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2012年8月

2012年8月31日 (金)

BLUE MOON

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女性を誘って行ったバーで、カクテル”BLUE MOON”を注文されてしまったら、もうその先はない。
BLUE MOONは、英語圏では

”めったにない”
”ありえない”

などの意味に使われることが多いのだそうだ。
つまり、”BLUE MOON”を注文した女性は

”あなたとこれ以上のことはないわ”

ということを暗に言っているのだ。


ジャズのスタンダードに”BLUE MOON”という曲がある。
こんな内容だ。
”わたしがひとりぼっちでいつも寂しかったころ、青い月の光は大嫌いだった。でも恋に落ちてからは月は金色に見える”


ひと月のうちの2回目の満月をBLUE MOONという。一ヶ月を30日、月の満ち欠けの周期を29.5日とすれば、こういうことはたまにしかないということがわかるだろう。まさにきょう、8/31がBLUE MOON。8/2に続いての満月なのだ。今夜の夜遊びはきっと楽しいに違いない。


われわれ日本人にとって、”青い月”というのは、それほど違和感が無い。澄んだ夜に冴え冴えとした月灯りはまさに”あおい”と表現するよりほかにない。ざっと1000年以上まえの平安の昔から、われわれにとって月は特別な存在だった。日本最古の物語といわれる竹取物語でかぐや姫が帰ってゆく月の灯りもきっと青かったのではないだろうか。


ちなみに前回のブルームーンは2010年3月。しかもこれは2010年1月に続いて隔月のブルームーンで、こういうことはかなり珍しく、次に同じことが起こるのは2018年だ。
次回のブルームーンは3年後、2015年7月31日。その日にはきょうのことがもう遠い思い出になっている。

楽しいブルームーンの夜を。

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2012年8月15日 (水)

【DJ講座上級編6】 サウンドカードの設定

前回までで使用するDJ用パソコンの準備が整いました。
今回は増設したサウンドカードと既存のサウンドカードの設定についてお話します。

サウンドカードを2系統搭載する意味は、1系統をメインの出力に、もう一方をモニタヘッドホン用に使用するということです。
私が使っているソフトMixVibes HOME Editionを例に、サウンドカードの割付について説明します。

メニューの初期設定からオプション→サウンドタブを選ぶと、次のオーディオインターフェイス設定画面が出ますので、マスター出力用とモニター出力用のサウンドカードをそれぞれ選択して設定します。

Mixvibessettei

簡単ですね。これでスピーカーから流すメインのマスター出力と、ヘッドホンモニター用の出力が別々に出ますので、プレイ中にヘッドホンを使って別の曲をモニターすることができるようになりました。
任意のサウンドカードが使用できるDJソフトではほとんど同様に設定できると思います。

複数のサウンドカードを使うことで、DJ用ではない一般の音楽再生ソフトでDJプレイを行うことも可能です。たとえばフリーソフトのGOM PLAYERという音楽/動画再生ソフトがありますが、これは複数立ち上げが可能なソフトなので、2つ立ち上げておいて1つをメインの再生用に、もう片方をヘッドホンモニタにして選曲用に使うということができます。

Gom0
GOM PLAYERの環境設定ボタンを押すと、各種の設定ができます。

Gom1
「GOM PLAYERを複数起動する」にチェックを入れる

Gom2
起動したGOM PLAYERごとに、出力先の設定をする。

このように、スピーカーへのメイン出力用のプレイヤーと、ヘッドホンモニター用のプレイヤーを別々に起動しておけばDJができます。

それではDJソフトがいらないではないか?思うかもしれませんが、やはり専用に開発されたDJソフトの方が、ピッチコントロールや自動クロスフェイド(自動的にフェイドアウト→フェイドインする機能)、イコライザー、区間リピート、自動ピッチ合わせなどなど、便利な機能がたくさん搭載されています。

各ソフトの使い方については、マニュアルやネットを参考に、各自使いこなしていってくださいね。あとは実践あるのみです。

これにてDJ講座の技術論は終了です。

【おまけ】
DJ用に限らずノートPCの電池を長持ちさせる方法を書いておきます。
ノートPCに使われている充電池はリチウムイオン電池というものです。
この電池の特徴は、

