« 選曲論【1】  | トップページ | 2018/11/13 プレイリスト@CLUB GT »

2018年1月 2日 (火)

アキュトロン スペースビューの修理

Imgp2406s

 

踊りに行くときは普段使いのG-SHOCKを外して、シンプルな外装の時計をしていくことが多い。これは踊っていて相手の女性の髪に引っかかったりすると申し訳ないからだ。特に気に入ってつかっていたのが写真のアキュトロン・スペースビューで、いまはもう絶滅してしまった音叉式の腕時計だ。この時計は要修理状態で父から譲り受け、たしか1995年頃に修理可能なショップを見つけて修理してもらい、これまで大事に使ってきた。ロット番号をみるとM4となっているので、1964年製だ。サイドにリューズがないのでスッキリしている。
2017年の11月頃、いつものようにこのアキュトロンをつけて出かけようとすると、止まってしまっている。電池が切れたのかと思い交換してみたが、どうも発振音が弱々しく、しばらくすると止まってしまう。回路はいたってシンプルなので、故障するとしたら接触不良か、トランジスタの劣化かコンデンサの容量抜けくらいしか考えられない。だが修理に出すと高くつきそうだし、暮れに向けて忙しかったこともあって放置してあった。

 

図1にアキュトロンの回路を示す。(こちらのサイトからいただきました。)

 

214_original_circuit

 

今回トランジスタが故障したとすれば、考えられるのはコレクタに最大定格を超える逆起電力がかかったか、ベース電圧がマイナスに振れてブレークダウンを起こしたか、まあそんなところではないか。そこでLTSpiceを使ってシミュレーションしてみた。

 

Acc_sim
図2.シミュレーション回路

 

 

図1の回路にしたがって回路を入力し、L1とL2は結合、ただしL1~L3は定数が不明なのでシミュレーション上で発振が起ればとりあえずOKとした。シミュレーション結果を図3~図5に示す。

 

Acc0
図3.シミュレーション結果(全体)

 

 

Acc1

図4.発振開始直前を拡大 

 

Acc2

図5.発振開始

 

ピンクがコレクタ電圧、緑がベース電圧。

 

図3をみると、発振開始前にコレクタ電圧が大きく+に、ベース電圧が大きくマイナスに振り込んでいる。どちらもトランジスタを破壊するには十分なレベルだ。通常こういうことでトランジスタが破壊しないように保護用のダイオードを入れることが多いが、図1の回路を見る限りそのような対策はとられていない。

 

図4はコレクタ電圧とベース電圧のピークの拡大図、図5は定常発振開始の様子。発振が開始してしまえば問題はなさそうなので、危険なのは電池交換時か。

 

もともとついていたトランジスタを外し、手元にあったチップ品の2SC1815(Aliで100個170円送料込み)に交換してみると、力強い発振音と共にアキュトロンは息を吹き返した。

 

Accutron

図6.トランジスタ交換前(左)、交換後(右)

 

保護用のダイオードを追加することも考えたが、スペースがせまく作業が難しいことと、オリジナル回路を尊重するということで今回は見送った。
もともとついていたトランジスタがどのように劣化したのかは当然測定してみたかったのだが、うかつなことに取り外すときに足をもいでしまって計測不能になってしまった。

 

Imgp2401s

図6.もとのトランジスタ。本体2mmほど。

 

【アキュトロン音叉時計について】

 

腕時計の主流が機械式(ゼンマイ)からクオーツに変わるすきまの十数年間だけ存在した形式で、音叉の固有振動を使ってゼンマイよりも高精度を実現した時計。もともと1.35Vの水銀電池を使用する設計だったため、一時期は電池が入手不能となり実使用が不可能となったため絶滅したかに思われたが、補聴器用の空気亜鉛電池(1.35~1.4V)が使えることから中古市場などにも復活している。スケルトンで音叉やコイルが見え、秒針も連続的に動くスイープ運針なので、いまではとても個性的だし、中古の取引価格も2万円から10万円くらいなのでお手頃である。

 

2010年に世界限定1000個が復刻された。定価39万9千円。高すぎ(汗)

| |

« 選曲論【1】  | トップページ | 2018/11/13 プレイリスト@CLUB GT »

コメント

ブローバアキュトロン、電池切れではないようですが、作動しません。
修理費用はいかほどでしょうか?
また、修理は国内、国外どちらでしょうか?

