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2014年3月

2014年3月22日 (土)

サウンドカード内臓ミキサーBEHRINGER XENYX 302USB

きょうはサウンドカード内臓ミキサーBEHRINGER XENYX 302USBと、その他に使っているサウンドインターフェイスの測定と比較についての話題をお送りします。

3/21(金)春分の日のプレイリストはこちら

パソコンを使ってDJをする場合は、パソコンとサウンドカード、ヘッドホン、ケーブル類を持っていけばいいので身軽なのですが、たとえば公民館のような施設でパーティーを行う場合はDJミキサーなどはなく、設備のアンプにパソコンを直結するなどのケースが多々あります。
もちろんつなぐことさえできればプレイはできますが、音量やトーンコントロールはパソコンのDJソフトで行うよりも、現物のミキサーのツマミで行うほうが格段に操作性はいいですし、間違いも少なくなります。
DJコントローラーと呼ばれる操作パネルを使えば問題はないのですが、大げさすぎて荷物が増えるという欠点があります。
そこで、外付けの小さなサウンドユニットにボリュームとトーンコントロールがついているようなシンプルなものがないものかと探したところ、ありました!!

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ベリンガー製サウンドインターフェイス内臓3チャンネルミキサー XENYX 302USBです。
USB/LINEとマイク、プレーヤーの3系統が接続可能です。マイクは15Vファンタム対応、ASIOにも対応しています。
ベリンガーはドイツの音響機器メーカーで、とても安い製品が多いのでバカにする人もいるのですが、この会社は「2倍の性能を半分の価格で!」という経営方針のもと安く良い製品を世に出しているありがたいメーカーです。実際のところ値段に見合わない出来のよさと性能をもった製品が多く、ぼくも好きなメーカーのひとつです。
この製品はなんとアマゾンで3460円でした
(開発した人は泣いちゃうよ)。でもしっかりした作りで、シャシーは鉄でできているのでずっしりしていて、ケーブルに引きずられるようなこともないと思います。

そうはいっても、現場で使う以上は事前の評価は必要です。

そこで今回はこのミキサーの評価と、ついでに手持ちのサウンドカードの測定をしましたので報告します。
サウンドカードの測定比較は以前にも報告したことがありますが、今回はいくつか新しいアイテムもありますので、あらためてお送りします。

まずは結論から。測定結果を表1に示します。
測定条件は、DJに使用しているノートパソコンASUS X202E(WindowsXP SP3)に測定対象のサウンドカードを接続し、フリーのジェネレータソフトWaveGeneを使用して、1KHzのサイン波を0dB(フルビット)で出力し、まずこれをアンプに出力してクリップしていないことを耳で確認して、アンプをつないだ状態でテスターで出力レベルを測定します。テスターはこんな感じです。

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Photo_4

今回購入したXENYX 302USBは表の上から2番目に記載してあります。
ゲイン調整付きのミキサーですので、出力が際立って大きく取れるのが特徴で、接続先の機器のインピーダンスが高ければ8V以上、比較的低いものでも2V程度の出力が確保できますので十分ですね。ちなみにCDプレーヤの出力は2V前後のものが多いので、出力2Vというのが一つの目安となります。
今回の測定では、オーディオアンプ(入力インピーダンス90kΩ)とサウンドカードの入力(入力インピーダンス13kΩ)に接続した場合のそれぞれの条件で測定しましたので、現場でどんな機器が使われていてもおおむねこの範囲に入ると思います。

高調波歪率、S/N、周波数特性(f 特)は、測定対象のサウンドカードの出力をデスクトップパソコン(Core i7、Sound Blaster X-Fi)のAUXに入力し、フリーのFFTソフトWavespectraを使用して測定しました。生データは次の通り。

302usb
図1.
XENYX 302USB測定結果

高調波歪率(THD)とS/Nが画面の左側に表示されています。
次に、周波数特性です。

302usb_fr
図2.
XENYX 302USB周波数特性

周波数特性はホワイトノイズを再生して、これをWavespectraで取り込んで表示します。20~20KHzにわたってフラットであることがわかります。

ミキサー付きですから、他のサウンドカードに比べてどうしても歪率やS/Nでは不利になりますが、聴覚上問題のないレベルです。しかもこの値段ですから、一台持っていると重宝すると思います。



