無帰還電圧アンプ
無帰還電流アンプがほぼ最終的な形になったので安心して音楽を聴いています。
だた、この回路形式は無帰還電圧アンプにも応用できるはずなので検討してみたところ良好な結果が得られましたので、今回はその報告です。
図1.無帰還電圧アンプ回路図
カレントミラー回路を使って電流を増幅したあとバイアス回路のVR2でオフセット調整とI/V変換をおこなっています。VR2のオフセット調整がセンターから大きくかたよる場合はゲインが小さくなってしまうので、上下デバイスのペア取りをまじめにやることと、どうしても左右で大きなゲイン差が出る場合はR7の値を調整してゲインをそろえます。
入力回路は今回はダイヤモンド入力にしてみました。この回路形式はかっこいいですしわりとよく見かけますが、Q1Q2のベース電流の差分が入力負荷に流れるとオフセットになって出力に出ます。入力負荷が不変ならオフセット調整をしておけば問題ないのですが、実際にはたとえば入力のオープン/ショートや、あるいは入力ボリュームの位置によってオフセットが変動します。そこでVR1によってQ1Q2のベース電流が一致するように調整した上で、VR2で出力オフセット調整を行います。
図2.THD+N Lチャンネル
図3.THD+N Rチャンネル
図2、図3に雑音+ひずみ特性を示します。左右でおおむねそろっています。
位相補償は一切していませんが、ピークは全くなく、-3dBの周波数特性は380kHzです。
ゲインは約23dB、出力インピーダンスは100Hz,1kHz,10kHzで約0.3Ωです。
今回は24V/2.5Aの廉価なスイッチング電源CFM60S240(若松で1個980円!)を±で2個使って構成しましたが、アイドリングが各チャンネル1Aでトータル2Aですからギリギリです。オシロで観察しながらアイドリングを増やしていくとヒゲ状の高周波ノイズが増えるのがわかります。
もっと余裕のあるスイッチング電源を選ぶか、トランスを使ったリニア電源にすればもう少し改善されるのではないかと思います。
今回もフェライトコアを使ってノイズ対策をしています。フェライトコアの挿入のしかたは電流アンプと同じですが、今回は電源出口はFGのラインだけフェライトコアを通さないことにしました。またアンプ手前のフェライトコアはECDN906088(前回発振して不採用にしたもの)にしました。
早速音楽を聴きながらこの記事を書いていますが、おもしろいことにいままで聴いていた電流アンプと比べあまり違和感が出ません。低域や高域のハイハットなどは電流よりも若干締まった印象になりますが、なにか同じ傾向の音に仕上がっているように感じられます。兄弟のようなものでしょうか。
もちろんとてもいい音です。もうしばらく聴き込んでみたいと思います。
写真1.電圧アンプ(旧電流アンプのシャーシに組み込みました)
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