投稿: ヒロ | 2020年7月20日 (月) 09時07分

ヒロさん
当方は、個人的にアキュトロンを修理できた、ということで、修理を受けつけているわけではありません。残念ながら専門業者ではないため修理の請け負いはできないのです。
この記事は参照していただいてかまいませんので、時計修理業者に問い合わせてみてはいかがでしょうか。なおるといいですね。

投稿: DJ HIGO | 2020年7月20日 (月) 11時20分

最近立て続けにcak218のアキュトロンとOEM品のシチズンハイソニックを趣味で修理とかしてます。このページは素晴らしいですね。感動しました。

投稿: アキュトロン 218 | 2020年9月 2日 (水) 12時56分

アキュトロン218さん
コメントありがとうございます。
アキュトロンは魅力的な時計ですが、修理できる業者がほとんどないのが難点ですね。
少しでもお役に立てたならうれしいです(^-^)

投稿: DJ HIGO | 2020年9月 2日 (水) 13時15分

大変参考になりましたありがとうございます。
アマゾンにあったNPN TO-92 PNP 型番:2SC1815-GR331で大丈夫でしょうか?
また、アキュトロン214の2SC1815以外の2個の電子部品の番号も教えていただけますでしょうか?

投稿: スケルトン | 2023年3月 3日 (金) 02時10分

スケルトンさん
トランジスタはTO-92では大きすぎてつけられないので、SOT23パッケージのものを使います。
https://www.amazon.co.jp/uxcell-SOT23%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E8%A3%BD-C1815-HF-150%E5%80%8B%E5%85%A5%E3%82%8A/dp/B07JJK8G9V/ref=sr_1_2_sspa?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=26759KPHUJ8MS&keywords=c1815&qid=1677792735&sprefix=c1815%2Caps%2C199&sr=8-2-spons&psc=1&smid=AANM8PRMV1MBN&spLa=ZW5jcnlwdGVkUXVhbGlmaWVyPUExMkkyN1NFNDBQN0omZW5jcnlwdGVkSWQ9QTA5Nzk5NzAzVkpSUFpNWjFaTko2JmVuY3J5cHRlZEFkSWQ9QTNFTFFJUElSTFlJRVkmd2lkZ2V0TmFtZT1zcF9hdGYmYWN0aW9uPWNsaWNrUmVkaXJlY3QmZG9Ob3RMb2dDbGljaz10cnVl

トランジスタ以外の部品は、しましまのついたものが2.2MΩの抵抗、銀色のものが220nFのコンデンサですが、いずれもこの大きさでリード部品での入手はむずかしいので、交換するとしたらトランジスタと同じように表面実装用の小型部品で置き換えるしかないと思います。

投稿: DJ HIGO | 2023年3月 3日 (金) 06時49分

ご丁寧なお答えありがとうございます。
どれを買ったら良いか教えていただきありがとうございます。

キュトロンのC1815をテスターで計ると正常な場合0Ωで不動の場合は足によって違いますが〜7Ωぐらいなのですが壊れてると抵抗値が上がるのでしょうか?

2.2MΩの抵抗と220nFのコンデンサは並列で繋がっててそのまま計ると1.85Ωでした。

電子機器全くわからないのでテスターでどういう数値が出たら壊れているのか教えていただきたいのですが…
よろしくお願いします。

秋葉原の専門店にアキュトロンを持っていくと探してもらえるって事はありますか?