☆フル充電状態や空の状態が長時間続くと劣化が早い

ということです。
ノートPCを使用する際は、コンセント挿しっぱなしではフル充電状態が長くなりますので劣化が早くなります。コンセントがあるところでは、電池だけで一時間程度使って、あとは電池を外してコンセントで使うのがいいと思います。

【おまけのおまけ】
リチウムイオン電池が登場する以前の充電池であるニッカド電池やニッケル水素電池は、完全に使い切ってから充電する方が性能が発揮され、長持ちしていました。
しかしリチウムイオン電池という新しいタイプの電池はまったく性質が違うので、使い切りや満タン状態が苦手なのです。
たとえばケータイ電話もリチウムイオン電池ですが、ケータイは常に電源が入っていますから、フル充電の状態はあまりありません。それに帰宅したらすぐに充電しますから完全に空になることもほとんどありませんね。リチウムイオン電池にとって理想的な状態です。
パソコンの場合は、コンセント挿しっぱなしで使われてしまうとかなり不利な上に、バッテリーパックは複数の電池が直列になっていますから、直列の電池のうち一個でもダメになったらそれでおしまいなのです。
じょうずに使って長持ちさせましょう。

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2012年8月14日 (火)

アキバ散策記

最近は探し物はたいていネットで探して、欲しければワンクリックで通販ということになっているので、あまり買い物に出歩かなくなった。特にCDや書籍、パソコン関係のグッズなどはその傾向が強く、欲しいモノが決まっている場合はほとんどamazonで買ってしまう。
そんなわけで秋葉原にも足が遠のいていたので、きょうはふらりと出かけてきた。

まずは出口がわからない。
つくばエキスプレスが開通したり秋葉原UDXができたために、すっかり駅前の様相が変わってしまった。とりあえず電気街口に出てみて、少しほっとした。
中央通りをわたってラジオデパートに入ってみると相変わらずラジゴロ(ラジオゴロツキ)がうろうろしている。2階におおきな真空管屋が進出していてびっくりした。LED照明とケータイでテレビが見られる21世紀にも真空管がある。
ラジオデパートを出て裏通りに歩いていくと、呼び込みのメイドがうじゃうじゃいる。私が秋葉原デビューしたのは今から三十数年前のことだったが、そのころはまだメイドはおらず、かわりにゲイシャが呼び込みをしていたものだ。(うそ)
角を曲がって、千石、秋月(休み)、鈴商(休み)と流して、通りをわたって5555のヘッドホンショップへ。ハイエンド向けが多く、DJ用などはほとんどない。STAXを視聴して耳の保養などして、AKGの安いDJヘッドホンを買おうかどうしようか迷ったが、結局買わずに出てくる。
同じ通りに輸入食料品屋ができていたので入ってみると、世界中のお菓子やら調味料やら飲料やらが売られている。大量買いしたいのをぐっとこらえて、タイのグリーンカレーラーメン(120円)を一個買って出てくる。きょうの晩飯用だ。
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グリーンカレーラーメン。味はまあまあ。

住友不動産ビル(これはちょっと前まで三菱銀行だったような)の裏手を入ってすぐのところに有名なおでん缶自販機スポットがある。買ったはいいが串も箸もないので食べるのを断念したという話を聞いたことがあるが、心配ご無用、串は缶の中に入っている。それにしても冷たいおでん缶は初めて見た。食してみたが、味付けが濃い目のようだ。
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上段がつめた~いおでん缶。

相変わらずうじゃうじゃいるメイドの絶対領域をながめつつ、秋葉原に戻るか御徒町方面に抜けるかちょっと考えたが、まだ明るいので上野公園を目指すこととする。
途中、ガレージのジャンク屋でちょっと面白いものをGetしたがそれはのちほど紹介しよう。

そういえば、広小路に新しいSALSAスポットができたらしいので、ついでに確認しに行く。サルサバーココノツ。おおきな”9”のプレートが飾ってある。不忍通りの一本裏のキャバクラ通りの中程の角だ。ひいきの英鮨の斜向かいなのでわかりやすい。こんどついでがあったら来てみようと思う。

不忍通りを渡ればそこは一面の蓮池だ。
Imgp0140


不忍池に沿ってしばらく歩くと、おおきな蝶を背負ったおばちゃんが。
1
むむ、できるな。おぬし。

もう少し時間が早ければ国立博物館か西洋美術館を流すところだったのだが、閉館30分前で慌ただしかったので諦めて帰途に。

さて、ガレージジャンク屋で買った本日の戦利品。

その1
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(後ろは比較用のジャニスのLPレコード)

THIS IS ITのLPレコード!(うそ)
いや、THIS IS ITのLD(レーザーディスク)!(うそ)

なんだと思いますか?