ところで、以前からサウンドカードを使用する際に、WindowsXPが自動認識する汎用のデバイスドライバと、メーカーがリリースしている製品専用のデバイスドライバで出力レベルに差があるということがあって、汎用のデバドラのほうが出力が大きいのであえてドライバの更新を行わないで使うということにしています。今回もデバイスドライバによる出力の違いを測定しましたので、表2に示します。

Photo

このように汎用デバドラのほうが出力が大きく出るものがあるので、今回の測定はノートPC内臓のRealtek以外はすべて汎用デバドラで行いました。


さて、今回測定したそのほかのサウンドカードの測定結果を紹介します。

まずは一番のお気に入りでいつも使っているSound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHDです。
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このサウンドカードはぼくが持っている中では音質がいちばん優れています。音が澄んでいて、大音量で鳴らしてもそれほど大きい音に聞こえないのです。
これはどうしてかというと、特性が優れているということはまず歪が少なく、次にノイズが少ないということです。そうすると耳障りな音が出にくいわけですね。表1の測定結果でも、歪率0.0018%、S/N79dBと、今回測定した中では非常に優秀です。耳で聴いた印象と測定結果が一致しました。
出力も2Vと大きく使いやすいです。

生データは次の通りです。

Sb_phd
図3.Premium HD SB-DM-PHD測定結果

周波数特性は問題なかったので省略します。

アマゾン
Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD



つぎはベリンガーのUCA222です。
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このサウンドカードは小型低価格でありながらASIOに対応しています。出力が1Vと小さめなのが残念ですが、歪率、S/N、周波数特性のどれも全く問題ありません。生データは省略。

アマゾン
BEHRINGER UCA222


次はUSBメモリーのような超小型のSound Blaster Play!です。
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これはなにしろ小さくて邪魔にならないので、非常用に一個持っておくと便利ですが、性能がちょっと残念です。表1に示した通り、出力が0.6Vと小さく、S/Nも悪いです。また周波数特性も今回測定した中で唯一問題がありました。

Play
図4.Sound Blaster Play!測定結果

まずノイズフロアがすごいですね。それでも実際に音を聴いてみるとこの特性の見た目ほどはひどくはありません。ただ、本体が振動を拾ってそれがノイズとして乗るという現象が出るので、やはりあまり積極的にお勧めできるものではありません。
また問題のあった周波数特性は次の通り。

Play_fr

図5.Sound Blaster Play!周波数特性

今回測定した中で唯一、20KHz手前で特性が落ち始めています。
カップリングコンデンサの質がわるいのかもしれません。

アマゾン
Creative USBオーディオ Sound Blaster Play! SB-PLAY


最後に参考測定した、ノートPC ASUS X202E内臓のRealtekサウンドです。
表1に示しましたが、歪率とS/Nがもっともすぐれています。これには驚きました。
これはノートPCのヘッドホン端子のデバイスなので、いつもはモニター用にしか使っていません。
ただ、優れているとはいっても出力レベルが0.8Vと小さく、これはお気に入りのPremium HD SB-DM-PHDと比べたらおよそ-8dBですから、総合的にはPremium HD SB-DM-PHDのほうが優れていると思います。
生データと周波数特性は問題がないので省略します。


今回の測定結果は以上ですが、いかがでしたでしょうか。
耳だけを頼りに音の良しあしを論じても、それは主観的な感想にしかすぎず、らちがあきません。聴感上の違いが必ず数値化できるか?といえばできないこともあるかもしれませんが、理詰めで考え、極力数値化する努力をしないと、技術的な議論にはならないのです。
今回は、お気に入りのPremium HD SB-DM-PHDの優秀さが数値的にも実証されたのでよかったと思います。

優れたフリーソフト、Wavespectra、Wavegeneを提供してくださるefuさん に大感謝です。

DJ HIGO

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2014年3月18日 (火)