投稿: スケルトン | 2023年3月 3日 (金) 14時37分

スケルトンさん
テスターで測って部品の良否を判定するには、少なくともその部品を回路から取り外して部品単体で測る必要があります。回路に組み込まれた状態では不可能です。
また、同様にトランジスタについても良否判定は取り外す必要がありますが、トランジスタの場合、単純に「どの足とどの足の抵抗値が何Ω」というやり方では良否判定はできません。
スケルトンさんが現状できることは、トランジスタをC1815に交換してみることしかないと思います。もしそれでなおればラッキー、なおらなければあきらめるしかないでしょう。
また、このトランジスタの大きさは米粒ほどしかないので、交換にはテクニックがいります。
現在アキュトロンの修理をできる店はたぶんないか、あってもごく少ないと思います。秋葉原にもっていって部品を探してもらえるということは、まずありえないと思います。
あるいはダメ元でBulova社に問い合わせてみられてはいかがでしょうか。

投稿: DJ HIGO | 2023年3月 3日 (金) 15時11分

いろいろ教えていただきありがとうございます。
C1815を購入してチャレンジしてみます。
結果をまたご報告します。
ありがとうございました。

投稿: スケルトン | 2023年3月 5日 (日) 00時59分

C1815を取り付けてみましたが不動でした。
文字の書いてある方を見えるようにして「交換後(右)」の写真のようにハンダづけしたのですが向きはあってますでしょうか?

投稿: スケルトン | 2023年3月 6日 (月) 20時44分

C1815の向きは写真通りで、”HF”の捺印がこちらから見える向きです。トランジスタを交換して直らないとなると、あとはコイル断線か、考えにくいですがコンデンサの不良ですね。抵抗の不良はきわめて考えにくいです。
もし「発振音が聞こえているのに動かない」ということですとメカの故障です。
あとできることといったら、ハンダ不良がないかどうかの見直しくらいしかありません。
それとまさかとは思いますが電池の向きが逆になっていないか、くらいです。

投稿: DJ HIGO | 2023年3月 6日 (月) 21時34分

ハミングしない214ムーブメントが2個あったので両方C1815に交換したのですが両方ともダメでした。チェック項目も全て確認しました。
パルサーのLEDムーブメントを温めると治ることがあったので交換した214ムーブメントも温めてみたら1個だけ軽く衝撃を与えると短期間ハミングしましたがだんだん小さくなって無音になります。
音叉の共鳴よりは長い時間です。

極力熱を伝えないようにハンダもしていますがC1815が極端に熱に弱いことはありますか?

投稿: スウケルトン | 2023年3月 7日 (火) 17時56分

ダメでしたか……
C1815はごく普通のシリコントランジスタなので、特に熱に弱いということはなく各足それぞれ5秒程度はコテでさわっていてもたぶん壊れないはずです。はんだ付けは確実でしょうか。
2個交換してどちらもダメということは、あとはコイルの断線か絶縁不良、あるいは回路のどこかの断線や接触不良とかでしょうか。あとはコンデンサかな……
音がしてしばらくしてとまるというのは、当方ではトランジスタ交換前がそのような感じでした。
電池は切れているということはないですか?
それくらいしかわからないですね……

投稿: DJ HIGO | 2023年3月 7日 (火) 18時31分

電池も問題ありませんでした。

動いてるアキュトロンを数本持っているのでそれを観察しながら2個不良ムーブメントのコンデンサを入れ替えたり色々試してみます。

動きましたらまたコメントします。
色々ありがとうございました。

投稿: スケルトン | 2023年3月 8日 (水) 00時19分

ご無沙汰してました。スケルトンです。

不動の原因はコイル切れでした。測定箇所を間違ってました。2個不動ムーブのコイル切れが逆だったのでニコイチで稼働しました!ありがとうございました。

髪の毛より細いコイルを巻き直すのは無理そうですが切れたコイルの修理はできるのでしょうか?むき出しの配線なのでどこでも繋げばOKとかはではないですよね…

バッテリーの1.35Vと1.55Vはどの電子部品が違うのでしょうか?
それとパワー不足を解消できる的な事を聞いたことがあるのですがパワーアップ(トルクを増やす?)するには何をすれば良いか電子部品交換でできるのであれば教えてください。

