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2012年8月13日 (月)

【DJ講座上級編4】 PCの音声出力不足について

DJとまではいかないまでも、パソコンをミニコンポやミキサーにつないでCDの代わりに使おうとしたら音量が小さくて実用にならなかった、という経験をしたことのある人がいると思います。
今回は、サウンドカードのセットアップの前段階としてパソコンの音声出力レベルのお話をしておきます。

パソコンの音声出力が小さい原因はいくつかあって、それらが重なっているというケースが多いと思います。その原因とはおおむね次のようなものです。

①サウンドカードの出力仕様がもともと小さい
②パソコンのボリューム設定が最大になっていない
③圧縮音源を使っている

これらについて順に説明していきます。

①サウンドカードの出力仕様がもともと小さい
まず何を基準とするかですが、CDプレーヤーを基準にしたいと思います。
標準的なCDプレーヤーの出力は0dB出力時(最大信号出力時)で2.0Vrms(実効値)となっている場合が多いようです。CDは2V。これを頭に入れておいてください。
サウンドカードの出力(つまりパソコンの出力)は、私の手持ちのサウンドカードを測定したところ、0.15V~2.25Vと、モノによってかなりのばらつきがあることが分かりました。(詳細については別の機会に説明します。)この中でもっとも多いのは約1Vのものでした。つまり一般的なパソコンの音声出力レベルは一般的なCDプレーヤーの半分である、ということになります。
ただ、半分ということは-6dBですから、アンプやミキサーのボリューム調整でカバーできる範囲だと思います。


②パソコンのボリュームが最大になっていない
原因としてはこれがいちばん大きいのではないかと思います。
使用している音楽再生ソフトに付いているボリュームのほかに、Windowsのシステムのボリューム設定があります。Windows画面右下の時計表示の左あたりにスピーカーの表示があると思いますが、これをダブルクリックするとスピーカーのボリューム設定画面が出ます。

Vr1_2
一番左のスピーカーと書いてあるフェーダー(ボリューム)がスピーカーのメインボリューム、その右に3つ並んでいるのが、ソース(音源)毎のボリュームです。
音楽ファイル(WAVE)を再生する場合はWAVEとスピーカーの両方を設定できますから、最大出力を得たい場合はWAVEとスピーカーのボリュームを最大にしておきます。
もし、ソース毎のボリュームのところにWAVEが出てこない場合はオプション(P)のプロパティで表示するコントロールのWAVEにチェックを入れます。
ここのボリュームが効かないという場合は、サウンドカードが複数入っている場合です。この場合もオプション(P)のプロパティーから該当するミキサーデバイスを選択してからボリュームの最大設定をします。

Vr2

この例では、パソコンにもともと内蔵されているRealtek HDというサウンドカードのほかに外付けのサウンドカード(USB Audio CODEC)を接続しています。

ここで説明したボリュームが2段階、それに音楽再生ソフトのボリュームが1つありますから、もしこれらがすべて80%の出力になっていたとすると、

0.8x0.8x0.8=0.512

つまりトータルで50%の出力になってしまいます。

③圧縮音源を使っている
これまで、ここでは圧縮音源をつかわないという前提で説明をしてきましたが、念の為に圧縮音源を使用した場合の信号レベルの低下について説明しておきます。
CDからのリッピングを行ってmp3にしてしまった場合、これが生CDからの1回目であれば音量低下はそれほど起こりませんが、繰り返し圧縮リッピングを行った場合、つまり

生CD→リッピング(圧縮)→CD-Rに焼く→(人にあげる)→(もらった人が)リッピング(圧縮)→CD-Rに焼く→(人にあげる)・・・・・・・・・・・・・

ということを繰り返すと、音質がどんどん劣化していくと同時に音量レベルも小さくなっていきます。音量レベルが半分位になってしまった圧縮ファイルなどはわりとよく見かけます。


以上がPCで音声出力レベルが低下する主な原因です。
これらが重なっている場合を考えてみますと、サウンドカードでおよそ1/2、ボリューム設定でおよそ1/2、圧縮音源でおよそ1/2であれば、

1/2 x 1/2 x 1/2 = 1/8 =0.125 (12.5%)

ですから、およそ1/10になってしまいます。音量が出ないわけですね。
このうち設定や注意によって避けることができるのはボリューム設定と圧縮音源の排除ですから、残るはサウンドカードの出力で、これがCDの1/2です。最初に書いたとおり、1/2程度の音量低下であればミキサーやアンプのボリューム調整でカバーできると思います。



裏技
正しくリッピングしたWAVファイルでも、元の録音状態によっては音量が小さくてどうしても調整しきれないということもあります。そんな時の秘密兵器として用意しておくと便利なアイテムがあります。

え む し い ト ラ ン ス ~(ドラえもんの声で)

MCトランス。

120813_163502

大きさは単3電池くらいです。
これはレコード再生用のMCカートリッジという、音はいいけど出力レベルが小さいというカートリッジ(レコード針)の出力レベルを増幅する目的で使用する昇圧トランスです。
これをピンケーブルとアンプ(またはミキサー)のあいだに入れます。

120813_163801

MCトランスといってもたくさんの種類がありますが、ここで紹介しているのはSONYのHA-T10というもっともお手軽なものです。
昇圧比は26dBですから、およそ20倍です。上に書いたすべてのケースに対応できるだけの倍率ですね。
ただし条件があって、接続先の入力インピーダンスが十分に高くないとうまく機能しません。(インピーダンスは踊りの種類ではなく工学用語です。)
簡単にいうと、ミニコンポやラジカセなどに接続する場合はおおむねOK。
ミキサーなどのPA機器に接続する場合はダメなことがある。
これは現場の装置によって違うので、うまいこと使えればラッキーということですね。

音量の問題が完全に解決できない場合は、万一のために1組持っておくと重宝することがあります。ヤフオクをみていると、ときどき2000円~10000円くらいで出ています。

さて、そろそろ涼しい時間となってきました。熱い夜遊びに出かけましょう。
次回はサウンドカードの増設と設定についてお話する予定です。

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