ブックレビュー 「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 」 夏井睦

夏井先生は湿潤療法の第一人者であり、前回紹介した糖質制限食の江部先生と意気投合して共著書も出ています。

医療の巨大転換(パラダイム・シフト)を加速する―糖質制限食と湿潤療法のインパクト


湿潤療法とは、傷や火傷の新しい治療法で、そのやり方は、

①傷口は消毒しないで水でよく洗い流す
②水分を拭き取ってから患部にワセリンを塗り、絆創膏かラップで巻く
③日に1~2回患部を水で洗い流し、上の処置をする

従来、傷の治し方は、傷口を消毒して乾燥させるというものでしたが、これが大間違いだというのです。
まず消毒してはいけない理由は、

・消毒薬によって表面の雑菌は洗い流せるものの殺菌はできない(菌は休眠状態になるだけ)
・消毒薬によって傷口のタンパク質が変性するため、痛む上に傷の治りが遅くなる

殺菌ができない以上、ただの水で雑菌を洗い流すことで同じ効果が得られるうえ、水ならば痛くないし、タンパク質変性も起こらないため無害です。
(タンパク質の変性とは、肉を焼いたり、卵を茹でたりしたときに変質するアレです)

そして乾燥させてはいけない理由は、

・傷口からにじみ出る体液(滲出液)は治療液であり、滲出液によって細胞が再生される

つまり、水で洗って、乾燥しないようにワセリンを塗ってラップで巻いてジュクジュクさせておけば、早くきれいに治るというわけなのです。
ただし、日に1~2度は洗って交換しないと化膿したりしますので、これは注意が必要です。

この本で紹介されていますが、たとえば大腸の外科手術をしたときに、大腸の傷口は消毒しないし、縫合した傷口の上をウンコが通過するのになぜ感染や化膿が起こらないのか?
ということをこれまで疑問に思っていなかったのはおかしなことだったとしています。

体はモノの流れが正常ならば免疫力が働いて感染や化膿はしないようにできているそうです。
問題なのは流れがよどんでいる場合。たとえばウンコが通過せずに傷口にとどまればたちまち感染が起こります。

なので、この湿潤療法においても、日に1~2回患部を水洗いして処置をし直すことが重要なのです。

流れがよどんでいるとよくない、というのは風水にも通じて興味深いですね。

火傷についても湿潤療法は非常に有用で、同じように患部を洗ってワセリンを塗ってラップで巻いておけば痛みもなく早くきれいに治るそうです。

重度の火傷では、病院では皮膚移植を行うことがありますが、適切に湿潤療法を行えば皮膚移植も不要で、はるかに負担も少なく早く簡単に治療できるようです。
皮膚移植手術は保険点数が高いうえに手術は比較的かんたんに行えるので、効果よりも金儲け主義の治療法だと批判しています。

ただし、傷が深かったり異物が入りこんだりしている場合は医者に行かないといけません。


この時期は手指にささくれやあかぎれ、さかむけができやすいですよね。
ちょっと多めにワセリン(または馬油)を塗って絆創膏を貼っておくと、2~3日できれいに治りますよ。
湿潤療法の効果が簡単に実感できますのでやってみてはいかがでしょうか。

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

湿潤療法を応用したバンドエイドも発売されています。

バンドエイド キズパワーパッド


さて、今週末の3/21(金)春分の日はカレーサルサパーティー@中野SUBHAです。
おいしいカレー食べ放題、ALL DJ TIMEのSALSAパーティーです。
ぜひぜひ遊びに来てくださいね。お待ちしております♪

SUBHA SALSAアンケート結果はこちらです。
ご協力ありがとうございました。

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2014年3月14日 (金)

SUBHA SALSAアンケート1 結果発表

アンケートにご協力いただきましてありがとうございました。

今回のアンケートでわかったことは、カレーサルサに来ていただいている方々は、SALSA経験が3~6年年を中心に6年以上、1~3年と、ベテラン勢がかなり多く、踊りに行く頻度もおおむね週に2回以上、意外だったのは公民館全盛の状況下クラブ好きの人が多かったことです。うれしく思うのは選曲・音質重視の人が多かったということ、そして選曲・音質についてはおおむね満足していただいているということで、これはぼくがいちばん大事にしていることです。
全体のグラフは次の通りです。(クリックで別窓拡大)