投稿: スケルトン | 2023年4月 3日 (月) 20時03分

おお、動いたのですね!よかったですね(^-^)
コイル切れの修理は無理だと思います。運良く巻き終わり部分で断線、とかでしたら、2-3巻ほどいて接続するという手段がひょっとしたらあるかもしれませんが、通常はあきらめるしかないでしょう。
 
バッテリー電圧は、設計仕様が1.35Vなので、それを外れたら動作も耐久性も保証がないということです。つまり時計の精度が出ないとか、壊れる、ということも考えられます。
以下は私が思うことで、まったく保証がありませんが、
電圧が高ければ、発振振幅が上がるか、発振周波数が上がる可能性があり、発振振幅が上がれば、インデックス車を送っているヒゲとヒゲの先端のチップを傷める可能性があります。またインデックス車の送りが強くなるので、一振動で2ステップ送るような荒い動作になれば精度がまったく出なくなります。また、発振周波数が上がれば時計精度が出なくなります。
あるいはまた、トランジスタの破壊が起こりやすくなる可能性もあります。
運良く1.55Vで正常に動いているように見えても、寿命を縮めているという可能性があります。
あとはご本人がこれを納得したうえで、自己責任で使用するより他にありません。
 
1.35Vと1.55Vはどの部品が違うか、という話ではなく、全体として設計仕様ではないので、上記のような不具合が出る可能性があるということです。
 
パワー不足というのは何のお話しなのかよくわかりません。時計は精度が出ていることが第1で、あとは電池もちがどうかということだと思うのですが、パワー不足というのは何を指してるのでしょうか。
針を駆動するパワーのことだとしたら、運針が正常でないのは故障か調整不良であって、パワーの問題ではないので、原因を突き止めるべきではないでしょうか。

投稿: DJ HIGO | 2023年4月 3日 (月) 20時57分

ご説明ありがとうございます。

「パワー不足」と言われたのは時分針は動くけど秒針がたまに止まったりする症状の時に修理ができる方に言われたことがありました。なので何か電子部品を交換するのかな?と思った次第です。
その方は1.35V仕様を1.55V仕様に調整できるとも言ってました。
数個アキュトロンを持ってますが電池は1.35Vと1.55Vのものがあります。
以前試しに1.35V仕様に1.55Vの電池を入れたら1分で10秒近く進みました…危険なんですね。

機械の方のメンテはできるので電子部品の方はトランジスタ交換とコイルの断線確認までにしようと思います。

投稿: スケルトン | 2023年4月 5日 (水) 19時18分

「パワー不足」のご説明ありがとうございました。想像ができました。
この記事に書いた最初の症状は、発振音が弱々しくてすぐにとまってしまうというものでしたが、これも「パワー不足」症状の一種かもしれませんね。
長針短針が動いているのにたまに秒針が止まる、というのはおそらく間違いではないかと思います。秒針が止まっている時にはおそらく長針、短針も止まっているのではないでしょうか。
 
「パワー不足で時々止まる」不具合は、トランジスタの壊れかけ、またはインデックス車を送るヒゲとヒゲ先端チップの調整不良が原因ではないかと思っています。
なので、今回のようにトランジスタを交換するか、またはヒゲとヒゲ先端チップとインデックス車の調整で対応するのが正しいように思います。(私はヒゲ、ヒゲ先端チップとインデックス車の調整はやったことがないので想像で書いています。)
 
1.55Vでもヒゲ、ヒゲ先端チップ、インデックス車の調整により、正確な動作ができるようになる可能性があると思います。
ただ、この記事にも書いてあるとおり、トランジスタの破壊要因は、時計起動時の逆起電力が原因ではないかと仮定すると、逆起電力は電圧に比例して大きくなるので、1.55Vでは1.35Vよりもトランジスタ破壊が起こりやすくなる可能性があります。

