電流・電圧駆動の音圧特性比較
miniDSPのマイクが届いたので、電流アンプと電圧アンプのスピーカー音圧特性を測ってみました。
電圧アンプは25年前に作った初期金田式アンプもどき、電流アンプは最近紹介している無帰還アンプです。スピーカーはAuratone 5c(昨日三土会で鳴らしたもの)、測定位置はスピーカ軸上10㎝です。
図1.音圧特性比較(上:電圧駆動 下:電流駆動)
上の電圧駆動では素直なオーラトーンの特徴ですが、下の電流駆動した特性をどう見るかですね。高域は不自然さはなく、改善されているという見方ができると思います。問題は200Hz付近の持ち上がりをどう見るかです。これは人によって、ジャンルによって、目的によってちがうかもしれませんね。
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コメント
いわい@群馬 です.
貴重な測定嬉しく思います.
で 駆動"電流" が大変気になり 観測してみたくなりました.
"例の合宿"に電流クランプと一式持ち込みたいと思います,
可能でしたら 電流と電圧 各アンプ持ち込めますか 勝手を言ってすみません.
tezukuri-private@seri.gr.jp
kkwhx119@yahoo.co.jp
投稿: いわい@群馬 | 2016年4月24日 (日) 14時21分
いわいさん
合宿たのしみですね。合宿には無帰還電流アンプと新作の無帰還電圧アンプの2台を持って行こうと思います。いかがでしょうか。
のちほど金田アンプと無帰還電流アンプと無帰還電圧アンプのAuratoneによる音圧特性をアップする予定です。
肥後@中野
投稿: DJ HIGO | 2016年4月24日 (日) 19時38分
イヤフォンの周波数特性vs駆動方式の関係を調べていた際、このHPを見つけました。
音響特性を実測できる環境をお持ちなんですね。素晴らしい!というか羨ましい。
特性のチャートを見て思わず次の様なことを想像してしまいました。(私の悪い癖です。)
電圧駆動で高域(18kH付近)が低下したのは、スピーカが持つL成分の影響で負荷のインピーダンスが上昇したため。
・電圧駆動なので電流が減り、供給される電力が低下した。電流駆動であれば電流の低下は起きない。
電流駆動で低域(200Hz付近)が上昇したのは、スピーカの低域特性を良くするための工夫が影響している。(複数の要素による機械的な共振周波数が200Hz付近に存在している。)
・共振の結果インピーダンスが高くなりスピーカの端子電圧が上昇、より大きな電力が加わることになった。
・電圧駆動の場合、この機械的な共振がなければ200Hz付近の音圧はもっと低くなっていた。
・「低域特性を良くするための工夫」とは、スピーカコーンの重量や支持体の弾性、バスレフ構造のこと。
4年も前の記事につまらないコメントをしてしまい申し訳ありません。
--以上--
投稿: Kiyoshi | 2020年4月18日 (土) 10時01分
Kiyoshiさん
コメントありがとうございます。
この記事の音響特性はminiDSP UMIK-1という測定用マイクで測定しました。
ふだんは3000円ほどのダイナミックマイクパソコンのサウンドカードにつないで、
フリーソフトのwavegeneとwavespectraを使って測定しています。
スピーカーを電流駆動したときの挙動についてはご指摘のとおりで、
わたしは自宅でauratone5Cというフルレンジスピーカーを使っていますが、
このような小型のスピーカーで、部屋で音楽を聴くような場合は低域、高域を
少し持ち上げる、いわゆるラウドネス補正のような状態で聴くと、音楽の表情が
豊かになるので、結果的に電流駆動するのが良いようです。
スピーカーも含めて多くのいわゆる「制御系」は質量がバネとダンパーで
吊されている構造になっているので、1次共振(いわゆるf0)と、
スピーカーの場合はインダクタなので高域でインピーダンスが上昇します。
これを電流駆動すればインピーダンス上昇にかかわらず入力に比例した電流で
駆動しますから、結果としてf0付近と高域で音圧が上がることになります。
もっともスピーカーやヘッドホンは、電圧駆動前提で設計されていますから、
それを電流駆動すること是非については個人の自由ということになります。
電流駆動ヘッドホンアンプの製作記事も書いていますので、よかったら参考にしてください。
http://dj-higo.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-7caf.html
投稿: DJ HIGO | 2020年4月18日 (土) 14時01分