Subhar_2

いただいたご意見をご紹介します。(主なご意見を抜粋)

まずはお食事関係のご意見から。
「美味しいけど、実は違うメニューも食べてみたい。」
「飲み放題だったら最高かな」
「1食で2Dr付きがいい」
「踊る前にそんなに食べられないので、食べ放題じゃなくてもいいかなと思います」
「一人ワンプレート限定でもいいかなあ」
「メニューから選べますか?」

メニューについてはお店と相談してみたいと思います。
ただ、やはりバイキング形式で食べ放題という方法での価格設定ですので、個別にメニュー対応にしてしまうと少し高くなってしまうかもしれません。


「男5人、女5人位、コンスタントに来てくれると良いですね。」
そうなんです。バランスが悪かったり、集まりが悪かったりとぼくの努力不足でご期待に添えないことがありました。上のアンケートでも「来ている人」を重視しているという意見が多かったですね。今後改善していきたいと思います。

「ミニレッスンをやったら?」
ぼくでよければやりますよ。その日のワンポイント振付とか、入門レッスンで15分~30分くらいでしょうか。検討します。

「djやってみたい。微かな夢。」
苦悩しますよ。うつになるかも。DJって難しい顔した人が多いでしょう?
っていうのは半分冗談だとしても、たとえば一回だけのDJなら大好きな曲を30曲選ぶことができます。
でもこれが毎月何回もやるようになるとマンネリにならないように考えるのに一苦労なんです。

「ブログの記事をもっと読みたい」
ありがとうございます。ネタを見つけて書いていきたいと思います。

「プレイリストいつも楽しみにしています」
ありがとうございます。
プレイリストはリンクよりもちょっとした曲紹介の文章を考えるのがなかなか…
それと、プレイリストを公開してしまうと使いまわしができないんですよ(笑)毎回、前回と違ったものにしたいと思うのでそこが苦労なのです。

「気軽でお洒落なソーシャルがあればいいんだけれど。」
ぼくも激しくそう思います。キラキラした、ちょっとおしゃれしていきたいような夜遊び感がほしいですね。 そういうお店があれば遊びに行きたいです。 最近は、ライブも飲食もパフォ(サルサ以外?)もDJも楽しめる五感サルサイベントがいいなあ、と思ってます。欲を言えば、ちょい静かな語らいのソファルームもあれば最高ですね。
ぼくが社長になるまで待っていてもらえますか?

「世間のサルサ熱はまだ下がってないのでしょうか?サルサ120%がかなり薄くなり、バンドの来日も少なくなってきているようです。」
正直なところ以前に比べると下がり気味のような気がします。
まず古くからいるベテランがかなりレベルを上げている反面、入門者が減っているような印象がしますね。
また、サルサ文化が成熟する前に薄利多売のような感じになってしまっていますから、いろんな意味でサルサ文化の質を下げないようにすることが大事だと思います。

今回は思いのほか貴重なご意見をたくさんいただいて、とても参考になりました。
次回3/21(金)のカレーサルサパーティー@中野SUBHA後に、こんどはさらに具体的なご意見をうかがうべく、アンケート第二弾をお願いするかもしれません。
よりたくさんの方々に遊びに来ていただくため、開催曜日の見直しから、みなさんのパフォーマンスに対する考え方や、かけてほしい曲などのアンケートを予定しています。
ご協力をお願いします


今回はアンケート第一弾ありがとうございました。
次回のカレーサルサパーティー@中野SUBHAは3/21(金)春分の日です。
みなさまにお会いできることを楽しみにしています♪

DJ HIGO

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2014年3月11日 (火)

