2016年9月 2日 (金)

選曲論【1】 

DJ選曲論というカテゴリーを作っておきながら選曲論を書いていなかったのは、体系的に書くのが難しいということと、主観的な話が多くなる可能性が高いからです。DJの役割は何かといえば、第1に踊りに来た人に楽しんでもらうこと、第2に曲を作ってくれたミュージシャンの気持ちを踊りに来た人に伝えることです。ですから、選曲、曲順、音質において最善を尽くすことがとても大事です。
ぼくがこれから書く選曲論は、ぼくの個人的な選曲論であって、これが絶対だということではありません。技術論とちがって、客観的に正しいという根拠はあまりなく、経験的にどうすればいいかという経験則や主観が多くなると思いますので、そのつもりで読んでください。

みなさんはだれかに自分で選曲したテープかCDをプレゼントしたことがありますか?おそらくそのときは入れたい曲の候補を出しておいて、次にテープかCDの長さに収まるように曲を厳選して、最後に曲順を考えたのではないでしょうか。一曲目はわりと明るくさわやかで、耳に心地よい曲、ラストの曲は気持ちのこもった、夢見のよさそうな曲……
パーティーでDJをやるときの選曲もほとんどこれと同じです。

今回選曲論を書くにあたっては、DJスタートはお店でのダンスレッスン終了直後からということで、最初から一定数のお客さんがいるという前提とします。また、この選曲論はサルサパーティーを前提としています。

まず、全体の持ち時間をどのような流れにするかをおおざっぱに決めます。

①スタート……誰もが知っているワクワクするようなヒット曲から。ただしテンポはゆっくりめ
②序盤終わり~中盤……少しアップテンポの、踊りやすく聴きやすい曲
③中盤~……Jazzyなおとなの曲。ミッドナイト感を出す
④終盤前……最後の盛り上がりを演出するアップテンポの曲
⑤終盤~エンディング……クールダウンにロマンチカを中心とした選曲
⑥ラストソング……しあわせな気分で帰れる、夢見のいい曲

ぼくは毎回だいたいこんな感じで流れを作っています。
最初の数曲はレッスン明けですから、ダンス初心者が練習がてら踊れる、ゆっくりめでキャッチーな曲がいいと思います。ツカミですから誰でも知ってるヒット曲がいいですね。ただ、最初の一曲目はレッスン明けでちょっと休憩とか、飲み物を注文しに行く人も多いので、ゆっくりめということは意識せず、ツカミということだけ考えてもいいかもしれません。

つづく


【コラム】曲順はスキーゲレンデのように
どんなにスキーが好きな人でもリフトから降りたとたんに崖のような急斜面では引いてしまいますよね。最初は緩斜面から入って、少し急斜面が続いた後、少しコブのある斜面、休憩所、緩斜面、急斜面……そんな感じでゲレンデは構成されていると思います。
また、あたりまえですが途中が壁で行き止まりとか、崖!とかいうことはあってはいけません。
選曲もゲレンデと似ていて、選曲にはダンサーを退屈させない緩急をもたせながら、壁や崖や段差がなくなめらかにつながっていくということを意識するといいと思います。

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2016年8月 4日 (木)

無帰還電流駆動ヘッドホンアンプの製作

今年の夏はまだそれほどの暑さではないですね。そうはいってもカンカンに発熱するA級アンプは夏には不向きで、ぼくもお気に入りの無帰還電流駆動アンプを使うのをあきらめて、デジタルアンプで音楽を聴いていました。デジタルアンプもまあ、わるくないのですが、なんとなく音楽に身が入りません。そこで無帰還電流駆動ヘッドホンアンプを作ってみました。今回はその製作記事です。
(なお8/3のプレイリストはこの記事の前の記事です。)

今回製作したヘッドホンアンプは、以前このブログで発表した無帰還電流駆動アンプとまったく同じ原理で、ヘッドホン用に動作規模を縮小したものです。図1に回路を示します。

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    図1.ヘッドホンアンプ回路図


入力回路はゼロバイアスの2SK117です。今回は電源電圧が±4.8Vと低いためGRランク品を使用してドレインの直列抵抗を省きましたのでスッキリしました。2段目のダイオード接続のQ7,Q8は、以前のパワーアンプではアイドリング電流の熱暴走を抑えるために終段のデバイスと熱結合していましたが、今回は熱結合は不要です。よって基板上に配置します。今回熱結合をする箇所はカレントミラーのQ3とQ4、Q5とQ6の2カ所です。これもヒートシンクなどは必要ないので、それぞれのトランジスタ同士をグリスを塗ってネジ止めまたは接着し、基板上に配置します。
ペア取りはJ1とJ2、J3とJ4、Q1とQ2、Q4とQ6です。FETはIdssを、TRはHFEをそろえてください。
この回路では終段のアイドリング電流を60mA狙いで設計しています。もし大きくずれるようでしたらR7,R8を増減して調整します。(アイドリングはVR1によってオフセットを0に調整した状態で確認します。)
出力のR10は出力オープン時に出力が暴れるのを軽減する目的でつけています。ただオープン時に出力が暴れてもとくに問題はないので省いてもかまいません。

