【DJ講座上級編5】 サウンドカードの増設
いよいよDJ用パソコンセットアップの最終段階です。
今回はサウンドカードの増設についてお話します。
DJをする場合、フロアのスピーカーを鳴らすメインの出力と、次の曲の選曲などに使用するヘッドホンモニター出力の2系統の出力が必要です。
通常ノートPCにはヘッドホンジャックがついており、ここから1系統は出すことができますが、もう1系統は追加する必要があります。
ノートPCの場合はインターフェイスカードとしてPCMCIAが一般的ですが、安価なネットブックにはスロットがついていませんし、PCMCIAのサウンドカードもほとんどないことから、ここでは外付けのUSBサウンドカードを追加することとします。
さて、数ある外付けUSBサウンドカードからどれを選べばいいのかということですが、まともに動作するものであれば音質にはほとんど問題はないと思っていいと思います。
ただ、前回のお話に出てきたように、CDプレイヤーの出力レベルが2Vなので、できればそれに近い出力レベルを持ったものが使いやすいです。PCの出力は通常DJミキサーに接続するわけですが、DJミキサーにはCDJがつながっていて、状況によってはPCDJとCDJの切り替えをする場面があります。その場合、CDJとPCDJの出力レベルに隔たりがあると使いにくいということになります。
そういうわけで、出力が2Vのサウンドカードがあればベストです。
ところが出力レベルが仕様に明示されているサウンドカードはほとんどないのです。これは不思議なことです。
私がこれまでに独自に測定したサウンドカードの出力レベルを次のとおり公開しますので、参考にしてください。
測定方法は、信号発生用のフリーウェアWaveGeneを用いて0dB(最大出力)で1KHz正弦波を出力し、ヘッドホンにてひずみがないことを確認し(ひずみがある場合はひずみがなくなるレベルまで下げて)、そのときの出力レベルをアナログテスターのACVレンジで測定します。
WaveGene作者のefu氏に感謝します。(WaveSpectraと同じ作者様です。)
【サウンドカード出力レベル測定結果】
①USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
出力レベル:2.0V(注)
(注)ちょっと不思議なサウンドカードで、デバイスドライバにWindowsXP自動認識のもの
Microsoft 2001/07/01 5.1.2535.0
を使用すると出力2.0Vとなり、メーカー純正のデバイスドライバ
CreativeTechnology 2010/04/09 1.2.2.0.0
を使用すると出力は1.15Vとなります。
よって、WindowsXP自動認識状態で使用することをおすすめします。
②Creative USBオーディオ Sound Blaster Play! SB-PLAY
出力レベル:0.6V
USBメモリーのような形をしたサウンドカード。
出力が低いのと、指で弾くと「ごわん」というノイズが乗るので、あまりおすすめできない。
③ONKYO SE-U33GXV(B)
出力レベル:0.15V
このサウンドカードは高音質をウリにしているが、0.15Vでは使うことはできない。
設計思想が根本的に違うのかもしれない。
④PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium
出力レベル:2.25V
デスクトップで使っているサウンドカード。参考のため測定。
今回の測定の中では最高値で、CDプレーヤーをも上回っています。
⑤RealTek(U100Plus内臓)
出力レベル:1.0V
PCDJ用にメインで使っているネットブックU100PLUSのヘッドホン用サウンドカード。参考測定。
⑥AMD HD Audio(P6Tオンボード)
出力レベル:1.0V
デスクトップPCのマザーボードに搭載されているサウンドカード。参考測定。
そういうわけで、現在のところ、
USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
をWindowsXPの自動認識の状態で使用する、というのがおすすめです。
【実装の様子】
白いのがネットブックです。(撮影のため閉じています。)
サウンドカードは、ネットブックの屋根(液晶の裏)にマジックテープで貼ってあります。
PCとUSB接続(左側のグレーのケーブル)され、青いピンケーブルでメイン出力が出ています。
モニタ用ヘッドホンは、右側のヘッドホンジャックに挿しています。
これでDJ用PCのセットアップはほぼ完了しました。
次回はDJソフトのサウンドカード設定と音出しについてお話する予定です。
| 固定リンク | 0
コメント