ブックレビュー 「ヒトはなぜ太るのか?」 ゲーリー・トーベス

サルサに関するアンケート実施中です。
ぜひご協力をお願いします。


この本のお話は昨年の6月ごろからフェイスブックなどで時々書いてきました。
ぼく自身この本の内容に興味をもち、昨年6月ごろより実践しています。

まず、ズバリ結論から書くと、

太る原因はただ一つ。炭水化物の摂取。これだけです。

(この文章では炭水化物=糖質とします)

では、これまでのダイエットの基本であった、カロリー制限、運動はどうなのか。

どちらも(長期的には)効果なし。

びっくりしますね。
しかも必須炭水化物などというものはないので、炭水化物を一切食べなくても全く問題はないのです。ここでいう炭水化物とは、米、麺類、パン類など、従来主食といわれているもの、芋類、糖類が入った甘いものすべて、それに甘い果物です。
逆に食べていいものは、
肉、魚、脂、卵、チーズ。これらはいくら食べてもOKです。
豆腐、納豆、ヨーグルト、ナッツ類などは、いくらでもとは言えませんが問題のないレベルです。

また、炭水化物をやめる場合に意識的に摂ったほうが良いものは、
葉物野菜(食物繊維による便秘の解消)、ビタミンCです。

さて、結論だけ先に書いてしまいましたが、本の内容について紹介します。

まず、世界的な調査によれば、貧困層ほど肥満が多いという実情があります。
それはなぜかというと、貧困層ほど炭水化物つまり主食(粉もの)の食事に占める割合が高いからです。
では、なぜ炭水化物が多いと太るのか。理屈はこうです。

①炭水化物を摂取する
②血糖値が上がる
③インスリンが出る
④血糖を回収してグリコーゲンや脂肪として蓄える

ということが起こるため、太るわけです。
つまり、血糖値を上げなければ肥満は起こらないわけで、しかも血糖値を上げるのは炭水化物だけなのです。

では、炭水化物を摂らない生活ではどのような状態かというと、常に脂肪を燃焼するというモードになるわけです。

さて、脂肪を燃焼するモードに入るとどうなるかというと、代謝が上がります。

これは原理的にもそうですし、ぼくも9か月続けていて実感があるのですが、代謝が上がることによって、次のようになりました。

・やせた
・体温が上がった
・冷え性が治った
・肌の調子が良くなった(冬も肌荒れがなくなった)
・髪が濃くなり、白髪が目立たなくなった
・爪や髪が伸びる速さが速くなった
・高血圧が大幅に改善した(内臓脂肪が減ったことによる効果)

つまり、肥満解消だけでなく、アンチエイジングの効果が強く出ます。

この本はアメリカで書かれた本ですが、同じく炭水化物(糖質)を制限する食事について研究している人が日本にもいます。
その第一人者がドクター江部こと江部康二先生です。
江部先生はご自身が糖尿病に罹患され、その治療の目的で炭水化物をほとんど食べない「糖質制限食」を実践、研究されており、著書も多数あります。

江部先生によれば、本来人類は肉食動物であり、糖質を主食としていることがそもそも間違っているとしています。
その根拠は、人類がサルから分かれておよそ400万年の間、狩猟採集生活をしてきており、その食生活は肉食だったわけです。
およそ1万年前に、おそらく食糧問題が起こってきたため農耕を始め、ここから初めて炭水化物を食べ始めたと考えています。
つまり、人類が炭水化物を食べ始めたのは歴史上ごく最近のことで、人類はまだ、炭水化物を食べることに適応できていないのではないか?ということです。

また、さらに考察を進め、現在問題になっている生活習慣病、

・肥満
・糖尿病
・心臓病
・高血圧
・がん

なども、炭水化物を減らすかやめることで解決する可能性が高いとしています。
上記の上から4つは肥満と深くかかわりがあるため、糖質制限による改善は理解しやすいと思いますが、がんについてはどうでしょうか。

まず、がんは体温が下がると発生しやすくなります。体温が35度程度まで下がると、かなり発生しやすくなるそうです。
炭水化物を制限することで代謝が上がると体温が上がりますから、まず体温を改善することでがん発生率が下がります。