投稿: DJ HIGO | 2023年4月 6日 (木) 06時29分

ご無沙汰してます。スケルトンです。
別のムーブメントで新しい症状が出たのでご存知でしたら教えてください。
動くのですが秒針一周で約1分20秒とかなり遅い症状なのですがトランジスタの劣化が原因とは考えられますか?
電池は1.35Vより進みが早い1.55Vでテストしています。(電池残量は確認済みです。)
機械なのかトランジスタ(電子部品)なのかどちらから先に手をつけるか迷っています。

投稿: スケルトン | 2023年4月18日 (火) 00時46分

スケルトンさん、おはようございます。
遅い症状のムーブメントですか。以下はすべて推測ですので当たってるかどうかわかりませんが……
まず、次の点を調べます。
 
①発振音の音程は正常品と同じか
②発振音の強度が弱々しかったり、時々止まったりしていないか
 
まず、発振音の音程ですが、アキュトロンは発振周波数が360Hzなので、遅いのなら音程がそれよりも低いはずです。
音程が同じなのに運針が遅いということなら機械の調整がダメな可能性があります。
音程が低い場合は、コイルの絶縁不良かトランジスタの故障が疑われますが、発振音が力強く安定している場合は、トランジスタの不良の可能性は低いように思います。
発振音の強度が弱々しかったり止まったりする場合は、トランジスタの故障の可能性があると思います。
参考になれば幸いです。

投稿: DJ HIGO | 2023年4月18日 (火) 07時31分

いつもありがとうございます。
確認してまたレポートします。

投稿: スケルトン | 2023年4月18日 (火) 16時59分

スケルトンです。お騒がせしました。
機械の方に不備があったようで秒針を止める軸(秒カナ)に給油をしたらちゃんと動くようになり音程も通常に戻った気がします。
単純に動きが渋くなって遅れが出てたようです。トランジスタ切り離す前に気づいてよかったです。
こちらにコメントし始めてからだいぶアキュトロンの事がわかってきた気がしますが、また電子部品系の事で壁にぶつかってどうにもならなくなったら教えてください!
いろいろありがとうございます。

投稿: スケルトン | 2023年4月20日 (木) 15時47分

こんにちは。

手持ちのアキュトロンですが、発振音はするものの歯車が回らなくなってしまいました。基板交換しかないと諦めていたのですが、トランジスタ交換という手段があることを貴ページを拝見して知りました。時計のメカはいじれませんが、電子系はそれなりに修理できるのでチャレンジしてみようと思います。先ほどトランジスタを発注したところなので、結果は後日ご報告致します。

投稿: プフ | 2023年6月29日 (木) 10時52分

プフさん、こんにちは。
うまくなおるといいですね。交換するトランジスタは安いので、なおれば儲けものです。ダメ元でチャレンジしてみてください。

投稿: DJ HIGO | 2023年6月29日 (木) 15時48分

ご無沙汰してます。スケルトンです。
また教えてください。

抵抗は2.2MΩですが2.6〜2.8MΩのものを使用する事はできますでしょうか?
電池を1.35Vから1.55V仕様にする場合その方が良いとか…?

コンデンサも220nFではなく230nFでも許容範囲内でしょうか?

投稿: スケルトン | 2023年7月 4日 (火) 03時47分

スケルトンさん
おはようございます。
 
結論から言うと、たぶん抵抗とコンデンサがその程度ずれていてもあまり問題はないと思います。ただし、時計の精度がまったく同じになるかどうかはわかりません。
 
アキュトロンの抵抗はソリッド抵抗と言って、もともとあまり精度が高くなく、誤差規格は±10%です。そうすると1.98MΩ~2.42MΩくらいの誤差は想定してると思われます。またソリッド抵抗は経年劣化で抵抗値が上がる傾向があるので、さらに高い状態になってるものもあるかもしれません。コンデンサはセラミックコンデンサだとすると、これもあまり精度がよくなく、良くて±10%~±20%程度ですから220nFが230nFに変わる程度ではほとんど影響はないでしょう。
 
