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2012年12月 2日 (日)

バラの絵

いつものように新井薬師寺に散歩がてらお参りに行くと骨董市をやっていた。
そういえば毎月第一日曜日は骨董市の日だ。
新井薬師の骨董市は1976年頃から始まった、関東ではもっとも歴史のある骨董市である。

ジャンク品や骨董品を見て回るのは楽しいが、目利きなどできるはずもなく、今回もただぶらぶらと見て回ってそろそろ帰ろうかと思ったその時に、会場の片隅に立てかけられた一枚の油絵に目が止まった。迷いのない大胆な厚塗りで描かれたバラの絵だった。

「そういえば今年最後のバラも萎れてしまったし、春まで飾るバラがないな…」

絵をよく見て、もう一度骨董市を一周することにした。

私が買い物をするときには、あるルールがある。
いいな、と思うものを見つけた時に、まず値段を見ない。
ものをよく観察して印象に焼き付ける。
その後、できれば一週間から10日ほどあいだを開けて、その間にいくらまでなら買ってもいいかを決めておく。
そののち再びその商品を見に行き、まだそれがあって、まだ欲しいという気持ちがあれば、初めて値段を見て、それが自分で決めた予算で買えるなら買う。
なぜそのようなルールにしているかというと、最初に値段を見てしまうと判断力が鈍るような気がするのだ。
たとえばすごくいいなと思ったものがすごく安かったとすると安っぽいものに見えてしまったり、逆につまらないものでも値段が高いとよく見えてしまったりする。
ものの価値を決めるのはあくまでも自分なのだ。自分しかいないのだ。

骨董市の場合は一期一会であり、10日あとにはもう出会えないので、せめて会場をもう一周するあいだに方針を決めようと思ったのだ。

さて、バラの油絵の予算は…
全く根拠はないが、1万円。それ以下なら買い。それより高ければやめだ。

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一周してきてもう一度絵をよく見る。
店主の親父さんに値段を聞くと一万円だそうだ。
かくして福沢諭吉の肖像画と交換してきたのだった。

これでこの冬は花の心配はしなくてもよくなった。

ところで今から20年前に自分でバラの絵を描いたことがあるんですよ。
まるっきり素人の絵なのだけど、たしか高田馬場のライブハウスに飾ってもらってそれきり。
まだお店にあるのかな。
DJ HIGOの知名度が上がればピアノの買い替え費用の足しくらいにはなるかもしれない。

Img_0012

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