次に電源および保護回路を図2に示します。

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  図2.電源と保護回路


今回のアンプは1.2Vニッカド電池を±各4本使用して±4.8V電源としました。ニッカドはあるイベントでいただいてきた800AR(写真1)というものを使用しています。この電池は単三電池よりやや大きめでホルダーがないため、半田付けで組込とし、ACアダプタによって充電できるように充電回路をつけました。

Photo
 写真1.ニッカド電池800AR


【充電回路】
この電池は800mAhなので、0.1Cで16時間とすると80mAで16時間の充電が基本です。定電流回路を使えばこの仕様通りの充電ができますし、たとえば800mAで1.6時間の急速充電などということもできます。しかしながら定電流充電では満充電を超えて充電した場合に発熱や、過充電による電池の劣化ということが起こりやすいので、タイマーやΔV検出などといった工夫が必要で、回路が複雑になります。
最も簡単なのは抵抗で擬似的に定電流回路を組むやり方で、たとえばこの直列で9.6Vの電池を24Vの電源で充電したい場合は、24-9.6=14.4Vを80mAで消費する抵抗14.4/80=180Ωを直列に入れればほぼ一定の80mAで充電することができます。ただ、この方法でも過充電の可能性が払拭できないことと、充電時間を短縮するために電流を上げるとさらに過充電リスクが高まります。
そこで今回は満充電電圧ぎりぎりの12Vのアダプターを使って、制限抵抗をつけて、充電開始時は300mA超の電流を流し、すぐに充電電流が低下していき6-7時間で満充電、その後は40mA以下でトリクル充電状態になるようにしました。トランジスタQ6は充電電流をモニタし、満充電時にはLED1を消灯します。満充電で消灯するようにした理由は後で説明します。
エネループなど、ほかの充電電池を使用する場合は充電回路の定数を変更する必要があります。自力で定数決めをする自信のない方は、電池を交換式にして充電は専用の充電器でおこなってください。交換式にしておけば、普通の乾電池でも使用できます。

【保護回路】
今回のミューティング&保護回路も前回の電流アンプと同じく出力短絡型です。つまり、ミュート時にリレーがOFFになり出力をGNDに短絡します。
パワーアンプの多くの典型的な直流保護回路はトランジスタのVbeを利用しておよそ0.6~0.7Vの直流電圧が検出されると動作するように設計されています。8Ωで0.65Vとするとおよそ50mWです。通常のスピーカーで50mWというとかなり余裕がありますが、ヘッドホンでは微妙な値です。そこで、インターネットでヘッドホンの最大入力を調べたところ、16Ωで最大10mWというものが見つかりました。おそらくもっとも繊細なものでこの程度でしょう。直流ということもあるし、余裕を見て8Ω5mWでプロテクトがかかるようにするとすれば、E^2/8=0.005なので、E=0.2V、つまり0.2Vでプロテクトがかかればいいわけです。ただトランジスタのVbeは下げられませんから、従来の方法に対してなにか工夫が必要です。オペアンプやコンパレータを使えば簡単にできそうですが、回路規模が大きくなるのでめんどうです。
そこで今回ぼくが考え出したのはショットキーダイオードを使って基準電圧に下駄を履かせる方法です。D1~D4によってVbeに下駄を履かせて、直流検出電圧を実測で約±0.15Vにすることができました。やったね\(^o^)/
それから今回のアンプでは電源電圧が±4.8Vと低いため、ミューティング用のリレーを動作させる電圧を高く取りたいことと、±の電池を等しく消費したいということから、リレー回路の電源を±から取れるように工夫しました。
もう一つ工夫した点があります。今回も前回と同じく出力短絡タイプの保護&ミューティング回路ですが、電源OFF時に出力がミュート(短絡)される前にアンプの電源が低下してアンバランスになると大きなポップノイズがでます。それを解消するため、アンプ回路の電源ラインに1000μFのOSコンをつけて、リレーが完全にOFFになってアンプ出力が短絡されるまで時間を稼ぎます。リレーは瞬時に遮断できるように1000μFからダイオードD7、D8で隔離して電源を供給しています(±Vp)。