ですがこれはあくまでも推測ですので、最終的にはやってみないとわかりません。

投稿: DJ HIGO | 2023年7月 4日 (火) 07時53分

ありがとうございます。
ダメな抵抗は5.0MΩ以上のものもありました。
試して成功しましましたら数値とともにお知らせします。
いつもありがとうございます。

投稿: スケルトン | 2023年7月 4日 (火) 17時30分

こんにちは。
トランジスタが届きました。その間、海外のサイトなども見ていたのですが、214ムーブメントにPNPトランジスタが付いた回路がありました(赤と黄色のコードを使ってトランジスタ周囲が配線されている214です)。私のムーブに付いているトランジスタは外見上、スケルトンさんのムーブに付いていた物と変わらないので2SC1815で行けると思うのですが、この点について何かご存じでしたらご教授頂けますでしょうか。よろしくお願い致します。

投稿: プフ | 2023年7月 5日 (水) 16時53分

プフさん、こんばんは。
PNPトランジスタの214ムーブメントのお話は初めて聞きましたので調べてみたところ、初期型がPNPのゲルマトランジスタだったとのことでした。PNPのものはトランジスタが円筒形の銀色のパッケージなので、黒い樹脂のパッケージのものでしたらNPNで、C1815で代用が可能だと思います。

投稿: DJ HIGO | 2023年7月 5日 (水) 19時49分

こんばんは。

早速のご返信ありがとうございます。やはり後期型はNPNなのですね。明日にでも交換してみようと思います。結果についてはご報告致します。

投稿: プフ | 2023年7月 5日 (水) 21時51分

こんにちは。

残念な結果でした。トランジスタを交換し、発振音まで確認したのですが、針は動きませんでした。機械的な故障だと思うのですが、こちらは手が出せません。抵抗値について書いている方がいらっしゃるので測ってみたところ、2.8MΩでした。

いろいろとお調べ頂き、ありがとうございました。

投稿: プフ | 2023年7月 6日 (木) 14時53分

プフさん、こんばんは。
なおらなかったとのこと、残念でしたね。
音が鳴っているということは、おそらく送り爪あたりの調整をすれば治りそうな感じですが、当方としてもメカの調整については知識がありません。
なにか進展がありましたら、また投稿していただけるとうれしいです。

投稿: DJ HIGO | 2023年7月 6日 (木) 20時30分

こんばんは。

音が鳴っているので、トランジスタの半田付けは問題ないと思います。気のせいかも知れませんが、音は少し大きくなったような・・・海外のサイトを見ると音がしても針が動かないケースはよくあるようで、送り爪の破損などが原因のようです。注油で復活したという話も書いてありますが、私ができるのは半田付けまでです。これ以上はどうにもならなそうですが、何かありましたら投稿させて頂きます。

投稿: プフ | 2023年7月 6日 (木) 20時52分

こんにちは。スケルトンです。

プフさんのハミングするけど動かないのは、上記図1の歯車を押す2本のツメの振動するTUNING FORKと歯車の逆戻りを防ぐPAWL BOGYの先に付いている0.1mmぐらいのピンクの石(多分サファイヤ)が外れてるのだと思われます。
確認方法は裏蓋を開けリュウズの刺さる穴の左にビス一本で止まってるパーツを外すとTUNING FORKとPAWL BOGYから伸びる針金が見えます。
その先端にピンクの石がついてて歯車に当たってるのですが20倍ぐらいのルーペで見ると石の有無が分かります。
※裏蓋を戻す時には必ずこのパーツを戻してください。
リュウズの棒で針金を曲げる可能性があります。
機械の方は多少わかるので石が有ったら動く可能性はあります。

プフさんの214ムーブは左側にアースがあり左右のグリーン色のコイルアッセンブリーをつなぐコードが3本のものでしょうか?
このタイプのトランジスタ交換を当方もしたのですがハミングしませんでした。
交換前の写真を見たらPNP(円筒形の銀色のパッケージ)タイプでした。
C1815を使用しても全然ダメだったのですがNPNにすれば動きそうですかね〜?
何を買えば良いでしょうか?
また教えてください…(PNP?NPN?全くわかりません)