そしてもうひとつ。

その2
Imgp0142
(右は比較用のケータイ)

映画”哀愁”のサントラのカセットテープ!(うそ)

これまたなんだと思いますか?


【答え】
THIS IS ITは、USBメモリースティック版。
中身はこんなの。
Imgp0143
限定商品で、2GBのメモリースティックにTHIS IS ITが収録されています。
定価6500円が800円!

哀愁は、microSD版。
中身はこんな。
Imgp0144
ワンセグ用名画セレクション。定価2800円が200円!
ケータイで吹替音声で名画が見られます。

売れなかったんでしょうね。
やっぱり自分の足で歩くと、こういうおかしなものが見つかるので面白い。



たくさんの光景を見た日はよく眠れそうだ。


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【DJ講座上級編5】 サウンドカードの増設

いよいよDJ用パソコンセットアップの最終段階です。
今回はサウンドカードの増設についてお話します。

DJをする場合、フロアのスピーカーを鳴らすメインの出力と、次の曲の選曲などに使用するヘッドホンモニター出力の2系統の出力が必要です。
通常ノートPCにはヘッドホンジャックがついており、ここから1系統は出すことができますが、もう1系統は追加する必要があります。
ノートPCの場合はインターフェイスカードとしてPCMCIAが一般的ですが、安価なネットブックにはスロットがついていませんし、PCMCIAのサウンドカードもほとんどないことから、ここでは外付けのUSBサウンドカードを追加することとします。

さて、数ある外付けUSBサウンドカードからどれを選べばいいのかということですが、まともに動作するものであれば音質にはほとんど問題はないと思っていいと思います。
ただ、前回のお話に出てきたように、CDプレイヤーの出力レベルが2Vなので、できればそれに近い出力レベルを持ったものが使いやすいです。PCの出力は通常DJミキサーに接続するわけですが、DJミキサーにはCDJがつながっていて、状況によってはPCDJとCDJの切り替えをする場面があります。その場合、CDJとPCDJの出力レベルに隔たりがあると使いにくいということになります。
そういうわけで、出力が2Vのサウンドカードがあればベストです。
ところが出力レベルが仕様に明示されているサウンドカードはほとんどないのです。これは不思議なことです。
私がこれまでに独自に測定したサウンドカードの出力レベルを次のとおり公開しますので、参考にしてください。
測定方法は、信号発生用のフリーウェアWaveGeneを用いて0dB(最大出力)で1KHz正弦波を出力し、ヘッドホンにてひずみがないことを確認し(ひずみがある場合はひずみがなくなるレベルまで下げて)、そのときの出力レベルをアナログテスターのACVレンジで測定します。
WaveGene作者のefu氏に感謝します。(WaveSpectraと同じ作者様です。)


【サウンドカード出力レベル測定結果】

USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
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出力レベル:2.0V(注)
(注)ちょっと不思議なサウンドカードで、デバイスドライバにWindowsXP自動認識のもの
Microsoft 2001/07/01 5.1.2535.0
を使用すると出力2.0Vとなり、メーカー純正のデバイスドライバ
CreativeTechnology 2010/04/09 1.2.2.0.0
を使用すると出力は1.15Vとなります。
よって、WindowsXP自動認識状態で使用することをおすすめします。


Creative USBオーディオ Sound Blaster Play! SB-PLAY
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出力レベル:0.6V
USBメモリーのような形をしたサウンドカード。
出力が低いのと、指で弾くと「ごわん」というノイズが乗るので、あまりおすすめできない。


③ONKYO SE-U33GXV(B)
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出力レベル:0.15V
このサウンドカードは高音質をウリにしているが、0.15Vでは使うことはできない。
設計思想が根本的に違うのかもしれない。


④PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium
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出力レベル:2.25V
デスクトップで使っているサウンドカード。参考のため測定。
今回の測定の中では最高値で、CDプレーヤーをも上回っています。


⑤RealTek(U100Plus内臓)
出力レベル:1.0V
PCDJ用にメインで使っているネットブックU100PLUSのヘッドホン用サウンドカード。参考測定。