【シャーシ組み込み】
今回は電池組み込みなのでケースは大きめにしないといけません。なにかいいケースはないかとあちこち探して歩いたのですが、どうも気に入るものがありませんでした。夜になると我が研究室にも蚊が出るのでキンチョーの渦巻きを取り出して火をつけようとしたそのとき、はっ!と思いました。


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 写真2.キンチョーの夏


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写真3.充電時


写真2は使用時、写真3は充電時です。
充電は夜寝る前に開始すると朝には完了し、赤色LEDは消灯します。これは夜火をつけた香取線香が朝には消えているということを模した作りになっています。


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写真4.組み込みの様子

写真4に組み込みの様子を示します。
基板はL字金具でふたに固定しています。電池は重量バランスが偏らないように±を2カ所にわけて配置しています。電池は底を段ボール紙で絶縁し、底と側面を両面テープでシャーシに固定して、配線端子はホットボンドでモールドしました。
シャーシのアースは電池の±中点から基板固定のL字金具に接続します。


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写真5.基板の様子

写真5に基板を示します。
この1枚にアンプ両チャンネルと保護回路、充電回路がすべて実装されています。
基板の左右端から信号が入り、基板中央に出力がくるようにしています。こうすることで左右共通の保護回路と電源用のコンデンサ出力を中央に効率よく配置できます。


Photo_6
写真6.パネル

写真6はパネル面です。中央に電源トグルスイッチ、上方に充電用ACアダプタジャックと充電LEDが配置されています。左に入力ピンジャック、右にヘッドホンジャック、中央下側に入力ボリュームを配置しました。


【調整方法】
組み上がったらまず入力にショートプラグ、出力に30Ω前後のダミー負荷を接続し、VR1をセンターにします。R4に電圧計をつなぎ、電源を入れてアイドリング電流をチェックします。アイドリングは60mAを狙っていますので、R4両端の電圧が200mV前後になっていればOKです。次に出力のダミー抵抗両端の電圧をモニタし、出力が0mVになるようにVR1を調整します。1時間ほど追って調整すればOKです。
アイドリングは50~70mAになっていれば問題はないと思いますが、かけ離れている場合は回路が間違っていないか確認し、調整の必要がある場合はR7,R8を30~47Ω程度の間で替えてみてください。


【特性】
図3に33Ω負荷の歪率雑音特性、図4に100Ω負荷の歪率雑音特性を示します。左右がそれぞれLRチャンネルです。

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図3.歪率雑音特性@33Ω


Lr100_2
図4.歪率雑音特性@100Ω


左右でおおむねそろっていて、ボトムで0.03%程度となっています。無帰還アンプとしてはまあまあのレベルではないでしょうか。


図5に100kHz矩形波の出力波形を示します。左が33Ω負荷、右が100Ω負荷です。

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図5.100kHz矩形波出力(33Ω、100Ω)


今回は補正なしでピークもなくきれいな特性になりました。
-0,-3dBの周波数特性は800kHz(33Ω)、500kHz(100Ω)でした。


出力オフセットの実測値を表1に示します。


表1.出力オフセット(30Ω負荷、L/R)
Photo_7

オフセットは通電直後で-11mV、そこから徐々に調整値に収束していき1.5mVで安定状態となりました。ドライヤーによる強制加熱では最大28mV、電池切れ時のダウン直前に24mVを観察しました。このことから2倍のマージンを見て最大でも50mVには収まるのではないかと考えています。


仕様のまとめを表2に示します。

表2.無帰還電流ヘッドホンアンプ仕様
Spec

出力インピーダンスは、33Ω負荷時と1kΩ負荷時の信号振幅の連立によって算出しました。


【本機の音】
ヘッドホン3機種によって試聴しました。
①HDJ-1500(Pioneer、32Ω)
②MDR-A60(SONY、16Ω)
③ER-4S(Etymotic、100Ω)

①HDJ-1500(Pioneer、32Ω)
全帯域にわたってメリハリのきいたクリアな音で鳴りました。
インピーダンス特性を図6に示します。

20160703_hdj1500_z
図6.HDJ-1500インピーダンス特性

90Hz、750Hz、4kHzにピークがあり、高域では徐々にインピーダンスが上昇しています。
90Hzのピークがやや大きいですが、全体としては電流駆動に対してバランスがいいと思います。


②MDR-A60(SONY、16Ω)
このヘッドホンはバーチカル型といって耳に直角に入るめずらしいタイプです。非常に軽量で、HDJ-1500のような圧迫感がないにもかかわらず、外観からは想像できないような重低音が感じられます。全体としても解像度の高いとてもいい音で鳴りました。
インピーダンス特性を図7に示します。