また、発生してしまったがん細胞についても効果があるといいます。
がん細胞が栄養として使えるのはただ一つブドウ糖だけあり、人間は糖質制限をすることでブドウ糖のかわりにケトン体を燃料として活動することが可能なので、炭水化物を制限してブドウ糖の生成を抑えればがんを抑制できる可能性があるということなのです。

ほかにも炭水化物を制限することで、健康上のいろいろな効果があるようで、たとえば次のように検索することで、実例がヒットします。

ドクター江部 血圧
ドクター江部 白髪

ほかにもいろいろな健康上の症例を〇〇として 「ドクター江部  〇〇」で検索すると、多くのヒットがみつかります。
糖質制限(=炭水化物制限)は肥満の解消だけではなく、とても多くの改善効果がわかってきているようです。

そうはいってもいきなり炭水化物を全部やめるのは難しいかもしれませんね。そういう場合は、まずは昼食でご飯を抜いておかずだけにしてみる、慣れてきたら夕食もご飯抜き…という具合に徐々に始めるといいかもしれません。


ヒトはなぜ太るのか?

関連図書としてドクター江部の本も紹介しておきます。

医療の巨大転換(パラダイム・シフト)を加速する――糖質制限食と湿潤療法のインパクト


この本の共著者である夏井先生は、傷や火傷の最新療法である湿潤療法の第一人者です。
従来、傷は消毒して乾燥させて治療するとされてきましたが、これがまったく逆効果で、傷を早く治すには消毒せずに乾燥させないことがもっとも効果的だとする治療法、湿潤療法を確立されています。
湿潤療法関係のブックレビューは次回お送りする予定です。


普段の生活を快適に送るにも、良い仕事をこなすにも、サルサを踊るにもまずは健康ですね。


サルサに関するアンケート実施中です。
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2014年3月 8日 (土)

ブックレビュー 「がん放置療法のすすめ―患者150人の証言」 近藤誠

最近読んだ健康関連書籍を集中して紹介していますが、なかでも衝撃的だったのが近藤先生のがんシリーズです。

がんによる死亡率は年々上昇しており、いまや2人にひとりはがんに罹り、3人にひとりはがんで亡くなるなどといわれています。
なぜがんが増えているのかということはこの本の内容とは関係がないのですが、がんは生活習慣病の一種と位置づけられていることから、生活習慣ががん増加の一因になっている可能性が高く、その中でもおそらく最も要因として大きいのは食生活だと考えられます。食生活については糖質制限食に関する本を後日紹介する予定です。

さて、上記のように2人にひとりががんに罹るということであれば、もはやいつかは罹るというつもりで、罹ったらどうするか考えておくほうが建設的なのではないかとも言えます。

これまでのがん治療では、早期発見が大事で、早期発見から手術、抗がん剤治療などを施すことで助かる場合があると教えられてきました。これは、早期発見の時点で転移がなく、その時点で切り取ってしまえば治るし、もし運が悪く発見が遅れた場合は転移が発生し、もはや手術で取ることは不可能だという考えに基づくものです。

ところが著者の近藤先生はこれに異を唱えます。近藤先生によれば、

・すべてのがんは転移能力をもつ致命的な「本物のがん」か、転移能力がない「がんもどき」のどちらかである。
・がんもどきがあとから本物のがんに変化することはない。
・本物のがんは早期といわれる発見時期においてもすでに転移が始まっていて、もはや完治は不可能。
・がんもどきは放っておいても治ってしまうか、またはそれ以上成長せず害はほとんどない。
・本物のがんに対しては手術や抗がん剤治療には延命効果がなく、しかもほとんどの場合QOL(生活の質)を著しく低下させたり寿命を短縮させ、無意味。
・したがって、本物であってももどきであっても、症状がないかぎり放っておくことが最善であり、症状があってQOLが下がる場合のみ治療を検討する。
・早期発見の技術は発達しているが、死亡率は改善していない。したがって早期発見は無意味であり、発見が早い分生存期間が延びているように見せるトリックである。