⑥AMD HD Audio(P6Tオンボード)
出力レベル:1.0V
デスクトップPCのマザーボードに搭載されているサウンドカード。参考測定。



そういうわけで、現在のところ、
USB Sound Blaster Digital Music Premium HD SB-DM-PHD
をWindowsXPの自動認識の状態で使用する、というのがおすすめです。

【実装の様子】
120813_231301

白いのがネットブックです。(撮影のため閉じています。)
サウンドカードは、ネットブックの屋根(液晶の裏)にマジックテープで貼ってあります。
PCとUSB接続(左側のグレーのケーブル)され、青いピンケーブルでメイン出力が出ています。
モニタ用ヘッドホンは、右側のヘッドホンジャックに挿しています。


これでDJ用PCのセットアップはほぼ完了しました。
次回はDJソフトのサウンドカード設定と音出しについてお話する予定です。

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2012年8月13日 (月)

【DJ講座上級編4】 PCの音声出力不足について

DJとまではいかないまでも、パソコンをミニコンポやミキサーにつないでCDの代わりに使おうとしたら音量が小さくて実用にならなかった、という経験をしたことのある人がいると思います。
今回は、サウンドカードのセットアップの前段階としてパソコンの音声出力レベルのお話をしておきます。

パソコンの音声出力が小さい原因はいくつかあって、それらが重なっているというケースが多いと思います。その原因とはおおむね次のようなものです。

①サウンドカードの出力仕様がもともと小さい
②パソコンのボリューム設定が最大になっていない
③圧縮音源を使っている

これらについて順に説明していきます。

①サウンドカードの出力仕様がもともと小さい
まず何を基準とするかですが、CDプレーヤーを基準にしたいと思います。
標準的なCDプレーヤーの出力は0dB出力時(最大信号出力時)で2.0Vrms(実効値)となっている場合が多いようです。CDは2V。これを頭に入れておいてください。
サウンドカードの出力(つまりパソコンの出力)は、私の手持ちのサウンドカードを測定したところ、0.15V~2.25Vと、モノによってかなりのばらつきがあることが分かりました。(詳細については別の機会に説明します。)この中でもっとも多いのは約1Vのものでした。つまり一般的なパソコンの音声出力レベルは一般的なCDプレーヤーの半分である、ということになります。
ただ、半分ということは-6dBですから、アンプやミキサーのボリューム調整でカバーできる範囲だと思います。


②パソコンのボリュームが最大になっていない
原因としてはこれがいちばん大きいのではないかと思います。
使用している音楽再生ソフトに付いているボリュームのほかに、Windowsのシステムのボリューム設定があります。Windows画面右下の時計表示の左あたりにスピーカーの表示があると思いますが、これをダブルクリックするとスピーカーのボリューム設定画面が出ます。

Vr1_2
一番左のスピーカーと書いてあるフェーダー(ボリューム)がスピーカーのメインボリューム、その右に3つ並んでいるのが、ソース(音源)毎のボリュームです。
音楽ファイル(WAVE)を再生する場合はWAVEとスピーカーの両方を設定できますから、最大出力を得たい場合はWAVEとスピーカーのボリュームを最大にしておきます。
もし、ソース毎のボリュームのところにWAVEが出てこない場合はオプション(P)のプロパティで表示するコントロールのWAVEにチェックを入れます。
ここのボリュームが効かないという場合は、サウンドカードが複数入っている場合です。この場合もオプション(P)のプロパティーから該当するミキサーデバイスを選択してからボリュームの最大設定をします。

Vr2

この例では、パソコンにもともと内蔵されているRealtek HDというサウンドカードのほかに外付けのサウンドカード(USB Audio CODEC)を接続しています。

ここで説明したボリュームが2段階、それに音楽再生ソフトのボリュームが1つありますから、もしこれらがすべて80%の出力になっていたとすると、

0.8x0.8x0.8=0.512

つまりトータルで50%の出力になってしまいます。

③圧縮音源を使っている
これまで、ここでは圧縮音源をつかわないという前提で説明をしてきましたが、念の為に圧縮音源を使用した場合の信号レベルの低下について説明しておきます。
CDからのリッピングを行ってmp3にしてしまった場合、これが生CDからの1回目であれば音量低下はそれほど起こりませんが、繰り返し圧縮リッピングを行った場合、つまり

