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2014年3月 5日 (水)

ブックレビュー 「二重洗脳―依存症の謎を解く 」 磯村 毅

ぼくがタバコをやめたのが2007年(だったかな…?)お酒をやめたのが2010年。
この2つは依存性嗜好品の代表格ですね。
この2つをやめる過程で、そもそも依存とは何かということを調べていて出会った本です。
依存とは、行為や体験によって脳内に快感物質(いわゆる脳汁?)が分泌されて快感を感じることを過度に渇望するあまり、
その行為や体験にハマり、耐性ができるためさらに強い刺激を求めて欲望がエスカレートしていく、というようなことです。
依存が形成される過程で、強力な要因となっているのが二重洗脳だといいます。
二重洗脳とは、簡単に言うと飴とムチのことで、たとえば、

①薬物の場合
摂取をのぞむ渇望感と、摂取した時の快感

②宗教の場合
カルマ論やバチが当たるなどといった脅しと、信仰やお布施へのご褒美

③女の場合
ツンツンされる不安感と、デレデレされる安堵感(いわゆるツンデレ)

④暴力男の場合
暴力をふるわれる恐怖感と、たまに優しくされる快感

⑤ギャンブルの場合
当たらない我慢の時間と、当たった時の快感

など、とにかく我慢、忍耐、恐怖といったものと、それに耐えた時の報酬がセットになっているようなものには、ほとんど依存性があるということです。
上記に挙げた例は、そのすべてが依存の原理を巧みに利用して、相手を虜にするという方法になっています。
そして、これらの原理を理解すれば依存を利用して人を支配することもできてしまいます。
そしてまた、依存の最も恐ろしいことは、快感に対する耐性ができてしまうことです。
タバコやお酒、薬物あるいは何かの行為などに強く依存している場合、快感に対する耐性が形成されます。するとどうなるか?
依存のない人が日常感じるささやかな快感、たとえば、
気持ちのいい朝だ、虹が出ててうれしい、花が咲いてうれしい、ごはんがおいしい、
夕日がきれい、きれいな景色だ、なんていい曲だろう…etc
こういうささやかな喜びに対して不感症状態になってしまいます。
そう考えると、喫煙者とか酒量が多い人って、ふだんなんとなく不機嫌そうな人が多いような気がしませんか?
日常のささやかな幸せが奪われるということは、おそらく思っている以上にもったいないことですし、
さらに恐ろしいことに、その延長上にうつや自殺などといったこともあるといいます。
この本はそういった、依存の原理、恐ろしさなどを学習し、「気づき」を与えることで依存から抜け出すことを目標に書かれています。

タバコをやめたい人、お酒をやめたい人、ほかの何かの依存から抜け出したい人、
依存によって人をコントロールしたい人におすすめです。(最後のは冗談です)

二重洗脳―依存症の謎を解く



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