20160725_mdr_a60_z
図7.MDR-60Aインピーダンス特性

212Hz一カ所に大きなピークがあるため、低音が強調される傾向が強いようです。



③ER-4S(Etymotic、100Ω)
これはカナル型として高評価のイヤホンです。
このアンプでは、高域が強調されてガチャガチャした印象の音になってしまいました。電流アンプとの相性はあまりよくないようです。
インピーダンス特性を図8に示します。

20160725etyimo_er4_z
図8.ER-4Sインピーダンス特性

2.59kHzのピークと5kHz以上の高域の上昇が大きく、聴いた印象と一致しています。


【その他】
・電池の終了電圧は+側が2.8V、-側が1.84Vでした。このことから電池は±3本ずつの計6本でも可能です。



そういうわけで、発熱が少なく環境にも優しいこのアンプで音楽を楽しんでいます。しばらくアンプのことは忘れて音楽を楽しみたいと思います(^-^)

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2016年4月24日 (日)

音圧特性の比較

きのう新しく無帰還電圧駆動アンプを作ったので、Auratoneでの音圧特性を測定しました。
無帰還電流アンプと旧金田式DCアンプとの比較を図1に示します。

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図1.音圧特性

旧金田式アンプはごくオーソドックスな帰還型DC電圧駆動アンプです。1978年に出版された「最新オーディオDCアンプ」を参考に1990年頃製作したアンプです。いままでメインのアンプの予備として使ってきましたが、当時アナログテスター1個しかない状態で部品もあり合わせで作ったにしては、動作も安定していて特性も良いです。
無帰還電圧アンプは前回の記事で紹介した、無帰還電流アンプから派生した電圧アンプです。
無帰還電流アンプは製作記事を書いていますが、これも完成して間もないアンプです。

測定条件は次の通りです。
使用機材:マイクUMIK-1,スピーカーAuratone 5C

測定用PC:EPCX101CH + WindowsXP sp3
使用ソフト:REW
測定位置:スピーカ軸上10㎝

金田式アンプはこの中では最も一般的な特性のアンプだと思います。負帰還アンプなので出力インピーダンスはおそらく0.1Ω以下です。一般的にカマボコ特性といわれる典型的な特性が出ています。両肩がナデ肩気味ですね。

一番下の電流駆動アンプは、スピーカーのインピーダンスにかかわらず入力信号に比例した電流を流すアンプですから、スピーカーのインピーダンス特性に似た音圧特性が出ます。両肩が怒り肩ですね。高域はそれほどでもありませんが200Hz付近にf0の大きなピークが出ています。出力インピーダンスは1kΩ(@1kHz)~185Ω(@10kHz)程度です。

中段は無帰還電圧駆動アンプです。これはおおむね上の金田式アンプに似ていますが、よーく見るとほんの若干ですが両肩が上がっていて、よりフラットになっているように見えます。このアンプの出力インピーダンスはおよそ0.3Ωなので、金田式アンプより若干電流駆動気味なのだと思います。

以上のように比較してみると、そのスピーカーに応じた最適なアンプの出力インピーダンスがあるのかもしれません。金田氏が一時期、電流と電圧をmixして帰還するというアンプを発表していましたが、今になってこのような意味なのかもしれないと思います。

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2016年4月23日 (土)

無帰還電圧アンプ

無帰還電流アンプがほぼ最終的な形になったので安心して音楽を聴いています。
だた、この回路形式は無帰還電圧アンプにも応用できるはずなので検討してみたところ良好な結果が得られましたので、今回はその報告です。

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図1.無帰還電圧アンプ回路図

カレントミラー回路を使って電流を増幅したあとバイアス回路のVR2でオフセット調整とI/V変換をおこなっています。VR2のオフセット調整がセンターから大きくかたよる場合はゲインが小さくなってしまうので、上下デバイスのペア取りをまじめにやることと、どうしても左右で大きなゲイン差が出る場合はR7の値を調整してゲインをそろえます。
入力回路は今回はダイヤモンド入力にしてみました。この回路形式はかっこいいですしわりとよく見かけますが、Q1Q2のベース電流の差分が入力負荷に流れるとオフセットになって出力に出ます。入力負荷が不変ならオフセット調整をしておけば問題ないのですが、実際にはたとえば入力のオープン/ショートや、あるいは入力ボリュームの位置によってオフセットが変動します。そこでVR1によってQ1Q2のベース電流が一致するように調整した上で、VR2で出力オフセット調整を行います。

