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2014年3月22日 (土)

サウンドカード内臓ミキサーBEHRINGER XENYX 302USB

きょうはサウンドカード内臓ミキサーBEHRINGER XENYX 302USBと、その他に使っているサウンドインターフェイスの測定と比較についての話題をお送りします。

3/21(金)春分の日のプレイリストはこちら

パソコンを使ってDJをする場合は、パソコンとサウンドカード、ヘッドホン、ケーブル類を持っていけばいいので身軽なのですが、たとえば公民館のような施設でパーティーを行う場合はDJミキサーなどはなく、設備のアンプにパソコンを直結するなどのケースが多々あります。
もちろんつなぐことさえできればプレイはできますが、音量やトーンコントロールはパソコンのDJソフトで行うよりも、現物のミキサーのツマミで行うほうが格段に操作性はいいですし、間違いも少なくなります。
DJコントローラーと呼ばれる操作パネルを使えば問題はないのですが、大げさすぎて荷物が増えるという欠点があります。
そこで、外付けの小さなサウンドユニットにボリュームとトーンコントロールがついているようなシンプルなものがないものかと探したところ、ありました!!

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ベリンガー製サウンドインターフェイス内臓3チャンネルミキサー XENYX 302USBです。
USB/LINEとマイク、プレーヤーの3系統が接続可能です。マイクは15Vファンタム対応、ASIOにも対応しています。
ベリンガーはドイツの音響機器メーカーで、とても安い製品が多いのでバカにする人もいるのですが、この会社は「2倍の性能を半分の価格で!」という経営方針のもと安く良い製品を世に出しているありがたいメーカーです。実際のところ値段に見合わない出来のよさと性能をもった製品が多く、ぼくも好きなメーカーのひとつです。
この製品はなんとアマゾンで3460円でした
(開発した人は泣いちゃうよ)。でもしっかりした作りで、シャシーは鉄でできているのでずっしりしていて、ケーブルに引きずられるようなこともないと思います。

そうはいっても、現場で使う以上は事前の評価は必要です。

そこで今回はこのミキサーの評価と、ついでに手持ちのサウンドカードの測定をしましたので報告します。
サウンドカードの測定比較は以前にも報告したことがありますが、今回はいくつか新しいアイテムもありますので、あらためてお送りします。

まずは結論から。測定結果を表1に示します。
測定条件は、DJに使用しているノートパソコンASUS X202E(WindowsXP SP3)に測定対象のサウンドカードを接続し、フリーのジェネレータソフトWaveGeneを使用して、1KHzのサイン波を0dB(フルビット)で出力し、まずこれをアンプに出力してクリップしていないことを耳で確認して、アンプをつないだ状態でテスターで出力レベルを測定します。テスターはこんな感じです。

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今回購入したXENYX 302USBは表の上から2番目に記載してあります。
ゲイン調整付きのミキサーですので、出力が際立って大きく取れるのが特徴で、接続先の機器のインピーダンスが高ければ8V以上、比較的低いものでも2V程度の出力が確保できますので十分ですね。ちなみにCDプレーヤの出力は2V前後のものが多いので、出力2Vというのが一つの目安となります。
今回の測定では、オーディオアンプ(入力インピーダンス90kΩ)とサウンドカードの入力(入力インピーダンス13kΩ)に接続した場合のそれぞれの条件で測定しましたので、現場でどんな機器が使われていてもおおむねこの範囲に入ると思います。

高調波歪率、S/N、周波数特性(f 特)は、測定対象のサウンドカードの出力をデスクトップパソコン(Core i7、Sound Blaster X-Fi)のAUXに入力し、フリーのFFTソフトWavespectraを使用して測定しました。生データは次の通り。

302usb
図1.
XENYX 302USB測定結果

高調波歪率(THD)とS/Nが画面の左側に表示されています。
次に、周波数特性です。

302usb_fr
図2.
XENYX 302USB周波数特性

周波数特性はホワイトノイズを再生して、これをWavespectraで取り込んで表示します。20~20KHzにわたってフラットであることがわかります。

ミキサー付きですから、他のサウンドカードに比べてどうしても歪率やS/Nでは不利になりますが、聴覚上問題のないレベルです。しかもこの値段ですから、一台持っていると重宝すると思います。



