ノイズ対策について
前回は全体にわたる製作記事をお送りしましたが、今回はフェライトコアによるスイッチング電源ノイズ対策の追加報告です。
まずは最終的に選定したフェライトコアと入れ方についてです。
図1.保護回路
図1-2.フェライトコア挿入の様子
回路そのものは前回と同じですが、フェライトコアを選定しました。
まずスイッチング電源出口のFerrite Core1はE04SR200932に2T(1回巻き)とします。
アンプ基板電源入力部のFerrite Core2、Ferrite Core3はLF-35Bに1T(通すだけ)です。
前回のスピーカー出力のノイズを図2に、今回の変更による結果を図3,図4に示します。
図2.前回ノイズ測定結果
図3.今回の測定結果(上:L 下:R)
図4.今回の測定結果(20mV/divに拡大)
上図のとおり、かなり改善されました。
上は最終結果ですが、欲を出すといいことがありません。というのは検討過程において、できるだけインピーダンスの高いフェライトコアに巻けるだけ巻けばそれだけノイズは除去されるだろうと考えていたのですが、欲張ると発振します。特にアンプ基板電源入力部のFerrite Core2、Ferrite Core3は要注意で、ここはフェライトコアなしか、かなり控えめに入れないとてきめんに発振します。今回気がついたのですが、前回発表したECDN906088でも出力オープン時に発振していたことがわかり、いくつかの候補を検討した結果LF-35Bとなりました。参考のためFerrite Core2、Ferrite Core3にE04SR200932を入れた場合のスピーカー出力端解放時の発振波形を図5に示します。
図5.フェライトコアによる発振波形(238KHz)
フェライトコアはこれまでノイズに効くおまじないくらいにしか考えていなかったので、発振を起こすほどに効果が強いとは思いませんでした。高域における電源のインピーダンスが高くなったことによる発振です。今回はフェライトコアのインピーダンスが低いもの(効きが弱いもの)を選定して解決しましたが、他にもたとえば、
①アンプ基板に大容量のケミコンを載せて電源インピーダンスを下げる
②アンプの帯域を制限する
などの対策も考えられます。
スイッチング電源出口のFerrite Core1はインピーダンスが高いE04SR200932に2Tと欲張りましたが、こちらはそのあとに5600uFの大容量ケミコンが控えているためか安定しています。
またおまじないのつもりでスピーカー出力にもフェライトコアを入れる実験をしましたが、これも発振しました。
今回の教訓は
漢方薬とフェライトコア、あなどりがたし
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