生CD→リッピング(圧縮)→CD-Rに焼く→(人にあげる)→(もらった人が)リッピング(圧縮)→CD-Rに焼く→(人にあげる)・・・・・・・・・・・・・

ということを繰り返すと、音質がどんどん劣化していくと同時に音量レベルも小さくなっていきます。音量レベルが半分位になってしまった圧縮ファイルなどはわりとよく見かけます。


以上がPCで音声出力レベルが低下する主な原因です。
これらが重なっている場合を考えてみますと、サウンドカードでおよそ1/2、ボリューム設定でおよそ1/2、圧縮音源でおよそ1/2であれば、

1/2 x 1/2 x 1/2 = 1/8 =0.125 (12.5%)

ですから、およそ1/10になってしまいます。音量が出ないわけですね。
このうち設定や注意によって避けることができるのはボリューム設定と圧縮音源の排除ですから、残るはサウンドカードの出力で、これがCDの1/2です。最初に書いたとおり、1/2程度の音量低下であればミキサーやアンプのボリューム調整でカバーできると思います。



裏技
正しくリッピングしたWAVファイルでも、元の録音状態によっては音量が小さくてどうしても調整しきれないということもあります。そんな時の秘密兵器として用意しておくと便利なアイテムがあります。

え む し い ト ラ ン ス ~(ドラえもんの声で)

MCトランス。

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大きさは単3電池くらいです。
これはレコード再生用のMCカートリッジという、音はいいけど出力レベルが小さいというカートリッジ(レコード針)の出力レベルを増幅する目的で使用する昇圧トランスです。
これをピンケーブルとアンプ(またはミキサー)のあいだに入れます。

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MCトランスといってもたくさんの種類がありますが、ここで紹介しているのはSONYのHA-T10というもっともお手軽なものです。
昇圧比は26dBですから、およそ20倍です。上に書いたすべてのケースに対応できるだけの倍率ですね。
ただし条件があって、接続先の入力インピーダンスが十分に高くないとうまく機能しません。(インピーダンスは踊りの種類ではなく工学用語です。)
簡単にいうと、ミニコンポやラジカセなどに接続する場合はおおむねOK。
ミキサーなどのPA機器に接続する場合はダメなことがある。
これは現場の装置によって違うので、うまいこと使えればラッキーということですね。

音量の問題が完全に解決できない場合は、万一のために1組持っておくと重宝することがあります。ヤフオクをみていると、ときどき2000円~10000円くらいで出ています。

さて、そろそろ涼しい時間となってきました。熱い夜遊びに出かけましょう。
次回はサウンドカードの増設と設定についてお話する予定です。

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2012年8月 5日 (日)

【DJ講座上級編3】 DJ用PCのセットアップ(2)

今回は、音飛びを起こさないためのWindowsXPの設定について。

前回予告したとおり、次の設定について順番に説明します。

①自動デフラグをOFF
②ネットワークを無効化(有線、無線ともに)
③ACPIを無効化
④使用しないハードウェアを無効化
⑤スタートアップやバックグラウンドの不要なソフトを無効化

私のこれまでの経験では、このうちの①、②がもっとも効果的で、この2つの対策だけでも音飛びが防げる可能性があります。
ただ、いくつかの要因が重複した時に問題となる恐れもあるので、音飛びの原因となりうるものはできる限りつぶしていくという方針でのぞみたいと思います。

①自動デフラフをOFF
デフラグというのはハードディスク内で本来ひとかたまりで記録されるべきデータがバラバラに記録されてしまったのを、整理して配置しなおすという機能です。
回転寿司の皿の色がバラバラだと計算しにくいので同じ色の皿同士をまとめるような作業です。
WindowsXPでは、パソコンが暇なときにバックグラウンド(裏方で)デフラグを行う設定になっています。これを自動デフラグといいます。
DJソフトでプレイし始めてある程度時間が経つと、パソコンは暇だと判断するらしく自動デフラグを始めます。すると音飛びや音割れが発生する場合があります。
そこで自動デフラグをOFFにしておきます。
手順は次のとおりです。

スタートメニュー→「ファイル名を指定して実行」→「regedit」と入力して「OK」ボタンをクリックしてレジストリエディタを起動します。そして次のとおりキーを辿り、