(※抗がん剤は急性白血病や悪性リンパ腫などの血液系のがんや、固形がんのうち小児がん、子宮絨毛がん、睾丸腫瘍は治せる可能性があるためこれらは対象外)

これらは決して根拠なく述べられているのではなく、数多くのデータと根拠を示されています。
たとえば我々はがんとの闘いというと、壮絶な闘病生活の末に死亡するようなイメージがありますが、これは手術や抗がん剤の毒との闘いであって、がんそのものによる症状は穏やかで緩和ケアも発達しているためそれほど恐ろしいものではないそうです。

有名人ががん罹患を公表し、手術後数か月で急死などというお話がときどきありますが、ほとんどは手術や抗がん剤の毒によって「殺されている」可能性が高いということです。

がんに罹った時の最善策は上にも書いた通り、放置および様子見だそうです。
そして症状でQOLが低下した場合のみ治療、痛みが出た場合は緩和治療です。

最大にして最も困難な問題は、手術をしたがり、抗がん剤を投与したがる(=もうかる)病院からいかに逃れるか、また病院を盲信する家族をいかに説得するか、ということのようです。
また、早期発見をされてしまわないように、健康診断などは受けないほうが良いとも書かれています。
これには驚きました。

がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書)




関連書籍

抗がん剤だけはやめなさい (文春文庫)

医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法

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2014年3月 5日 (水)

ブックレビュー 「二重洗脳―依存症の謎を解く 」 磯村 毅

ぼくがタバコをやめたのが2007年(だったかな…?)お酒をやめたのが2010年。
この2つは依存性嗜好品の代表格ですね。
この2つをやめる過程で、そもそも依存とは何かということを調べていて出会った本です。
依存とは、行為や体験によって脳内に快感物質(いわゆる脳汁?)が分泌されて快感を感じることを過度に渇望するあまり、
その行為や体験にハマり、耐性ができるためさらに強い刺激を求めて欲望がエスカレートしていく、というようなことです。
依存が形成される過程で、強力な要因となっているのが二重洗脳だといいます。
二重洗脳とは、簡単に言うと飴とムチのことで、たとえば、

①薬物の場合
摂取をのぞむ渇望感と、摂取した時の快感

②宗教の場合
カルマ論やバチが当たるなどといった脅しと、信仰やお布施へのご褒美

③女の場合
ツンツンされる不安感と、デレデレされる安堵感(いわゆるツンデレ)

④暴力男の場合
暴力をふるわれる恐怖感と、たまに優しくされる快感

⑤ギャンブルの場合
当たらない我慢の時間と、当たった時の快感

など、とにかく我慢、忍耐、恐怖といったものと、それに耐えた時の報酬がセットになっているようなものには、ほとんど依存性があるということです。
上記に挙げた例は、そのすべてが依存の原理を巧みに利用して、相手を虜にするという方法になっています。
そして、これらの原理を理解すれば依存を利用して人を支配することもできてしまいます。
そしてまた、依存の最も恐ろしいことは、快感に対する耐性ができてしまうことです。
タバコやお酒、薬物あるいは何かの行為などに強く依存している場合、快感に対する耐性が形成されます。するとどうなるか?
依存のない人が日常感じるささやかな快感、たとえば、
気持ちのいい朝だ、虹が出ててうれしい、花が咲いてうれしい、ごはんがおいしい、
夕日がきれい、きれいな景色だ、なんていい曲だろう…etc
こういうささやかな喜びに対して不感症状態になってしまいます。
そう考えると、喫煙者とか酒量が多い人って、ふだんなんとなく不機嫌そうな人が多いような気がしませんか?
日常のささやかな幸せが奪われるということは、おそらく思っている以上にもったいないことですし、
さらに恐ろしいことに、その延長上にうつや自殺などといったこともあるといいます。
この本はそういった、依存の原理、恐ろしさなどを学習し、「気づき」を与えることで依存から抜け出すことを目標に書かれています。

タバコをやめたい人、お酒をやめたい人、ほかの何かの依存から抜け出したい人、
依存によって人をコントロールしたい人におすすめです。(最後のは冗談です)

二重洗脳―依存症の謎を解く



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