投稿: スケルトン | 2023年7月10日 (月) 16時58分

スケルトンさんプフさんこんばんは。
トランジスタのNPN、PNPとは極性の違いで、単に極性がちがうだけなら電源をプラスマイナス逆に接続すれば動きそうなものですが、アキュトロンのトランジスタは、NPNがシリコン、PNPがゲルマニウムを使っていて、動作開始電圧(VBE)がシリコンで約0.6V、ゲルマニウムでは約0.1Vと違いがあり、そのため回路も違っています。初期型でゲルマニウムのPNPトランジスタを使ったのは、低い電池電圧を考慮してのものではないかと思われます。
当然ながら、PNPトランジスタの代わりにC1815などのNPNのトランジスタを使うことはできませんし、PNPでもシリコンタイプではおそらく動作しないのではないかと思います(やってみないとわかりませんが)。ちなみにシリコンタイプのPNPトランジスタはA1015などがあります。
https://www.amazon.co.jp/IndustrialMaker-100-%E5%80%8B-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%82%BF%EF%BC%88BJT%EF%BC%89A1015-SOT-23%EF%BC%88SOT-23-3%EF%BC%89A1015/dp/B0983PL4JP/ref=sr_1_19?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2JJLZDJUQ62JC&keywords=A1015&qid=1689070565&sprefix=a1015%2Caps%2C424&sr=8-19
現在、おそらくアキュトロンに組み込めるような小型やチップ型のゲルマニウムPNPトランジスタは入手がきわめて困難だと思います。
なので、PNPタイプのアキュトロンのトランジスタ交換は非常にむずかしいと思います。

投稿: DJ HIGO | 2023年7月11日 (火) 19時20分

こんにちは。スケルトンです。ご無沙汰しています。
アキュトロンの本体回路に付いたままコンデンサのnF値をテスターで測ると動くものは上側が+下側が-で261.8nFで+-を反対にすると0nFになります。
トランジスタを交換しても動かないものは+-を上下逆にしても共に186nF前後です。
コンデンサは方向性のあるものなのでしょうか?
トランジスタを交換しても動かないものはコンデンサを交換すると動くかなと…
使えそうな大きさのコンデンサ220nFは売ってますでしょうか?
教えてください。

PNPタイプのアキュトロンのトランジスタ交換はまだしていません…

投稿: スケルトン | 2024年2月 1日 (木) 03時28分

おはようございます。ごぶさたしております。
回路に付いたままコンデンサを測っても、それはコンデンサの容量よりも
コンデンサ以外の部品の導通をチェックしているような意味合いが強いです。
使われているコンデンサはおそらく無極性のセラミックかフィルムだと思いますが、
仮に極性のある電界コンやタンタルだとしても、逆極性だとゼロ、ということは
まずありません。
そうすると考えられるのは、
どちらの極性で測っても同じく186nFになる個体は、
①コイルの断線
②トランジスタの接続違いかトランジスタの故障
のどちらかの可能性が高いと思われます。
トランジスタを交換されたということでしたら、コイル断線が濃厚です。
コンデンサ故障の可能性は低いと思いますが、交換する場合は、
これが使えそうです。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g114553/
この場合、元のコンデンサを外して、抵抗がつながっている端子台の間に
このコンデンサを付ければいいと思います。
 
PNPトランジスタの個体のトランジスタ交換は望み薄なので、
いっそのこと全部NPNの回路に変更してしまう方が早いような気がします。

投稿: DJ HIGO | 2024年2月 1日 (木) 08時09分

スケルトンです。いつもありがとうございます。
まだトランジスタを交換したモノしていないモノがあるので交換して不動でしたら①②を今一度チェックして教えていただいたコンデンサを購入し試してみます。

左アースのPNPトランジスタの個体を右アースのNPNの回路にするのも試してみます。

また結果が出ましたらご連絡します。

投稿: スケルトン | 2024年2月 2日 (金) 02時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アキュトロン スペースビューの修理:

« 選曲論【1】  | トップページ | 2018/11/13 プレイリスト@CLUB GT »