L
図2.THD+N Lチャンネル

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図3.THD+N Rチャンネル


図2、図3に雑音+ひずみ特性を示します。左右でおおむねそろっています。
位相補償は一切していませんが、ピークは全くなく、-3dBの周波数特性は380kHzです。
ゲインは約23dB、出力インピーダンスは100Hz,1kHz,10kHzで約0.3Ωです。

今回は24V/2.5Aの廉価なスイッチング電源CFM60S240(若松で1個980円!)を±で2個使って構成しましたが、アイドリングが各チャンネル1Aでトータル2Aですからギリギリです。オシロで観察しながらアイドリングを増やしていくとヒゲ状の高周波ノイズが増えるのがわかります。
もっと余裕のあるスイッチング電源を選ぶか、トランスを使ったリニア電源にすればもう少し改善されるのではないかと思います。
今回もフェライトコアを使ってノイズ対策をしています。フェライトコアの挿入のしかたは電流アンプと同じですが、今回は電源出口はFGのラインだけフェライトコアを通さないことにしました。またアンプ手前のフェライトコアはECDN906088(前回発振して不採用にしたもの)にしました。

早速音楽を聴きながらこの記事を書いていますが、おもしろいことにいままで聴いていた電流アンプと比べあまり違和感が出ません。低域や高域のハイハットなどは電流よりも若干締まった印象になりますが、なにか同じ傾向の音に仕上がっているように感じられます。兄弟のようなものでしょうか。
もちろんとてもいい音です。もうしばらく聴き込んでみたいと思います。

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写真1.電圧アンプ(旧電流アンプのシャーシに組み込みました)

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2016年4月17日 (日)

電流・電圧駆動の音圧特性比較

miniDSPのマイクが届いたので、電流アンプと電圧アンプのスピーカー音圧特性を測ってみました。
電圧アンプは25年前に作った初期金田式アンプもどき、電流アンプは最近紹介している無帰還アンプです。スピーカーはAuratone 5c(昨日三土会で鳴らしたもの)、測定位置はスピーカ軸上10㎝です。

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図1.音圧特性比較(上:電圧駆動 下:電流駆動)

上の電圧駆動では素直なオーラトーンの特徴ですが、下の電流駆動した特性をどう見るかですね。高域は不自然さはなく、改善されているという見方ができると思います。問題は200Hz付近の持ち上がりをどう見るかです。これは人によって、ジャンルによって、目的によってちがうかもしれませんね。

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2016年4月12日 (火)

保護回路の改良

前回までに発表したアンプの保護回路を改良しました。
これまで回路を簡略化して部品点数を減らすために左右チャンネル共通としていましたが、左右同時に逆方向のオフセットが出た場合に検出されないというご指摘があり、修正案までいただきました。たしかに同時逆方向はキャンセルされてしまいます。見落としていました。

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図1.修正した保護回路

これまで左右の入力を抵抗で合成してOR動作をさせていたのですが、今回は左右独立の検出とし、そのあとのスピーカーショート回路と電源シャットダウン回路に対して検出部をダイオードで区切って共有させています。非常に効率の良い回路となりました。変更箇所はLR入力の分離、47uF BP、D1~D3の追加およびそれに伴う配線です。


表1.プロテクト動作電圧
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表1にプロテクト動作電圧の実測値を示します。8Ωのダミーロードを接続した状態で出力電圧を実測しました。
思いのほか低くしかもプラスマイナスの差が小さいのは、マイナス検出側のエミッタ負荷が入力の24kΩではなくて47uFのケミコンだからです。等価的にほとんど0Ωです。


表2.超低域信号による動作
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表2に超低域信号出力時のプロテクト動作条件を示します。表がデカすぎる(^-^;
5Hzで20Vpp出るような音は再生しないと思いますので、問題のないレベルだと思います。

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2016年4月10日 (日)

ノイズ対策について

前回は全体にわたる製作記事をお送りしましたが、今回はフェライトコアによるスイッチング電源ノイズ対策の追加報告です。

まずは最終的に選定したフェライトコアと入れ方についてです。

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図1.保護回路

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図1-2.フェライトコア挿入の様子

回路そのものは前回と同じですが、フェライトコアを選定しました。
まずスイッチング電源出口のFerrite Core1はE04SR200932に2T(1回巻き)とします。
アンプ基板電源入力部のFerrite Core2、Ferrite Core3はLF-35Bに1T(通すだけ)です。
前回のスピーカー出力のノイズを図2に、今回の変更による結果を図3,図4に示します。


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図2.前回ノイズ測定結果


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図3.今回の測定結果(上:L 下:R)


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図4.今回の測定結果(20mV/divに拡大)