HKEY_LOCAL_MACHINE→SOFTWARE→Microsoft
 →Windows→CurrentVersion→OptimalLayout

 「OptimalLayout」を右クリックして「新規」-「DWORD値」を選び「EnableAutoLayout」というDWORD値を作成します。そして「EnableAutoLayout」をダブルクリックして「値のデータ」に半角数字で「0」を入力して「OK」ボタンをクリック。

これで自動デフラグが無効になります。面倒な人は次のファイルをダウンロードしてダブルクリックして実行してもOKです。

「windows_xp_auto_deflag_off.reg」をダウンロード
(右クリックして名前をつけて保存して、それを実行します。)


②ネットワークを無効化
これはLANおよび無線LANをOFFにするという意味です。
もっとも確実なのはハードウェアそのものを無効化しておく方法ですが、有線LANについては線が接続されていなければとりあえずは大丈夫なようです。無線LANについては接続状態が見えないので、少なくともプレイ中はOFFにしておいてください。

コントロールパネル→システム→ハードウェア→デバイスマネージャから、ネットワークアダプタの無線LANカードを選び、右クリックして”無効”を選び、”はい”とします。

Device

無線LANカード(上の図ではAtheros AR928X)に×が付けばOKです。

③ACPIを無効化
ACPIは前回説明したとおり完全に除外できれば安心なのですが、WindowsXPにはほとんど標準装備される前提となっていて、完全削除は簡単ではありません。
そこで、②と同じやり方で”バッテリ”の下にある2項目”Microsoft AC Adapter”と”Microsoft ACPI-Compliant Control Method Battery”を無効にしておけば、ACPIを部分的に停止できます。(上の図でも×がついています。)

これに関連して、コントロールパネルの”電源オプション”で、
”電源設定”の
”モニタの電源を切る”、”ハードディスクの電源を切る”、”システムスタンバイ”をすべて”なし”、
”詳細設定”の
”ポータブルコンピュータをとじたとき”、”コンピュータの電源ボタンを押したとき”、”コンピュータのスリープボタンを押したとき”の全ての項目で”何もしない”を設定しておくとさらに効果的だと思います。

④使用しないハードウェアを無効化
上記以外にも、プレイ中に使用しないハードウェアがついていれば、同じように無効化して×をつけておくと安心です。(Webカメラやアナログモデムなど)

⑤スタートアップやバックグラウンドの不要なソフトを無効化
画面右下の時計の左あたりに、わけのわからないアイコンがうじゃうじゃいるようだと要注意です。いらない常駐ソフトを止めておきます。これらはスタートアップでパソコンの起動とともに自動的に起動しているので、スタートアップから外しておきましょう。

スタートメニュー→「ファイル名を指定して実行」→「msconfig」と入力して「OK」ボタンをクリックしてシステム構成ユーティリティを起動します。
”スタートアップ”タブを選ぶとスタートアップ項目の一覧が表示されますので、スタートアップ不要な項目のチェックを外していきます。
Adobeなんとか
Realplayなんとか
Microsoft Officeなんとか
などの類ですね。外しても大丈夫なものは、真ん中の”コマンド”の列で、”C:\Program Files\”から始まっているものがほとんどです。

おつかれさまでした。これで音飛びに関係する設定のほとんどが終わりました。


おっと、ウィルス対策はしておかなくてはなりません。
ただ、ウィルス対策ソフトも動作が重い物や、DJプレイ中に動作して音飛びの原因になりかねないものがある上に有料のものが多いため、どうするか考えどころです。
現在のところオススメなのは、Microsoftが無料配布している”Microsoft Security Essentials”です。これは非常に動作が軽いウィルスセキュリティソフトで、しかも無料ですので活用しましょう。ただし、WindowsXPのSP3の適用なので、まずはWindowsXPをSP3にアップデートする必要があります。
”Microsoft Security Essentials”で検索すればすぐに出てきますので、インストールしてください。
インストールができたら、”Microsoft Security Essentials”の設定タブで、スキャンのスケジュールをOFFにするか、絶対にDJプレイをしないような時間に設定しておきましょう。

次回はサウンドカードの増設についてお話する予定です。



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2012年8月 4日 (土)

【DJ講座上級編2】 DJ用PCのセットアップ(1)

はじめにコマーシャルです。
8/10(金)は大好評のカレーサルサパーティー@中野スバです。
こころよりお待ちしております。詳細はこちら

前回から引き続きPCDJについてのお話です。
PCDJの利点は第一に機動性の高さが挙げられます。
小さなネットブックならば重量が1kgちょっとですから、HDD320GB搭載ならCD50枚と同じくらいの荷物でCDおよそ400枚分の音源を持っていくことができます。
また、会場にCDJなどの設備がない場合でも、PCをアンプにつなぐことさえできれば問題なくプレイできます。