ところで、以前からサウンドカードを使用する際に、WindowsXPが自動認識する汎用のデバイスドライバと、メーカーがリリースしている製品専用のデバイスドライバで出力レベルに差があるということがあって、汎用のデバドラのほうが出力が大きいのであえてドライバの更新を行わないで使うということにしています。今回もデバイスドライバによる出力の違いを測定しましたので、表2に示します。

Photo

このように汎用デバドラのほうが出力が大きく出るものがあるので、今回の測定はノートPC内臓のRealtek以外はすべて汎用デバドラで行いました。


さて、今回測定したそのほかのサウンドカードの測定結果を紹介します。

まずは一番のお気に入りでいつも使っているSound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHDです。
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このサウンドカードはぼくが持っている中では音質がいちばん優れています。音が澄んでいて、大音量で鳴らしてもそれほど大きい音に聞こえないのです。
これはどうしてかというと、特性が優れているということはまず歪が少なく、次にノイズが少ないということです。そうすると耳障りな音が出にくいわけですね。表1の測定結果でも、歪率0.0018%、S/N79dBと、今回測定した中では非常に優秀です。耳で聴いた印象と測定結果が一致しました。
出力も2Vと大きく使いやすいです。

生データは次の通りです。

Sb_phd
図3.Premium HD SB-DM-PHD測定結果

周波数特性は問題なかったので省略します。

アマゾン
Creative USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD



つぎはベリンガーのUCA222です。
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このサウンドカードは小型低価格でありながらASIOに対応しています。出力が1Vと小さめなのが残念ですが、歪率、S/N、周波数特性のどれも全く問題ありません。生データは省略。

アマゾン
BEHRINGER UCA222


次はUSBメモリーのような超小型のSound Blaster Play!です。
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これはなにしろ小さくて邪魔にならないので、非常用に一個持っておくと便利ですが、性能がちょっと残念です。表1に示した通り、出力が0.6Vと小さく、S/Nも悪いです。また周波数特性も今回測定した中で唯一問題がありました。

Play
図4.Sound Blaster Play!測定結果

まずノイズフロアがすごいですね。それでも実際に音を聴いてみるとこの特性の見た目ほどはひどくはありません。ただ、本体が振動を拾ってそれがノイズとして乗るという現象が出るので、やはりあまり積極的にお勧めできるものではありません。
また問題のあった周波数特性は次の通り。

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図5.Sound Blaster Play!周波数特性

今回測定した中で唯一、20KHz手前で特性が落ち始めています。
カップリングコンデンサの質がわるいのかもしれません。

アマゾン
Creative USBオーディオ Sound Blaster Play! SB-PLAY


最後に参考測定した、ノートPC ASUS X202E内臓のRealtekサウンドです。
表1に示しましたが、歪率とS/Nがもっともすぐれています。これには驚きました。
これはノートPCのヘッドホン端子のデバイスなので、いつもはモニター用にしか使っていません。
ただ、優れているとはいっても出力レベルが0.8Vと小さく、これはお気に入りのPremium HD SB-DM-PHDと比べたらおよそ-8dBですから、総合的にはPremium HD SB-DM-PHDのほうが優れていると思います。
生データと周波数特性は問題がないので省略します。


今回の測定結果は以上ですが、いかがでしたでしょうか。
耳だけを頼りに音の良しあしを論じても、それは主観的な感想にしかすぎず、らちがあきません。聴感上の違いが必ず数値化できるか?といえばできないこともあるかもしれませんが、理詰めで考え、極力数値化する努力をしないと、技術的な議論にはならないのです。
今回は、お気に入りのPremium HD SB-DM-PHDの優秀さが数値的にも実証されたのでよかったと思います。

優れたフリーソフト、Wavespectra、Wavegeneを提供してくださるefuさん に大感謝です。

DJ HIGO

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