上図のとおり、かなり改善されました。
上は最終結果ですが、欲を出すといいことがありません。というのは検討過程において、できるだけインピーダンスの高いフェライトコアに巻けるだけ巻けばそれだけノイズは除去されるだろうと考えていたのですが、欲張ると発振します。特にアンプ基板電源入力部のFerrite Core2、Ferrite Core3は要注意で、ここはフェライトコアなしか、かなり控えめに入れないとてきめんに発振します。今回気がついたのですが、前回発表したECDN906088でも出力オープン時に発振していたことがわかり、いくつかの候補を検討した結果LF-35Bとなりました。参考のためFerrite Core2、Ferrite Core3にE04SR200932を入れた場合のスピーカー出力端解放時の発振波形を図5に示します。

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図5.フェライトコアによる発振波形(238KHz)


フェライトコアはこれまでノイズに効くおまじないくらいにしか考えていなかったので、発振を起こすほどに効果が強いとは思いませんでした。高域における電源のインピーダンスが高くなったことによる発振です。今回はフェライトコアのインピーダンスが低いもの(効きが弱いもの)を選定して解決しましたが、他にもたとえば、
①アンプ基板に大容量のケミコンを載せて電源インピーダンスを下げる 
②アンプの帯域を制限する
などの対策も考えられます。

スイッチング電源出口のFerrite Core1はインピーダンスが高いE04SR200932に2Tと欲張りましたが、こちらはそのあとに5600uFの大容量ケミコンが控えているためか安定しています。
またおまじないのつもりでスピーカー出力にもフェライトコアを入れる実験をしましたが、これも発振しました。

今回の教訓は
漢方薬とフェライトコア、あなどりがたし

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2016年4月 7日 (木)

無帰還電流駆動アンプの製作

きょうは無帰還電流駆動パワーアンプ製作の詳細です。

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 図1.アンプ外観

アンプのシャーシは左右のヒートシンクに底板とL型アルミアングルを取り付ける構成になっています。信号の流れを考えて入力端子と入力ボリュームを中央に、スピーカー端子を左右に配置しています。

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図2.ヒートシンク

ヒートシンクはヤフオクで1個800円のものを左右チャンネル各1個で計2個使いました。サイズは55x60x230で、A級で20W強の出力を得るためのアイドリング電流を1A流すにはおそらくこれでギリギリです。


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図3.アンプ回路


図3はアンプ部の回路です。
左右チャンネルそれぞれをサンハヤトのユニバーサル基板AT-1上に配線していきます。
Q1,Q9およびQ2,Q10はヒートシンク上に組み付けるため基板上には配置しません。また、VR1は入力ボリュームで、好みに応じてシャーシに取り付けます。ぼくは2連のデテントボリュームを使っています。


Photo
図4.アンプ基板


図4はアンプ基板の写真です。ほぼ回路図と同じ部品配置になっています。左側にJ1.J2、次の列にJ3、D1~D4、J4とVR2、その次の列はQ7,Q8、そのまた次がQ3,Q4とQ5,Q6そして右側にR9,R10とC3~C6です。
回路と配線の見通しをよくし、変更が簡単におこなえるように、部品実装、配線ともにパターン面としました。

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図5.カレントミラー結線図

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図6.カレントミラーの熱結合と空中配線


Q3とQ4、Q5とQ6はカレントミラーで、接着剤で接着して熱結合するとともに、図5の回路になるようにあらかじめ空中配線しておきます。


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   図7.Q1,Q9(Q2,Q10)の熱結合とヒートシンクへの取り付け


図7にQ1,Q9(Q2,Q10)の熱結合とヒートシンクへの取り付けを示します。熱結合に金具を使っていますが、接着してもOKです。接着する場合は2液混合タイプのエポキシ接着剤を使用しますが、速乾性のものよりも24時間硬化タイプなど乾くのに時間がかかるものの方が、耐久性、耐熱性などにすぐれているようです。
絶縁シートには伝熱性がすぐれた信越化学のTC-30BGを使用しています。(千石電商)