DJ用のPCをセットアップするにあたっての第一方針は、いかに安価に仕上げるか、ということになります。DJ用のPCは消耗品だと考え、壊してしまってもそれほどダメージを受けないで済むように極力安く仕上げましょう。そしてその分CDに資金を回すのが良いと思います。
性能的な方針は、とにかく音質がまともであり、音飛びがしないこと。そしてメイン出力とは別に独立したヘッドホン用のモニタ出力を出せること。

以上の方針から、用意するPCはWindowsXP搭載のネットブックまたはノートPCがおすすめです。
現在のところWindows7で音飛びのないプレイをするのは技術的に非常に困難であると判断しています。

次に使用するソフトですが、Windowsで使用できるDJソフトはあまり選択肢は多くありません。
いちばん有名なソフトはTRAKTORですが、これは専用の外付けインターフェイスユニットを接続しないとヘッドホンモニターが使えない仕様になっています。
フリーウェアではMixxxというものがあり、これは非常によくできたソフトなのですが、使ってみた感じでは音飛びが起こりやすいという印象でした。
シェアウェアではZuluというものがありますが、このソフトはヘッドホンモニタが出せないため実用上問題があります。
私が現在使用しているソフトはMixvibes HOME Editionです。
このソフトはダウンロードで\2100と安価で、汎用のサウンドカードにも対応していますからセットアップの自由度が高く、機能も十分で使いやすいソフトです。

以上の条件でPCをセットアップします。
まず用意するPCですが、ハードディスク容量が320GB以上でWindowsXP搭載のネットブックまたはノートPCが3万円以下で入手できればベストだと思います。Windows7インストールモデルを購入して自力でWindowsXPをインストールしなおして使用する場合は、WindowsXP用のデバイスドライバが入手できるかどうか調べてから購入しましょう。
おすすめのソフトMixvibesは画面解像度が1024x768以上ないと画面からはみ出してしまいます。はみ出してもスクロールすれば問題なく使えますが、できれば全画面表示できたほうが使いやすいです。

WindowsXPをインストールするところから始める人のために、Windowsインストール時にできればやっておくといいことを先に書いておきます。
これは可能であればということで必須ではありませんが、音飛び対策としてはかなり有効だと思われるので、試してみることをおすすめします。
音飛びの原因として重大な位置を占めるものにACPIがあります。
Advanced Configuration and Power Interface(ACPI)
とは、「進歩的構成と電源インターフェイス」
というわけで直訳してもさっぱりわかりませんが、これは電源管理のための機能で、基本的には消費電力を抑えることを主な目的として開発された仕組みです。
ところがこのACPIがコンピュータ制御時に割り込み要求(IRQ)を頻発したり、さらにはIRQのステアリング機能により各周辺機器のIRQ割付の動的制御を行う場合があり、これらが音飛びに深く関与しています。
そこで、このACPIの機能を盛り込まずにWindowsをインストールすれば、音飛びについてはかなり有利な状態になります。
WindowsXPのインストール最初の方のPress F6 key to install third party SCSI driversの場面でF5を押すと「HALの選択」という画面になります。通常ですとここでACPIが選択されるのですが、これを、
マルチコアCPUの場合は ”MPS Multiprocessor PC”
シングルコアCPUの場合は ”標準PC”
に設定します。
もしこれで各ドライバ読み込み後にブルースクリーンとともにSTOP 0x0000007Bのエラーが出た場合は、マザーボードのBIOS設定で、SATAのハードディスクの設定を確認し、これが”SATA”になっている場合は”IDE” または”Compatible” または”Legacy”に設定して、もう一度HALの選択からやり直します。
それでもエラーが出る場合はマザーボードやCPUがACPI前提で設計されている可能性が高いので、ここでの非ACPI化はあきらめます。

WindowsXPのインストールが完了したら、次の音飛び対策を行います。

・自動デフラグをOFF
・ネットワークを無効化(有線、無線ともに)
・ACPIを無効化
・使用しないハードウェアを無効化
・スタートアップやバックグラウンドの不要なソフトを無効化

内容の詳細については次回説明します。

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