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2014年3月 8日 (土)

ブックレビュー 「がん放置療法のすすめ―患者150人の証言」 近藤誠

最近読んだ健康関連書籍を集中して紹介していますが、なかでも衝撃的だったのが近藤先生のがんシリーズです。

がんによる死亡率は年々上昇しており、いまや2人にひとりはがんに罹り、3人にひとりはがんで亡くなるなどといわれています。
なぜがんが増えているのかということはこの本の内容とは関係がないのですが、がんは生活習慣病の一種と位置づけられていることから、生活習慣ががん増加の一因になっている可能性が高く、その中でもおそらく最も要因として大きいのは食生活だと考えられます。食生活については糖質制限食に関する本を後日紹介する予定です。

さて、上記のように2人にひとりががんに罹るということであれば、もはやいつかは罹るというつもりで、罹ったらどうするか考えておくほうが建設的なのではないかとも言えます。

これまでのがん治療では、早期発見が大事で、早期発見から手術、抗がん剤治療などを施すことで助かる場合があると教えられてきました。これは、早期発見の時点で転移がなく、その時点で切り取ってしまえば治るし、もし運が悪く発見が遅れた場合は転移が発生し、もはや手術で取ることは不可能だという考えに基づくものです。

ところが著者の近藤先生はこれに異を唱えます。近藤先生によれば、

・すべてのがんは転移能力をもつ致命的な「本物のがん」か、転移能力がない「がんもどき」のどちらかである。
・がんもどきがあとから本物のがんに変化することはない。
・本物のがんは早期といわれる発見時期においてもすでに転移が始まっていて、もはや完治は不可能。
・がんもどきは放っておいても治ってしまうか、またはそれ以上成長せず害はほとんどない。
・本物のがんに対しては手術や抗がん剤治療には延命効果がなく、しかもほとんどの場合QOL(生活の質)を著しく低下させたり寿命を短縮させ、無意味。
・したがって、本物であってももどきであっても、症状がないかぎり放っておくことが最善であり、症状があってQOLが下がる場合のみ治療を検討する。
・早期発見の技術は発達しているが、死亡率は改善していない。したがって早期発見は無意味であり、発見が早い分生存期間が延びているように見せるトリックである。

(※抗がん剤は急性白血病や悪性リンパ腫などの血液系のがんや、固形がんのうち小児がん、子宮絨毛がん、睾丸腫瘍は治せる可能性があるためこれらは対象外)

これらは決して根拠なく述べられているのではなく、数多くのデータと根拠を示されています。
たとえば我々はがんとの闘いというと、壮絶な闘病生活の末に死亡するようなイメージがありますが、これは手術や抗がん剤の毒との闘いであって、がんそのものによる症状は穏やかで緩和ケアも発達しているためそれほど恐ろしいものではないそうです。

有名人ががん罹患を公表し、手術後数か月で急死などというお話がときどきありますが、ほとんどは手術や抗がん剤の毒によって「殺されている」可能性が高いということです。

がんに罹った時の最善策は上にも書いた通り、放置および様子見だそうです。
そして症状でQOLが低下した場合のみ治療、痛みが出た場合は緩和治療です。

最大にして最も困難な問題は、手術をしたがり、抗がん剤を投与したがる(=もうかる)病院からいかに逃れるか、また病院を盲信する家族をいかに説得するか、ということのようです。
また、早期発見をされてしまわないように、健康診断などは受けないほうが良いとも書かれています。
これには驚きました。

がん放置療法のすすめ―患者150人の証言 (文春新書)




関連書籍

抗がん剤だけはやめなさい (文春文庫)

医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法

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