次に電源の配線および保護回路です。

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図8.保護回路および電源配線


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図8-2.保護回路基板写真


図8に保護回路と電源の配線を示します。
保護回路はLRチャンネル共通としました。現時点ではクロストークは測定してみていないのでなんともいえないのですが、8Ωの負荷に対して保護回路の入力が24kと47uFですから無視できるレベルではないかと考えています。
保護回路作動時は、上段の回路の24Vリレーによりスピーカー端をショートするとともに中段の回路によりAC100Vを遮断します。
スピーカーショートのリレーは、非通電時にスピーカー端が短絡するように接続します。スピーカー端は片側がアンプ出力、もう一方がGNDで、GNDは保護回路も共通ですから、スピーカーのアンプ出力側だけ引き込んできてGNDは保護回路上にあるものをそのまま使います。
AC100Vの遮断はSSR(ソリッドステートリレー)によっておこないます。これはSSRキット40Aタイプという秋月で購入したものをそのまま使用しています。
このような回路では電源のON/OFF時にちょっとした工夫が必要です。
電源ON時は、SW1によって一瞬AC100Vを通電することでSSRに電源を供給し、フォトトライアック内部のLEDに種火を入れることでおこないます。
逆に電源OFF時はSW2によって、フォトトライアックのLEDを駆動しているQ7のベースを一瞬GNDに落とし、種火を吹き消すことでおこないます。
SW1/SW2はNKKのトグルスイッチM-2028を使用しました。これは(ON)-OFF-(ON)つまりバネ付きの中立タイプで、レバーを上下のどちらに倒しても一瞬ONする接点が2回路入っています。これによりSW1/SW2を1個のトグルスイッチでまかなっています。ぼくは上に倒すとON、下に倒すとOFFになるように構成しました。
保護回路基板の写真を図8-2に示します。5600uFのケミコンは基板の裏側に配置しています。またSSRキットの小基板はシャーシ後ろ側のヒューズホルダの近くに配置しています。

次に電源ですが、小型軽量なA級アンプを構成するためにスイッチング電源を使っています。もちろん通常のトランス電源でもかまいません。アイドリング電流はピーク電流の半分とすると、アイドリングを1Aとするにはピークで2A、ステレオで4Aの電源が必要ですがこれはフルパワーで鳴らす場合ですから、とりあえずは3A程度確保できればいいのではないでしょうか。
今回の製作ではイータ電機のBNC24SA-U1(24V/3.5A)を2台使用しました。
AC入力のヒューズをどれくらいにすればいいのかは悩ましいところです。BNC24SA-U1は内蔵ヒューズが5Aなのですが、それならAC100Vの入力のヒューズは2台分だから10Aでいいかというとそれだと大きすぎる感があります。ラッシュカレントをどう考えるかなのですが、根拠なく√2倍の7Aにしました。今のところ6Aでも飛んでいないので6Aか7Aといったところではないでしょうか。

回路図中Ferrite Coreの記述が3カ所ありますが、これはスイッチング電源の高周波ノイズを除去する目的です。

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図9.フェライトコア挿入の様子


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図10.秋月で販売しているフェライトコア


図9にフェライトコア挿入の様子を示します。
フェライトコアは秋月で販売しているもののうち図10の灰色のECDN906088を使用しました。黒いECDN906087よりほんの若干ですがすぐれているようです。

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図11.フェライトコアなし


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図12.スイッチング電源出力部のみフェライトコア挿入


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図13.スイッチング電源出力部およびアンプ電源入力部にフェライトコア挿入


図11~図13にフェライトコアの有無とアンプ出力のノイズを示します。
測定条件は、アンプ入力をGND短絡、出力は8Ωダミーロードとし、ダミーロード端を観測しました。
このようにフェライトコアの効果は絶大です。
電源の種類によってスイッチング電源出力部の最適なフェライトコアの入れ方がちがうようです。ぼくは3種類の電源で試してみたところ次の結果になりました。

・BNC24SA-U1(3.5A) (※今回使っている電源です。)
±24V、GND、FGの計4本をフェライトコアに通します。

・ESS75-24(3.2A) (シールドケースに納められた高級品)
±24V、GNDの計3本をフェライトコアに通します。FGは接続しない方が良い結果となりました。

・CFM60S240(2.5A) (若松で1個1580円で購入)
±24V、GNDの計3本をフェライトコアに通します。FGは接続しますが、フェライトコアには通しません。

このようにベストなフェライトコアの使い方が電源によってちがいますので、試行錯誤が必要です。
シャーシアースは、図8のChassis GNDのポイントから接続します。

すべての配線、組み立てが終わったら間違いがないかよく確認して、VR2をセンターに、入力をGNDにショート、スピーカー出力に8Ωのダミーロードを接続し、アンプ基板のR9またはR10の両端に電圧計をつなぎ電源を入れます。この電圧が0.7V前後になっていればまずは安心です。この電圧は温度上昇とともに下がっきて、およそ0.5~0.55Vに落ち着けばOKです。ぼくが製作したアンプの実測値は0.55Vで、このときのアイドリング電流は0.55/0.47=1.17A、このときのA級最大出力は2x1.17^2x8=22Wです。25WをA級で得るならアイドリングは1.25A、アイドリングが0.79AならA級出力は10Wです。
もしアイドリング電流が狙った値にならない場合はアンプ回路のR7,R8を変えてみてください。これらの抵抗値を小さくするほどアイドリング電流は増加します。30~47Ωくらいのあいだで最適値が見つかると思います。

