選曲論【1】
DJ選曲論というカテゴリーを作っておきながら選曲論を書いていなかったのは、体系的に書くのが難しいということと、主観的な話が多くなる可能性が高いからです。DJの役割は何かといえば、第1に踊りに来た人に楽しんでもらうこと、第2に曲を作ってくれたミュージシャンの気持ちを踊りに来た人に伝えることです。ですから、選曲、曲順、音質において最善を尽くすことがとても大事です。
ぼくがこれから書く選曲論は、ぼくの個人的な選曲論であって、これが絶対だということではありません。技術論とちがって、客観的に正しいという根拠はあまりなく、経験的にどうすればいいかという経験則や主観が多くなると思いますので、そのつもりで読んでください。
みなさんはだれかに自分で選曲したテープかCDをプレゼントしたことがありますか?おそらくそのときは入れたい曲の候補を出しておいて、次にテープかCDの長さに収まるように曲を厳選して、最後に曲順を考えたのではないでしょうか。一曲目はわりと明るくさわやかで、耳に心地よい曲、ラストの曲は気持ちのこもった、夢見のよさそうな曲……
パーティーでDJをやるときの選曲もほとんどこれと同じです。
今回選曲論を書くにあたっては、DJスタートはお店でのダンスレッスン終了直後からということで、最初から一定数のお客さんがいるという前提とします。また、この選曲論はサルサパーティーを前提としています。
まず、全体の持ち時間をどのような流れにするかをおおざっぱに決めます。
①スタート……誰もが知っているワクワクするようなヒット曲から。ただしテンポはゆっくりめ
②序盤終わり~中盤……少しアップテンポの、踊りやすく聴きやすい曲
③中盤~……Jazzyなおとなの曲。ミッドナイト感を出す
④終盤前……最後の盛り上がりを演出するアップテンポの曲
⑤終盤~エンディング……クールダウンにロマンチカを中心とした選曲
⑥ラストソング……しあわせな気分で帰れる、夢見のいい曲
ぼくは毎回だいたいこんな感じで流れを作っています。
最初の数曲はレッスン明けですから、ダンス初心者が練習がてら踊れる、ゆっくりめでキャッチーな曲がいいと思います。ツカミですから誰でも知ってるヒット曲がいいですね。ただ、最初の一曲目はレッスン明けでちょっと休憩とか、飲み物を注文しに行く人も多いので、ゆっくりめということは意識せず、ツカミということだけ考えてもいいかもしれません。
つづく
【コラム】曲順はスキーゲレンデのように
どんなにスキーが好きな人でもリフトから降りたとたんに崖のような急斜面では引いてしまいますよね。最初は緩斜面から入って、少し急斜面が続いた後、少しコブのある斜面、休憩所、緩斜面、急斜面……そんな感じでゲレンデは構成されていると思います。
また、あたりまえですが途中が壁で行き止まりとか、崖!とかいうことはあってはいけません。
選曲もゲレンデと似ていて、選曲にはダンサーを退屈させない緩急をもたせながら、壁や崖や段差がなくなめらかにつながっていくということを意識するといいと思います。
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