に与えているだけのようなので、細工のしようがない。お手上げだ。
それでもなんとか使えるようにする方法はないか考えた結果、上図の「R挿入」の部分に4.7Ωを直列に入れてみた。

その後「フィードバック制御ではないか」とコメントをいただいて再調査したところ、実にフィードバック制御でした。詳細は後日新たに記事を上げますが、R2の1Ωに並列に2.2Ωをつけたところ、調整範囲がおよそ230℃~500℃となり、十分実用できる仕様になりました。

 

図2.苦肉の策のR挿入(間違いのため写真削除)→R2の1Ωに2.2Ωを並列に追加することで、230℃~500℃の調整が可能に。

 

温度を測ってみると、温度設定を最低の180℃に設定したときにこて先の実測が340℃だ。これならなんとか使えるレベルだ。しばらくこれで様子を見たいと思う。

4/13にあたらしい記事を書いたので、そちらを参照してください。

やれやれ。

 

【追記】

ふだん使っているANTEXの25Wこては温調器で使いやすい温度に調整して使っているが、こて先温度は実測でおよそ320℃だった。有鉛はんだで320℃というと若干低めだが、ANTEXの25Wはこて先の熱容量が高く温度が下がりにくいため、これくらいで十分使える。温度が低い方が基板を傷めにくいので、リワークなどの作業にも使いやすい。

 

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2020年2月 3日 (月)

トランシーバーUV-5Rにマイクアンプ追加

 

Uv5r

144と430のFMで使える中国製トランシーバーUV-5R。

毎度おなじみaliで2700円ほどで購入したので、使えるようなら保証認定を通しておこうかと考えている。

このところにわかに無線づいてきているのは、首都直下型地震や北朝鮮のミサイル発射など、ひょっとしたらということもあるし、オリンピックイヤーでもあるので、なにかの役に立つこともあるかもしれないと思うからだ。何かあったときに電気とネットが落ちてしまったらもうどうしようもないのだ。トランシーバーが1個あれば情報収集ができる。

もちろん免許は持っていて、コールサインはJN1FLYだ。中学生の時に電話級をとってそのままになっているが、一応VX-8というトライバンドトランシーバーで登録している。

さて、格安トランシーバーUV-5Rだが、非常によくできていて、最大出力は8Wもある。これで保証認定を取ったという話はネット上にいくつも出ているので、そう難しくはなさそうだ。

ただ、テストをしてみて感じることは、どうも変調が浅い。この話もネットで散見される。

(一応念のため書いておくが、テストはローパワーに設定した上でアンテナを外して送信し、VX-8で受信した)

そこで、トランジスタ1石のVOX回路をマイクアンプに流用する改造を行った。

Uv5r_micamp

図1.VOX回路をマイクアンプに流用する回路図

 

オリジナルの状態では、マイクから入力した音声信号は、L,C,Rなどを経てそのままRDA1846(SDRのIC)のマイク入力に接続されている。

Q17のトランジスタ回路はVOX(音声に反応して送信状態にする仕掛け)用のアンプとして使われている。VOXはほとんど使うことはないと思うので、Q17をマイクアンプに流用する。

Q17のエミッタはもともとはGNDに落ちていたが、ここに470Ωを挿入してゲインを20dB(10倍)とする。工作のしやすさを考慮して、もともとついていたトランジスタよりもひとまわり大きいC1815(これはおそらく2SC1815のセカンドソース品)を使う。コレクタ抵抗が4.7kで自己バイアス用のベース抵抗1.5Mは、hfeの実測値が350程度だったので計算してみるとちょうど良い。

VOX回路のダイオードアレイD21(1SS372)を外すと、C139の出力側はオープンになるので、これを、L44右側のマイク入力を外して替わりにジャンパ線で接続する。

Mae

図2.改造前。L6の捺印がQ17、N9の捺印がD21。左上の角にあるのがL44。

 

 

Ato

図3.改造後。Q17をC1815に付け替え、もともとあったエミッタのグランドパターンをまたいで、エミッタから470Ω(471)でGND(パタン削って露出)に接続。D21は外して、L44の入力側がオープンになるように移動(左斜め下向きに回転移動)し、L44入力側にジャンパ線でアンプ出力(C139出力側)をつなぐ。

 

以上の改造ではたして変調は深くなったかというと、どうもさほど変化がないように感じる。マイクに口を近づけてしゃべると受信音がひずんでいるように聞こえるが、変調はあまり深くならない。ということは音声信号の振幅不足で変調が浅いのではなく、SDRデバイスのRDA1846の内部設定によって変調度が決まっているのかもしれない。

まあ、多少変調が浅くても使うことはできるので、この状態で保証認定を検討してみようと思う(^-^)

 

きょうは客先に届け物をしにいったら、近所の梅は満開で、ぼけの花もきれいに咲いていました(^-^)

Ume

Boke

 

 

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