次に出力のダミーロード端が0VになるようにVR2を調整します。30分から1時間かけて追って調整をすればだいたい落ち着くと思います。このオフセット調整はダミーロードを1kΩ程度にすると、より精度の高い調整が可能です。

もうこのタイミングですでにいちどは保護回路が作動しているかもしれませんが、保護回路のチェックをおこないます。入力に1.5Vの電池を接続して徐々に入力VRをあげていくと保護回路が作動し、リレーがOFFになると同時に電源が落ちます。電池の極性を逆にした動作も確認してください。保護回路が正常であればスピーカー端がおおむね±2~±3Vで動作します。


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図14.THD+N特性(Lチャンネル)


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図15.THD+N特性(Rチャンネル)

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図16.周波数特性



表1.出力インピーダンス特性
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図14~図16および表1に測定結果を示します。
図14~図16はシャーシ搭載状態で8Ωダミーロード負荷による測定、出力インピーダンスは試験基板で負荷1kΩ(100Hz、1KHz)、200Ω(10KHz)のON/OFF法での測定です。
ひずみ特性は無帰還電流アンプでここまで追い込めるということがわかりました。デバイスの選択や回路の工夫でまだ改善の余地があるのかもしれませんが、まずは満足な結果になったと思っています。
周波数特性も今回のデバイス変更によって改善しました。0,-3dB特性は0~400KHzです。
出力インピーダンスも改善が見られました。100Hzと1KHzは近い値になり、10KHzも前回回路の60Ωより大幅に改善しました。

ここ数日このアンプで音楽を聴いていますが、以前に比べてよりなめらかになり心地よく鳴っています。音が澄んでボーカルが前に出てきた印象がします。
シンプルなフルレンジスピーカーで音楽を楽しみたい方に自信を持っておすすめします。

注)ネットワーク入りのマルチウェイスピーカーには使用できません。

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2016年4月 4日 (月)

無帰還電流アンプ改良

このところ取り組んでいる無帰還電流アンプですが、今回はデバイスの見直しによりひずみ特性が飛躍的に改善されました。
また、以前から課題だったスピーカーショートタイプのミューティング&保護回路もうまくいきましたので報告します。

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    図1.THD+N特性

図1が今回の全高調波ひずみ+雑音特性です。これはシャーシに組み込んだ状態で若干特性のわるい右チャンネルのものです。負荷は8Ωのダミーロードです。

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 図2.アンプ回路図



今回の主な変更点はQ3,Q4およびQ5.Q6のデバイスです。
従来2SC2240/2SA970を使っていましたが、損失がぎりぎりで破綻寸前でした。これは設計ミスです。(汗)
これを2SA1020Y/2SC2655Yに変更したところ、ひずみ特性が図1のとおり改善しました。位相補償用のC1,C2は±に分散して220PFとしたところ、ピークがない状態でf特(-3dB)が従来の260KHzから400KHzに改善しました。このほかに、バイアス用のダイオードを2本から4本に増やしました。前回の報告でショットキー2本にしたのですがこれだとQ1,Q9およびQ2,Q10の熱結合によるアイドリング電流の温度補償が過補償となるため、ダイオードを4本に増やし熱結合による補償の効きを弱くしました。またこれに伴いR7,R8,R4も変更しました。この定数でアイドリング電流は1.17Aです。

ミューティング&保護回路は、スピーカー端をショートするタイプです。この方法により信号経路に接点が入ることを避けられます。このやり方は電流駆動アンプだからこそ可能です。
保護回路作動時はスピーカー端を短絡すると同時に、トライアックによるSSR(ソリッドステートリレー)によってAC100Vを落とします。
電源ONはSW1によって一瞬火を入れることでおこないます。電源OFFはSW2によって一瞬種火(フォトトライアックU1の内部LED)を落とすことでおこないます。
リレーは非通電時にスピーカー端がショートされるように接続します。回路を図3に示します。


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    図3.保護回路および電源配線



音はよりクリアとなり、ボーカルが近寄ったように感じられます。
今回は概要のみ説明しましたが、詳細記事を近日アップします。おたのしみに!

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2016年3月13日 (日)

KT88シングルパワーアンプ

知り合いからもらって修理して使っているKT88シングルパワーアンプ(冬用)のシミュレーションをしてみました。いい感じです。
半導体世代のぼくにとってはどうにも真空管はなじみがなく、どこか遠い異国のデバイスという感じがしますが、精密な構造物がガラスに封入されたなんとも美しい真空管から出るほんわかとあたたかい音で音楽を聴くのはとても楽しいです。

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